半袖』の作文集

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半袖』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

7/25/2025, 2:29:36 PM

健康的な小麦肌と、透明感のある白い肌。
柔らかい弾力のある腕と、筋肉のついた逞しい腕。
たかが袖の長さでも、衣替えの時期はいつも新鮮な気持ちだ。
でも太陽の下で見る半袖は、無邪気だった頃を不意に懐古させる。

7/25/2025, 2:23:24 PM

半袖。

今日は、大きな祭りの天神祭やった。

もう、大阪には住んでないからTVで見ることにした。

テーブルの上に、ビールと唐揚げとお豆を置いて

7時半頃に、ヒューーーッパンパンッッ!!!

って、花火が上がる。

街の夜景が映って、花火と共に観る。

ビールと唐揚げを食べながら、夏はこれからやなぁ〜

と感じながら。。。

7/25/2025, 2:18:54 PM

→父

 幸田文の父である幸田露伴は、文の行った家事にたびたび不備を見つけ、家事の終わりには「あとみよそわか」と唱えて、もう一度あたりを見回しなさい、と教えた。こんなエピソードが幸田文の随筆「父、こんなこと」に描かれている。
 ところで、私の父は仕事人間であり、自分重視の人でもあったので、彼との思い出はあまりない。しかし一度だけ、彼の言葉で印象的だったものがある。夏の日、半袖から覗く女性の肘を見て、父は言った。
「お父さんな、女の人の肘が黒かったら、ちょっと悲しくなんねん」
 アレは一体、なんだったんだろう?? 未だに謎であるが、何となく私は風呂場で肘を念入りに洗うようになった。
 これも一つの「あとみよそわか」か。


テーマ; 半袖

7/25/2025, 2:17:07 PM

左腕の印が醜いから、私はもう半袖を着れない。
貴方が顔を顰めるから、私はもう半袖を着ない。
貴女を思い出すから、私はもう半袖を着たくない。
真っ赤な血が滲むから、私が半袖を着ることは無い。

7/25/2025, 2:13:17 PM

「半袖」


個人的趣味全開で申し訳ないのですが、半袖からチラ見せしている上腕二頭筋にクラッときます……
自分の振袖の様な上腕を見て悲しくなります……

悩ましい季節です……

7/25/2025, 2:10:39 PM

あなたの揺らぐ袖から、
ふわりと夏の匂いがした。

どこか懐かしい匂いが、
鼻をくすぐる。

そっと腕に寄り添うと、
あなたは笑って

『大丈夫だよ』と、
深い微笑みで私を見る。


いつだって優しい
あなたの大きな手は、
頬を包み込んで離さない。

身を任せて眠っていられたら、
どんなに良いだろうか。

7/25/2025, 2:08:40 PM

いしょになりそこねたもの

夢を見ていた。
ゆめ。ゆめ…

……どうやら夢だと思っていたものは過去の自分の記憶だったらしい。
まだ日差しが心地よくて、世界がキラキラ見えていた昔の記憶。
夢に出てくる子供の頃の記憶は決まってあの時だ。小さい公園に大きい木が何本も生い茂っていて、空が見えない。小さな砂場、大中小の鉄棒、4人分の錆びたブランコ。地面に木漏れ日。

