『伝えたい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
居間から聞こえる賑やかな声に、燈里《あかり》は小さく溜息を吐いた。
無言で戸を開ける。途端にはっきりと聞こえる二人分の声に痛む頭を抑えた。
「だから迷惑だと言ってるだろうが!」
「意地悪だわ。燈里はそんなこと一言も言わないもの。そんな甲斐性なし、きっとすぐに捨てられてしまうわね」
「燈里が俺を手放す訳ないだろうが。お前みたいな優しさにつけ込もうとする賤しい奴と一緒にするな」
「酷いわ!燈里に言いつけてやるんだからっ!」
「いい加減にして、二人とも」
白熱する冬玄《かずとら》と東の面の言葉の応酬に、燈里は堪らず声を上げる。
途端に静かになる二人を前に、燈里はもう一度疲れたように溜息を吐いた。
あれから数日が過ぎた。
西の面の接触は一度もない。燈里たちの前から姿を消した西の面は、その後祀られていた社に籠ってしまったのだという。
社は柊で囲われ、完全に外界との接触を断ってしまっている。その社の四方に方相氏は柊の枝を立て、二重に閉じたらしい。
この先当分は、西の面が出てくることはない。先日訪れた夏煉《かれん》がそう言っていた。
日常が戻ってくる。それは喜ばしいことなのだろうが、燈里の心境は複雑だった。西の面は堕ちたまま、共にいる鈴《すず》という名の少女も、方相氏たちも解放されることはないからだ。そして当分という曖昧な期間も、燈里を不安にさせる。それはいつまでなのだろうか。一年か、十年か。あるいはそれ以上か、それ以下なのか。夏煉は詳細を語らず、燈里も聞くことはしなかった。
聞かずとも、それほど長い時間ではないのだろうと、燈里は理解している。誰も足を踏み入れなかったはずの山奥が人の手によって切り開かれ、方相氏たちの施した封が解けたように、いつかあの社も人の手によって取り壊される時がくるのだろう。
社を失った後、西の面がどこに行くのか、燈里には検討がつかない。そしておそらく、それは夏煉たちも同じだろう。その時が来たとしたら、西の行方は今度こそ分からないままとなるのだろう。
「燈里!北が酷いことを言うのよ。私のことをのけ者にするの」
「許可なく家に上がり込んでいるからだろうが。というか、なんで当然のようにここにいるんだよ」
燈里に迫る勢いで東の面が近寄ろうとするのを、冬玄が眉を顰めながら引き留める。
日常に戻り始めた日々に落とされた変化。あれから事あるごとに、東の面が燈里の家を訪れるようになっていた。
「だって燈里のことが気に入ったのですもの。仲良くなりたいだけなのに、どうして北は邪魔をするのかしら」
腰に手を当て、東の面が不機嫌に声を上げる。
今の彼女は面だけでなく、着物姿の長い黒髪の少女の姿を取っていた。ひび割れあちらこちらが欠けていた面は、燈里と過ごし彼女との縁を深めるにつれ、修復が進んでいるようだ。
「燈里の信仰を糧にしているのを、気に入ったの一言で誤魔化そうとするな。初対面で燈里を夢に引きずり込んだだけでなく、危害を加えようとしたこと、忘れたとは言わせんぞ」
「あら、気に入ったのは本当のことよ。それに私は、燈里になら神でなくただの妖として認識されても文句は言わないわ」
信仰は燈里の元にくる理由ではないと暗に告げ、東の面は冬玄の腕を振り解いて燈里の腕に抱き着いた。
「今日は何を見てきたんですか」
苦笑しつつ、燈里は東の面に問いかける。
西の面を追って外に出た東の面にとって、この辺りは初めて見るものばかりのようだ。しばらくは長年繋ぎ留めていたことによる消耗と、西の面の抵抗で出来た傷により動けなかったようだが、最近では周囲を自由に見て回っているらしい。
鉄の馬を見た。空を飛ぶ鉄の鳥を見た。土や石ではない大地。行き交う人々が身に纏っているのは和装ではなく洋装だった。
事あるごとに家を訪れる東の面を燈里が拒めないのは、目を煌めかせながら無邪気に語るその様をとても可愛らしいと思ってしまっているからだ。幼い子供の目線で世界を見て、それを誰かに伝えたいという東の面の純粋さに羨ましさすら感じてしまう。
だが、今回は違うらしい。どこか悲しげに微笑み、東の面はゆるゆると首を振る。
