雪の降る中、私はひとり公園のベンチに座っていた
周囲には誰もいない
あるのは積もった雪だけだ
雪の静寂
私に積もろうとする雪を度々はらう以外は、動きもない
降り積もる雪以外は時間が止まったかのようなひと時
静寂は、静かで寂しいと書くわけだが……
私はこの寂しさが嫌いではなかった
普段、様々な人たちと関わるからだろうか
時々、孤独になりたいことがある
その時は人の気配を一切断つのだ
テレビもつけないし、SNSどころか、ネット自体にもアクセスしない
ここは屋外であり、公共の場所でもあるから、本来孤独には向かない場所
しかし、今日は不思議なことに公園だけでなく、隣接する道を通る人や車すら無い
外で感じる静寂、孤独というのも気持ちのいいものだ
雪が降るほどだから気温はとても寒いが、この寒さが寂しさへのいい味付けになっている
やはり寒さと雪は、孤独や寂しさ、静けさといった要素によく合うものだ
人が恋しくなるまでは、このままでいたい
私は特に人嫌いだとか、ひとりが好きなタイプの人間というわけではない
だからしばらく孤独を楽しんだら、ちゃんと誰かとのふれあいを求めるようになる
寒さには、温かさが必要なのだ
そして、暑くなれば涼しさを求めるだろう
心も同じ
私は人々との関わりで、心が暑くなってしまった
だから雪の中、孤独な静寂で涼んでいる
そして、心が寒くなった頃に、人の温かみに触れに行くのだ
さて、心は涼しいが体は寒さで冷えて来た
そろそろ帰って、体だけは温めよう
風邪でも引いたら、静寂を楽しむどころではない
12/17/2025, 11:51:14 AM