たんぽぽのわたげが舞っていた。つくしがかわいかった。今より優しくあたたかい太陽光にあたりながらふきのとうが道にあるのを見てこれって食べれるんだよなあ、とかぼんやり思ってたっけ。そうしているうちに夏が来て蝉の声がうるさかった。夏休みに学校の開放プールで遊んで塩素の匂いを纏いながら公園で話すのが楽しかった。半袖でもなにひとつ、日焼けなんて気にせずに。大きい木で覆われたその公園で、ブランコに乗りながら話したよね。あの時の私たちは何を話していたんだろう。
夏の朝が好きだった。気温が上がる前の夏特有のヒヤッとした朝の空気が恋しい。早起きをしてラジオ体操に行った後、学校の畑の草むしりをした。何が植えられていたか忘れてしまったけど夏休みが明けた後、先生がそれに気付いて褒めてくれてたことを覚えてる。
とんぼが気持ち悪いくらい飛びだしたと思ったら途端に秋の寒さがやってくる。銀杏が落ちて黄色い絨毯になる道があった。木の葉が踏み潰されて甘い匂いがした。どうしてか朝や昼は曇りの日ばかり思い出す。それとは裏腹に夜は雲が晴れて真っ黒な空を思い出すのだった。冷たくなった空の下でまあるい月を一緒に見たのをもう覚えていないでしょう。
北海道の冬は一晩寝たら外は一面銀世界になっていた、なんてことはザラにある。毎年見る景色なのにいつもわくわくしていたっけ。スキー学習の時のご飯。お母さんが作ったアルミホイルで覆われたおにぎりってなんであんなにおいしかったんだろう。
冬の冷たい空気が好きだった。冷たすぎて暖かい日もあった。冷たくて暖かいというのは矛盾しているけれど積み上がった雪がそうさせていたのかな。澄んでいて静かな冬の夜、習い事の帰りに雪を蹴り飛ばして歩いたよね。パッと上を見上げたら真っ黒な空に無数の星が煌めいている。街頭も少なくて今よりずっと視力の良かった私の目には本当に綺麗に映ったんだ。美しくて、怖かった。静かな夜に私ひとりだけが存在し、この星空を見ているような気持ちになったから。今じゃ一等星すら霞んで見えないよ。

大切な記憶がどんどん消えていくみたいです。あなたは元気にしていますか?私との記憶なんてもう覚えていないでしょう。そう願います。私も早く美しく加工された昔の記憶は忘れて、あなたのことも忘れたいと思います。
忘れて行くのは自然なことだとしてもやっぱりどこか寂しいから、こんな夢を未だに見るのかもかもしれません。昔の私が消えるのを怖がっているみたい。でもだからどうだって言うんだろう。今の私は他人でしかないのに。確かにある記憶は遠い別の誰かの記憶のよう。泡になって、浮かんで、ぱちん、と消えて、忘れたことも忘れていく。みんなそうやって大人になるのでしょうか。あなたもそうなのでしょうか。そうであればいい。そうであればいい…

7/25/2025, 2:00:50 PM

#9
半袖

半袖と聞くと娘の制服を思い出す
毎日、アイロンをかけた夏

成人して大人になっても
アイロンをかけた服を着る人に
なって欲しい

信頼って清潔感から
始まる気がするから

そんな思いでかけてた
のかな

自分でもよくわからないとこに
拘ってた私

みんなかけてないから
いいよかけなくて

そう言われてもかけ続けた

きっと私の母が
アイロンが綺麗にかかり
ピンと伸びた襟がある白シャツを
着る人だったからかもね

7/25/2025, 1:51:49 PM

今年もこの季節だね。
 暑さが増し増しになって、すっかり袖が短くなりました。
 
 俺の恋人は白い半袖のシャツが本当に似合っていて目を引くんだ。凄く可愛い。
 白い肌だから眩くて大好きなんだけど、彼女の生来の人懐っこさや笑顔がより心に刺さりやすい時期なんだよね。
 
 だから半袖の季節は嬉しいんだけれど他の男の目を引くのは……嫌だ。とっても嫌だ。
 
 今年は冷感用のパーカーでも買って渡そうかな。
 
 
 
おわり
 
 
 
四三五、半袖

7/25/2025, 1:46:57 PM

「半袖」

お戒壇めぐりをしながら、
カメムシになった私を探して。
光を使ってはだめ。ルール違反。
床なのか壁なのか天井なのかは、
私の気分次第だわ。
見つけたらそのまま手に取って、
そのまま貴方の手のひらで握り潰して。
貴方に一生私の香りが残るように。

【#173】

7/25/2025, 1:45:57 PM

「半袖」
 みて〜、今日半袖!珍しかろ?
いつも長袖のシャツしか着ないあの子がいた。
長袖で見ることのなかった肌、雪のように白い
  触ってみたいと思ってしまった。
 今日、あついけんね〜
半袖に気を取られたがあの子は髪を結っていた。
揺れる髪、袖から見える肌
綺麗だな、触れてみたいけど触れられない
  あの子の半袖