「今日はお別れを言いに来たのよ。私、南の手伝いであちこちに行くことにしたから」
燈里は思わず息を呑んだ。
南の手伝い。つまりは堕ちてしまった西の面を元に戻す方法を探しに行くのだろう。
燈里は暫く東の面を見つめ、そっと微笑んだ。
「さよならは言いません。きっとすぐに会えるでしょうから」
「そうね。燈里は鈴《すず》に約束してくれたものね……ありがとう」
夢という媒介を通して燈里は鈴と出会い、終わりを望む彼女にささやかな可能性という名の希望を伝えた。
夏煉のように、西に面を戻す方法を探すのだと。あるのか分からないそれを、けれども鈴は信じ、今も西の腕の中で眠っているのだろう。
「さて、そろそろ行かなくてはね。時間は待ってはくれないもの」
そう言って、満面の笑顔で東は抱き着いていた燈里の腕を離す。
「またね!」
数歩離れ大きく手を振ると東の面の姿は柔らかな風と共に揺らぎ、霞んで見えなくなってしまった。
風が燈里の髪を揺らし、外へと駆け抜けていく。途端に静かになった居間で、冬玄が疲れたように溜息を吐いた。
「ようやくいなくなったか。最後まで煩いやつだった」
「そんなこと言わないの」
側に来て抱きしめる冬玄を窘め、燈里は息を吐く。
東の面の騒々しさを嫌っているような態度を見せながらも、その実ただ冬玄は燈里を取られてしまうのが嫌なのだ。以前楓《かえで》に言われたことを思い出し、頬を軽く染めながら燈里は冬玄の背に腕を回す。
「燈里」
愛おしげな囁き。目を細め、冬玄は燈里の頬を包み目を合わせた。
顔が近づく。燈里は静かに目を閉じ、唇が触れ合う。
その瞬間。
「そこから先は、お子様がいない時とか、寝た後にやってくれないかな」
呆れた楓の声に、燈里と冬玄は反射的に距離を取った。
「か、楓っ!?」
「わたしもいるけど?」
「睦月《むつき》!」
学校帰りなのだろう。睦月がどこか不機嫌そうにただいまと声をかける。固まる二人を一瞥し、足音荒く二階へと上がっていってしまった。
「ただでさえ、子供に聞かせたくない底辺の言い争いをしている奴らがいて足止めを食らってたっていうのに、そのまま二人の世界を作らないでほしいな。時と場所を考えてくれるかい?」
「別に……気にしなきゃいいだろうが」
眉を寄せ呟いた冬玄を、楓は目を細めて見つめる。そのまま燈里へと視線を向け、態とらしく小首を傾げ笑ってみせた。
「燈里はいいの?睦月に見られても、本当に気にしない?」
「――っ!」
一瞬で燈里の顔が真っ赤に染まる。睦月に見られた後の気まずさを想像しただけで、声にならない悲鳴を上げた。
「時と場所を考えようね」
繰り返されて、燈里は涙目になりながらも頷いた。八つ当たり気味に冬玄を睨み、居間を出ていく。
階段を駆け上がる足音を聞きながら、楓は呆れたように溜息を吐いた。
「確かに暦の上では春が来ているけどさ。ちょっと気が緩みすぎているんじゃないかい」
何も言えずに冬玄は視線を逸らす。
偶然見た窓の外は、雪の白が木々や大地を染めている。
立春は過ぎたが、春はまだ遠い。春告げ鳥は鳴かず、目覚めには至らない。
消える直前の、小さく丸まった西の面の背を思い出しながら、冬玄は無意識に右の薬指に嵌るリングに触れていた。
20260212 『伝えたい』
伝えたい
愛されてしまいたいこと。
自分の幾分か前にある自身であり、その実自身でない、
"それ"にしか自身がいないこと。
曖昧に幼い頃から静かに、食道ごと胃を吐く想いを、
身に染みた当たり前の道理としていたこと。
せざるを得ないこと。
そうやって眼差しを向けてしまうくらいにはもう、
あぶれてしまっていること。
でも、そんなんどうでもよくて。
必然として俺は俺であり、
偶然にも俺は俺であってしまった。
俺の型は貴女によって形づき、
貴女によって俺は俺だと認知する。
そこでは呼吸が生まれ、
酸素は血管を伝い俺の縁を駆けて行く。
どうか、嘘みたいな本当で生きる貴女の人生の
その重さを俺にも背負わせてくれ。
どうか、俺の人生を、俺の時を貴女へと
割かせてくれ。
おれに、まもらせてくれ。
あんたはあたしに言った。
「だいすきだよ」って。
かわいいリボンをつけたあんたが笑った。
水玉模様のワンピースと、
あたしの心がふわりと揺れた。
でもその「だいすき」は、
あたしとは違うでしょ?
