「死んだ人は、お星様になって私たちを見守っている」
と、大嫌いな母がそう言っていたのを思い出した。
俯きがちだった顔を、少し上に向けてみる。
都会とはいえ、冬になると空が少し賑やかになる。
キラキラ光ってる大きな星や、今にも消えてしまいそうなくらい小さな星。
貴方は、どこにいるのだろう。
貴方は……きっと、あの星だ。
とても明るくて綺麗なのに、周りに星たちがいない。
寂しがり屋で、甘えたがりのくせに、人を傷つけるのが嫌だからって、だからいつも1人だった。
空の上でも、貴方は1人なのか。
貴方はいつだって、1人ぼっちだ。
最後だって、貴方は1人だった。
寂しかったら頼ってって、あれだけいったのに。
貴方と一緒なら、私だって飛び降りることくらいできるのに。
あぁいっそのこと、今からでもどこかいい所を探して飛び降りてこようかしら。
なんて良くないことを考えていると、貴方の隣に小さな星を発見した。
「1人じゃないのか」
少しホッとした。
私が星になる必要はないみたい。
安心して息を吐く。息は白くなって消えていく。
今晩は冷え込むと、母が言っていたのを思い出した
12/14/2025, 2:55:40 PM