7/25/2025, 1:45:45 PM

私は夏が嫌いだ。

ジリジリと照りつける太陽。

何もしていなくても滴り落ちてくる汗。

うるさいセミの鳴き声。

夏と言うだけで外に出て騒ぐ人々。

その全てに嫌気がさしていた。


唯一好きと言える点。

それは____。




半袖から伸びるすらっとした白い腕と私は腕を組む。

暑さで少ししっとりとしている彼女の腕の感触を確かめながら、

私は高揚した気持ちを抑え歩き出す。

7/25/2025, 1:45:05 PM

ずっと長袖だった貴方。

何か理由があるのかなって。
聞いちゃいけないなって。

思ってた。

夏日のあるとき。

初めて貴方が半袖を着ていた。

その下には。

見るに堪えないほどの、

火傷の、痕。

どうしたんだろうなって。
何かあったのかなって。

思ってた。

暑かったのかな?
何か言われたのかな?

って。

そんな生活が続いて、ボソッと聞いてみたんだ。

悲しい顔するかなって。
見たことない顔するかなって。

思ったのに。

でも、何も、思ってなさそうな顔で。
こう答えたんだ。

「何も無い。ただ、親からされたこと。
先生にも、暑いだろうからって」

横顔の、凛とする眉毛が綺麗で。
僕も、何も思ってないような顔しちゃった。

それが、酷く後悔。

でも、

興味が無いことなんだろうなって。
誰にも言ってないんだろうなって。
誰も聞けないんだろうなって。

思ってた。

のに、

貴方は、

【半袖】

「ずっと長袖だった貴方」

7/25/2025, 1:42:41 PM

半袖

奥山先輩の半袖姿…?!
いや半袖姿自体は特段珍しいものでもない
うちは私服の高校なので大半の生徒は部活のユニホームか学校指定のジャージで過ごしていて、奥山先輩も例外ではない
しかし昨日、奥山先輩はそのどちらでもなく、おそらく自前と思われる私服の半袖を着ていた
いや、似合ってないとかダサいとかそんな事は言っていない、むしろ似合っていた

そう、似合ってしまっていたのだ

そんなもんだから、「ゆー」こと私の幼馴染、小林悠人は先輩に釘付け
先輩には彼氏がいるって噂があって、ゆーもそれは知ってるみたいだけど、だからといってなかったことにできるほど恋心ってやつは利口じゃない

それは私が一番よく知っている

だから今日、私、青木みなみは無謀にもおしゃれな半袖を着て学校に来た

「ゆー、おはよー!!」
「おはよう、元気だね」
とだけ言って彼は自分の教室の方へ歩いていってしまった

褒めてくれるどころか気づいてすらくれなかった

彼の眼中にないことを知っていたはずなのに
意味ないってわかってたはずのに
期待なんかしてなかったはずなのに

あぁ

恋心ってやつはどうも利口じゃない
たった一言なんかに期待して
いっそ嫌いになってしまえば

ピロンッ

その思考を遮るようにスマホの通知が鳴った

『似合ってんな、馬子にも衣装?笑』

あぁ

恋心ってやつはどうも利口じゃない
たった一文のメッセージなんかで満たされて
嫌いになんてなれそうもない

だから
「一言余計だっつうのっ」
なけなしの反抗心で、ぼそっと呟いてみた

7/25/2025, 1:41:52 PM

半袖になると身軽になり気持ちがいい
しかし同時に現実を突きつけられる

薄着になれば隠していた
体型に目がいく
これはどうしょうもない事実だ
努力を怠った結果だ

来年の今頃には理想の体型を手に入れ
別人のようになりたい
その為にできることを少しずつやる

7/25/2025, 1:35:37 PM

『半袖』

22時30分。明日は忙しいので今から寝ます。
おやすみなさい。
                 徹夜前夜の白灰

7/25/2025, 1:28:07 PM

お題『半袖』7/25
(仮話) とある有名人のサイン会に参加した。
しかし急いで出掛けてしまい色紙を持参することを忘れてしまった。
あと2、3人で自分の順番がきてしまう。
オレは、やむなく予備に持ってきていた白色の半袖のTシャツにサインしてもらう事にした。

END

7/25/2025, 1:25:44 PM

小春視点 

その前にこいつやっちゃいまーすW

こくびび:待て待てw

ぷり:それは太陽のマテ!