だって、あんたには彼氏がいるんだもの。
あたしの思いは伝わらなかった。
いや、伝えても届かなかったの。
あたしの声は伝わらない。
あたしの「すき」は届かない。
ある日ね、あんたの彼氏から告白された。
顔が好みだったらしい。
あんたのことを可哀想だと思うとともに、
奇妙な喜びが浮かんできた。
あたしは返事をした。
それから彼と付き合った。
そいつのことは好きじゃなかった。
むしろ、大嫌いだった。
でもあたしはね、あんたのそのかわいい顔が見れるなら、
気持ちの悪い男とだって恋人として振る舞ってみせる。
あたしは言った。大嫌いな男に言った。
「ねえ、ひとつ伝えたいことがあるの」
その言葉がなんだったのかは、あんたには分からない。
でも、たしかに、
大好きな人に伝わるはずの思いだった。
『伝えたい』end
長い長い遠征から旦那が帰って来たとの知らせを受けて急いで駆け付けた旦那の屋敷。
「帰って」
そう奥様に撥ねつけられた。
「旦那が帰って来てると聞いた」
「誰のせいでこうなってると…!!!」
何故だかすごく怒っているようだ。
旦那に何かあったのだろうか。
嫌な予感がする。
「奥様お願いだ。旦那に合わせてくれ」
「一目でいいんだ」
追い縋って袖を掴んで必死で懇願する。
「離してよ!!」
奥様は振り払おうと必死だがこちらも譲るわけにはいかない。
「一目でも、一目でもいいんだ!!お願いだから」
うんざりしたのか奥様は俺が掴んでた袖をもぎ取りながら睨みつけた。
「もう勝手にして。自分の目で確かめるといいわ!」
道を開けられたその隙間を駆け抜けるように旦那のいる寝室に向かう。
そこで目にしたのは目を閉じたまま横たわる旦那の姿だった。
「もう長いこと目を覚まさないわ」
いつの間にか横に来てた奥様に話しかけられた。
「身体中怪我だらけだし目も開けない」
射抜くように目が合った。
「あなたのせいよ」
「あなたがあんな事しなければこの人はこんな目に遭わなかった」
静かにたんたんと責められる。
よろよろと駆け寄り旦那の身体を必死で揺すると周りから止められた。
「何してるの!!」
そんな声を無視してさらに旦那の身体を揺する。
「旦那!旦那!!目を開けてください!!」
何度も何度も語り掛ける。
それでもその目が開く事もあの憎たらしい笑みですらも見ることが出来なかった。
旦那はずっと昏睡状態で居るらしかった。
「いつまで居るのよ」
あれから旦那のそばにずっと付いて離れない俺に向かって奥様が言い放つ。
「旦那が目を覚ますまで居る」
「帰りなさい」
「いやだ」
「医者だって手を尽くしたのよ。貴方にやれる事はないわ」
「それでも側にいる」
こうなったのは俺の責任だから。
俺が考えもなしに行動して敵国の舞を舞ってしまったから。
だから旦那は俺の尻拭いをするために戦地に赴いた。
「勝手にしなさい」
ひとつ大きなため息を吐いて奥様は居なくなった。
旦那の部屋に旦那と俺、ふたり。
そっとその色を失った頬に触れてみる。
「旦那。旦那…なぜ目を開けない」
どうしてこんな事に。
俺のせいだ。
「起きてください。お願いだから」
その手に腕に胸にそっと触れる。
腕にも脚にも大きな傷があった。
ごめんなさい。ごめんなさい。
