圭昭

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10年後の私から届いた手紙

今日は珍しく私のカレンダーに予定が入っていた。「高校同窓会」と書かれたカレンダーを私は見ながら懐かしい青春時代を思い浮かべた。10年後は今と比べても何も変わらないとあの頃は思っていたが、その予想は外れていた。大人になるということを社会に出て思い知らされた。責任という二文字はどんなときにも私に付きまとい、自由という言葉に時折姿を変え、私の前に現れる時もあった。昔のように何かを始める好奇心は胸の奥底へと眠りにつき、現状維持というワードが頭から離れなくなっていた。現状維持、それはきっと今のままで良いのではなく、今のままが良いと私が選んだ結果だと思える。大切にしたい家庭があり、守りたい人がいる。同窓会ではそんなことを痛感した。私のクラスはタイムカプセルを10年前に埋めていたらしい。カプセルの中には10年後の自分宛の手紙が全員分入っていた。私は不意に怖くなった。あの頃の自分が望む10年後の自分になれていたか不安になった。少年の心を持っていたあの頃をしっかりと目を開け見ることができるのか心配になった。帰り道を歩く私はずっと手紙を手に持ちながら、不安感に襲われていた。手に持て余すほどの若さを持っているこの手紙を私はついに手放した。二度と見ることのないように散り散りに破き、夜空へと逃がした。風に舞う紙が星のように眼に映った。青春は私の心の中へと仕舞い、私はあなたのもとへと帰った。

2/16/2026, 3:08:49 AM