ちゃうちゃうw

ぷり:ん?ちゃうちゃう?犬の犬種?

ちゃうwそれはチャウチャウやろw

主:その前にはよ進めてもろて

あ、はい、

ドンッ

おさ:大丈夫ですか!?

あ、うん👍今からだから大丈夫👌

おさ:あ、何も良くなさそう、

おさ:あ!誤解解けました!

ぷりそらこくこは:え?

おさ:あっきぃさんが言ってくれて!

なんて?

















回想

おさでい視点

、、、

あき:本当に手出して無いもんね?

はい、

あき:、、よし!!

あき:あっきぃがんばっちゃうぞ!

え、?

あき:その前に、おさでい痩せすぎね、

あ、はい

あき:皆んな〜聞いてください!

みん:?

あき

おさでいがこんなことすると思います?

数日間も出てこなかったのに

おかしいと思いませんか?

それも疑うのは良く無いと思うんですよね、

自分も最初は、疑ってたんですけど、

なんか、本当にすんのかなぁーって思ったんです

こんなめっちゃ痩せて?おかしいと思いませんか?

ペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラ
  

     (めっちゃ早口)

















皆んな:わ、わかったから、許してー!!!!




回想終了





ぷりっつ視点


ほぇー、あっきぃすげ〜、


こは:こやつやっちゃいまーすってしてええか?

おさ:あぁ!待ってください!気絶だけにしてください!

こは:あ、はい

トンッ


       ぷーのすけ、?



へっ?





次回予告

まぜち起きる?!


あと:あのー、おれ、ほぼ幽霊部員なんですけど、

あ、ごめんなさい、

あと:あっと推しに倒されろ、

あっと推し
 いけーーーー!!!


あと:え?


いやーーー!!!

ちーんグハಠ_ಠ

あと:なにこれ?おつあとー

7/25/2025, 1:10:54 PM

('ω')ノ 【半袖】


冬でも元気なあの人は 半袖だけで外に出た

とにかく暑がりなあの人は 半袖すらも邪魔だった

今はもう 自分で選ぶことも 脱ぎ着することも

できない


ごめんなさい、

ここから先の言葉が詰まる 言えない 書けない

ごめんなさい、ごめんなさい

ただ、罪悪感しか ここにはない

7/25/2025, 1:09:40 PM

67.『揺れる木陰』『Special day』『飛べ』




 オレの名前はジョン、盗賊だ。
 ここらへんじゃ名の知れた盗賊で、誰もが俺を恐れている。

 この辺りは田舎だが意外と人通りが多く、獲物には不自由しない。
 旅人、商人、はては貴族の馬車も襲った事がある。
 警備もゆるいし、楽に稼げるいい狩場である。

 けど俺はこんな田舎で終わるつもりはない。
 夢はでっかく盗賊王。
 ビッグになる夢を見て、今日も盗賊の技を磨く。

 だが昔から盗賊王を目指していたわけじゃない。
 若者らしく、冒険者を夢見ていた。
 けれど剣の才能が無く、魔法の才能が無く、荷物持ちの才能すらなかった。
 どこへ行ってもお荷物扱い。
 どのパーティにも入れなくなるのは、時間の問題だった。

 冒険者で食っていけなくなった俺は、盗賊になった。
 だが盗賊の才能も無かった。
 盗みに失敗し、警備隊に追われる日々。
 捕まるのも時間の問題だった。

 だがそうはならなかった。
 趣味の占いが俺を救ってくれたのだ
 『今日の運勢』を占い、運勢の良かった日に行動を起こす。
 すると、今まで失敗したのが嘘のように盗みが成功し始めた。
 労せずして金品を巻き上げられる上に、逃げる時も簡単に追手を巻くことも出来る。
 自分の時代が来た事を確信した。