こんな事になって。
俺が考えなしだったから。
何だってするから。
お願いだから目を開けて。
そしてまた罵倒してもいいから。
もう会えなくてもいいから。
お願いだから、また目を開けて笑ってよ。
まだ生きようともがいているその胸に懇願するように顔を埋めた。
「旦那…旦那…帰って来て。頼むから」
🍁(伝えたい)
この場所で 伝えたい です。
この場所で
この場所でキミに出会えてなかったら
きっと、今の僕はなかった。
「はぁ、どうしよう」
屋上の手すりに寄りかかり、進路に迷っていた僕。
そんな僕の横にそっと立ち
「どうしたの?」
寄り添ってくれたのがキミだった。
「進路に迷ってるんだ」
誰かに聞いてもらおうなんて、思ってたわけじゃない。でも、優しく微笑むキミの、包んでくれそうな雰囲気に、自然と話し始めていた。
「叶えたい夢がある。けど、叶えるためには、家から遠い場所に行かなきゃならない。寮があるから入ろうとは思うけど、家族と離れるのは初めてだから、遠い地でやっていけるのか不安で」
一気に思っていることを話すと、キミは手すりを掴む僕の手の上に自分の手を重ね
「そっか。環境を変えるのは、勇気がいるよね。でも私は、叶えたい夢があって、叶えられる場所があるなら頑張ってほしい。って思う」
僕の目を真っ直ぐ見つめる。
「やる前から怖がって、挑戦しないのはもったいないよ。やってみてダメなら仕方ないけど、やらないで諦めるのはもったいない。けど、不安になる気持ちもわかる。だからね、淋しいと思ったら、いつでも私に連絡して。気がすむまで、話に付き合うから」
キミのその言葉に押され、僕は夢を叶える道に進んだ。そして、淋しくなってキミに連絡すると、嫌がることなく話を聞いてくれた。
そんな生活に慣れ、キミと連絡する回数が徐々に減り、今では連絡はしていない。
キミが今何をしているかわからなくなってしまったけど、夢を叶えられたら、真っ先にキミに伝えたいと思っている。
伝えたい
伝えたい。
溢れるくらいのキミへの想いを。
けど僕は、キミに憧れる男の中の1人。
そして、想いを伝えられない弱い奴。
キミに告白して、断られる場面を見るたび、僕にもチャンスが。って思ってしまうけど、僕も同じように断られるかもしれないと思うと、告白なんてできっこない。
でも、募った想いをそのままにするのは、苦しい心をさらに苦しくするだけ。
だからいつか伝えたい。
溢れるくらいのキミへの想いを。
伝えたい。
僕は勉強が出来ない、運動神経も良くない、体も小さく容姿も優れてない。
親や周りからも何の才能もないと言われていた。
社会人になり就職しても、不器用なので仕事は出来ない。
挫折ばかりだ。
だが、仕事に対する姿勢は真面目だったので、人一倍の努力と経験で克服した。
派遣社員時代は「リ−ダ−をやらないか」と言われたし、今では職場で頼られる存在だ。
日々、質素倹約に努めているので老後は安心だ。
独身の強みである。
だから今が一番幸せなのかもしれない。
ただ、オジサンなので恋愛が出来ないのが寂しい。
中学生時代に、今の僕なら楽しい青春を過ごせたと思う。
伝えたいことは、人間なにか才能がある。
不器用でも人の3倍努力すれば大抵の事は出来る。
人生なんとかなる!
