Fountain

Open App

意識が浮かび瞳が光を映す最中、
自分が光に包まれていることに気付く。

長いこと暗闇に身を置いていたらしい。

数度、眩しさに耐えながら瞬きをした。


今、私は知らない道を歩いている。
足元を照らす光がうっすら黄色を帯びながら、
微かな不安をさらってくれる。


俯きながら、自分は

自分は価値があるのか、と

死にそうな目で、思考を垂れ流していてた。


記憶は無情に過去を見せ、
過去は非情に自分を見せる。

いつもと変わらずにあればいいと、
何度、そうしようと思っただろう。

そうすればいいと、

何度、叫ばれたんだろう




足を止めた。
いつの間にか端に辿り着いてしまった。

呆然と立ち尽くした、
この先は、
暗く、未知数で、醜く恐ろしいものが
あるかもしれない。
そう考えて振り返った。

そこで終わった、終わってしまった。

光の回廊は続く。

己の醜さが、
光に照らされ色褪せるまで、
無情にも、続いてゆく。



それは
優しく、残酷で、
醜くも、美しい、
過去からの救済であった。

12/22/2025, 4:38:02 PM