だから悪い選択はしないで、もしも身の危険を感じたらその場から逃げて下さい。
人生やり直す事は出来ます。
いまみたいに
なにをいったらいいのか わからないときって
たくさんあって
ありふれたことは おとながみんな
いってたし
さりげないことは かえってきみを
くるしめそうだし
つぎのひとことで みらいがかわるかも
そうかんがえたら
なにもいえなくて
ただ ここにいる
きみの くうかんに
いつもとなりとは いかないけれど
めをあわせなくても
てをにぎらなくても
じかんやくうかん みえないものが
ふたりでいることをゆるすとしって
【伝えたい】
伝えたい、分かってほしい気持ちはたくさんあるのに否定されるのが怖くてまた傷つくかもしれないのが怖くて言えない毎日。ほんとはもう少し楽しく、いきいきと過ごしてるはずだった
私の本音は 安心して出せる場所はいったいどこにあるんだろう
「伝えたい」
久々に親の顔を見に、里帰りをした。新幹線に乗って、静かな住宅街を2kmぐらい歩くと「刑部」という表札の家柄見えた。焦茶色の趣深い色の木の板が、年輪と共に渋く輝いている。
「ただいま!」と普段は出さないような少し大きい声を出すと、「はいはい、おかえり。」と、髪がまた一段と白くなってまた身長が縮んだような母が、玄関で迎えてくれる。
「上がるよ。」私はそんな母の出迎えなどお構いなしに、玄関の床を踏み締めて和室へ上がった。
「おぅ、おかえり。」和室では、父が爪を切っていた。
「はい、これ土産。焼酎。好きだろ、2人とも。」
「ありがとう。これがまた美味しいんだよねぇ。」
母は、焼酎の瓶をすぐに受け取って棚へしまった。まるで、リスがどんぐりを埋めるかのようだった。
「おい、辰博。湿布を取ってくれるか?そこの押し入れの中にあるんだが…。」
「あ、ついでに体重計も出してくれない?昨日から探しているんだけど、見つからないの。」
早速、いいように使う。昔からそうだ。親離れする前と、何も変わらない。
俺は無言で押し入れの戸を開けた。親離れしたときと変わらず、埃っぽかった。我が家は、昔から押し入れはそこまで丁寧に掃除をしない。片付けすら真面目にやらないため、押し入れに入れたものは、大体見つからない。俺はその押し入れのことを「刑部ブラックホール」と呼んでいた。
布団、枕カバー、ドライバー、体温計、豆電球。物がごちゃごちゃしていて、湿布や体重計の姿が見えない。探しているうちに、俺は高そうなカステラの箱を見つけた。中身が気になり開けてみたところそれは、俺宛のメッセージが入った俺の寝顔写真だった。
「何々?あっ!それ見つけちゃったんだぁ。」
母が、人の恋愛を揶揄う女子のように言ってくる。
「どれどれ?辰博くんは。この前は公演に来てくれてありがとう。あなたのために、必死に頑張りました。特に、薬売りの演技はあなたのことを思いながら演技してました。私は、今あなたがいるからこそ日常生活を送れます。私の感覚としては、あなたが私を束縛しているかのよう。辰博さん、今後も私をあなたの愛で束縛してくれませんか?一生あなたから逃げられないように、ギュウギュウにきつく縛り付けてください。これが、私にとってこの世で最も美しい束縛です。
あなたの愛の虜 角田さりか。だってぇ!」
父が、読めば読むほどその気色悪い内容に興奮している。聞くだけで、吐き気がしそうだった。そして、俺はその角田さりかが誰なのかを思い出したせいで、目まいがした。角田さりかは、俺が高校時代に俺に付き纏っていた、いわば変人だ。彼女が言うには、俺に昔からの気があったらしい。告白した瞬間に振ったのだが。
「それねぇ、角田さんが私たちに渡して欲しいって一昨日届けられたの。」
ゾクゾクが止まらなかった。しかも、写真の日付は1週間前だ。角田とは高校の卒業式依頼全く会ってもいないし、連絡すら絶ったのに。もはや、ストーカーか?
「そういえば、千佳もそれを見て何か書いていたなぁ。」
父の、その一言で俺は更に怖くなった。千佳は、俺の妹だ。
「なんて書いてあったのかわかる?」
「あぁ、私がこっそりコピーとっておいた。なかなか面白い内容だったけど。」
母がそのコピーの紙を出すと、俺はパッと奪い取りそれを父は読み上げた。
「角田さりかさんへ。ご連絡ありがとうございます。先日の公演、素晴らしかったです。私には、多くの集団の中で輝きを放つあなたしか見ることができませんでした。あなたを見られない時間が、私にとってどれほど苦痛だったのか。それは、量り知れるものではございません。私は、あなたについて思わなかったときは1秒もありません。常に、あなたへの愛で私の心は溢れていました。あなたを私の愛でこれからも、束縛致します。けれど、縛り方は少し粗いようで繊細に致します。縛るのは、私の腕で充分でしょう。あなたが、私の腕に囲まれて、胸の中で頭をうずめて唇と唇が重なる。そして、お互いの身が合わさるときにはもうあなたは縛られるどころか、私の愛で溶けそうになっていることでしょう。いや、溶かしてみせますよ。その代わり、あなたも私を溶かしてください。2人の愛の炎は、いつまでも消えません。焼き尽くして、溶かし続けて、ボロボロになるまで。」
「最高!」
母の反応に突っ込む余裕もなく、俺は気絶してしまいそうだった。
「そこまで伝えようとしてたんだなぁ。角田さんも、千佳も。」
「まずは、俺の気持ちを伝えさせてくれ。」
俺は、顔を青くして死んだように床へ倒れ込んだ。
『伝えたい』
いつもありがとうございます。
今日もスペースのみです💦
仕事が溜まるばかりで、執筆どころではなくなってしまいました😭ごめんなさい!
お題:伝えたい
思えば、伝えたいと思って文章を書いたことがない。私の文章は「書きたい」という欲求から始まるからだ。困った。
まぁ、お題はお題だ。
不慣れだが「伝えたい」を書いてみようと思う。
匿名で流れてゆく文章の数々から、ふと足を止め、
これを読むことを選んだ君へ。
本当にありがとう。君の目が文字という記号を認識し、君の中で言葉になり、君の思考が意味を与え、私は初めて文章になるのだ。君がいなければ私は存在しない。
だから常々思う。
私は君に生きてほしい。願わくば健やかに。
『誰だよお前』と思われるかもしれないが、こちらも必死なんだ。より多くの人に、多くの君に、私を顕したくてこれを書いている。つまり君がいなくなると、君の人生ひとつ分私の文章がなくなるんだ。そんなことしてくれるなよ。
私が伝えたいことなんてこれくらいだ。また、これは、
『伝えたいこと』であって、『お願いごと』ではないことを留意してほしい。君自身のことを私がどうこうできるなどとは全くもって考えていない。
私は数秒でいいから足を止めてほしいだけだ。
私の文章が足を止める理由になればいいと思うだけだ。
読んでくれて、ありがとう。
誰かに伝える文章というのは少し、気恥ずかしいな。
水中の中の私
少し動けば広がっていく振動
その振動は、どこまでも広がる
遠い遠い国の言語も違う
肌の色も違う
文化も違う
誰かかもしれない
はたまた一周してきた振動が
私の隣の席に座った
君に届くかもしれない
誰も振動を止めることはできない
だって、海は繋がっているから
伝えたいことなんて山ほどあるのに
言葉にすると安っぽく聞こえてしまう
形式的なやり取りしかできなくて
ゴミのようなな言語野に嫌気がさす
嫌いだから離れるんじゃないよ
好きだから一緒にいられないんだよ
私はまともな人じゃないから
あなたはまともな人だから
いつかあなたを殺してしまうから
さよならをしたんだよ
いつかあなたを拒んでしまうから
きっとこの手は冷たいんだね
ご飯はちゃんと食べてね
夜更かしし過ぎないでね
風邪ひかないようにね
それだけ
伝えたい
【後で書きます…!】
2026/2/12 「伝えたい」
"伝えたい"
紙よりも海苔に託したメッセージ
しなっていても味は落ちない?
伝えたい
「はぁ…告白なんて無理…」
そう私には好きな人がいるでも告白が出来ない
とうとう卒業式となってしまった
「このまま私の恋は終わるのか…」
しかし友達の一言で勇気を持つことができた
「人生一度きり後悔のないようにねこの人生の今日も最初で最後だよ神様がくれたチャンスだよ」
「ねぇ!○○くん!」
「ん?」
人気のないところにつれてった
「振られるってわかってるでも人生後悔したくない私は○○くんがすき」
私は無理だと思っていた
「俺も好き」
人生何があるかわからないものです
たった一つの些細な決断でもなにかが変わる
一歩踏み出せばなにかがきっと変わる
大切な人に伝えたい
この思いの生簀から
新鮮なまま少しずつ拾って行き
少しずつ伝えているのだけれど
気付いているのかな
思いと云う物は
言葉で伝えられるが
単語にした瞬間
何処か安っぽくなる
だから私は直接
言葉では伝えない
音にする
声にする
言葉にする
詩にする
歌にする
表現をする
全てを使って思いを掬い
時に君に虹をかけて見せては
全く伝わらないから時折
直接水をぶっ掛けたりもする
それでも何時も通り笑い
歩く君が私に気付かないから
流石に私は
「好き」と
言ってしまいたくなった。
題材【伝えたい】より
花束だなんて好まれますか
愛する足首さんへ
どうにもね、何故か花を枯らしちゃう人というのもいますね
限りあった時間、手前勝手に拝借しますね
そう。そう貴方もね、己のこと愛していたのでしょ
理解できています。だって貴方はいないから
周りの人、身近な人、愛した人もね
誰もがみんな、平等でしたからね
愛するってね、何だったんですかな
教える前に、地に足つけるのやめないで
されどね、1つ知ったのはね。
消えるなら、まだある内に止めてしまうのも吉ですね
要は食べるのもよいですね。生憎まるっと飲む程なら可能らしいさ
花束ってね。沢山の花が入ることもありますけれど
人混みと1つ違うことはね、綺麗な調にまとめられる所ですよ
己はね、花束のようにな人を集めては、全て枯らさせますからね
恩をいくつ何度も溜め込んで、なに1つ吐けてはいないから、
伝えたいよな。貴方にも、どちらにだって、愛してたこと
悔いは慣れるのも嫌になるようですから、以降しゃんとしますからね
そうだ、貴方も。そうしとけばよかったか、まずったや
さ、終わりましたね。完成、お疲れ様です
次があるならね、団子虫が羨ましい
そしたら、共にいますから
あのね3年半片思いしてた人と付き合えたの。
ずっと好き。ずっと伝えたかった。
最近とっても幸せ
「えー。貴女に『伝えたい』ことがあります」
「はい? なにを改まって……まぁ、はい。どうぞ」
「俺と結婚してください」
「……けっこん」
「はい。結婚、です」
「結婚。私と……タクミ?」
「指差して確認しなくても。いまこのテーブルには、俺とアヤしかいないんですけどね」
「っ、プロポーズじゃん」
「はい、そうなります」
「プロポーズを、いま……ここ? 『この場所で』?」
「っ、……はい」
「いつものトコでいっかー、で決めた居酒屋で。生で乾杯して二杯目も飲んで、こうして三杯目に口つけてる、このタイミングで」
「っ、えーと、いろいろ考えたのですが。自分の精神的負担の軽減を優先したら、こうなってしまいました。返す言葉もございません」
「あー違う。責めてるわけじゃなくて……いつもの店で肩の力抜いて、でも二、三杯ひっかけてからじゃないとダメだった、と」
「うん……はい、その通りです」
「それを聞く私は、といえば。ホッケの骨をこうやって、ベロベロッと剥がしたところ……」
「あー……ごめん、タイミング……」
「や、責めてるわけじゃなくてね、ホッケをどう攻略しようか考えてたから、ちょっと思考が追いつかないって言うか」
「何気に俺のことは、冷静に分析してんのに」
「うん、そうなんだけど。自分でもよくわからない、意外と動揺してるのかな」
「……とりあえず。ホッケ、食ってよ」
「……うん、そうする。タクミ、このヘンのトコ、ガッツリ取っちゃって」
「じゃ、遠慮なく……っていきたいトコだけど、よく考えたらそれどころじゃねーわ」
「だよねぇ。私、まだ返事してないし」
「返事……」
「でも、ホッケが冷めていくのも、放って置けないし」
「ホッケ……」
「って、アレ? 私ってやっぱ、タクミのこと、責めたいのかな?」
「あああ……タイミング的に、最悪だったよな……」
「フフッ、そんな、頭抱えなくたって。でもこれって、一生カラカえるネタになりそうじゃない?」
「一生かよ。……っ、一生? 」