 だが自分は未熟。
 調子に乗ると痛い目に会うのは、冒険者時代に学んだ。
 そこで腕を磨くため、修行のために田舎へとやってきた。
 ここならば儲けは少ないが、警備も緩く危険もない。
 そうして俺は、じっくりと盗賊の腕を磨いっていった。


 ◇

 田舎に越してきて、1年が経とうとした時のこと。
 日課の『今日の運勢』占いをしていたところ、衝撃の結果が出た。
 なんと、占い結果は『ミラクルラッキー』。
 何をやっても上手く行く日。
 人生に一度あるかないかのSpecial dayだ。

 こんな日には大物を狙おう。
 そう思った俺は、逸る気持ちを抑えながら街道へと出た。

 今日はどんな獲物を狙おうか。
 貴族を襲って身代金を取る?
 はてまた大商人の馬車の積み荷を頂こうか?
 これ以上なく浮かれていた。

 そんな時である。
 道の向こうから男女二人組が歩いて来た。
 獲物を探し始めたら、すぐにカモが来るなんて、なんてラッキーなんだ。
 さすがSpecial day、話が早い。

 だが襲っても金を持っていなければ意味がない。
 俺は歩いて来る二人組を観察する。

 二人組は冒険者だった。
 男の方は剣士のようで、腰に剣を佩き、鎧を着こんでいる。
 女の方は魔法使いのようで、鎧の代わりに魔力のこもった服を着て、手には杖を持っている。

 俺は悩んだ。
 冒険者と言うのは、魔物退治が専門なだけあって、なかなかに手ごわい相手だ。
 その一方、その日暮らしの者が多くお金を持っていない事も多い。
 苦労の割にリターンが少ない、それが冒険者だ。

 なので普段は見かけても見送るのだが、今日は違った。
 二人の装備が、この辺りでは見ないような『超』高級品だったのである。

 オリハルコン製の剣、ミスリルの鎧、竜玉を使った魔法の杖、聖骸布で織られた魔法の服。
 一つ売るだけでも、人生遊んで暮らせると言われるほど、とんでもないシロモノだった。
 それが4つ。
 まさにspecial dayだ

「獲物はこいつにしよう」
 アレを持っているのは『超』一流の冒険者くらいなものだが、こんなド田舎にそんなヤツがいるわけがない。
 おおかた知り合いに譲ってもらったか、親が金持ち程度の事だろう。

 万が一、実力者だとしても問題ない。
 だって今日の俺はspecial day。
 向かうところ敵なしだ。

「行くぜ、今日は大もうけだ」
 俺は成功を確信しながら、冒険者が来るのを待ったのだった。


 ◇

「すみませんでした」
 俺は目の前で仁王立ちしている二人に土下座する。
 立っているのは、先ほどカモと定めた冒険者2人。
 どうしてこうなったのだろう?
 俺はさっき起こったことを思い返す。

 襲うと決めた後、俺は草の茂みに隠れた。
 不意を突き、盗みを円滑に進めるためだ。

 そして不意打ちは成功した。
 茂みから飛び出した時、二人は明らかに反応が遅れていた。
 勝利を確信しながら、二人に向かって魔法を打ち込んだのだが……

 女が瞬時にマジックバリアを発動、渾身の魔法を防がれる。
 そして俺がそれに気を取られている隙に、男が一瞬で肉薄。
 「吹き飛べ!」と叫びながら俺を殴った。

 そこから覚えていることは断片的だ
 勢いよく吹き飛ばされる感覚、木に打ちつけられた衝撃、揺れる木陰……
 目を覚ましたら簀巻きにされていた。

 どうしてこうなった?
 何度も同じ疑問が浮かぶ。
 今日の俺は間違いなくSpecial day。
 何もかも上手くいく日。
 どうして上手くいかない……

 占い結果を読み間違えたのだろうか?
 そんなわけがない。
 不意打ちする際、強力な火属性の魔法『ハイパーインフェルノspecial』が発動したからだ。
 一度も初級魔法すらまともに発動させたことが無い俺が、だ。
 
 つまり今日は間違いなくspecial day。
 だとしたらなぜ俺は負けたのか?

 疑問が堂々巡りする。
 地面に頭をこすりつけながら悩んでいると、男が不機嫌そうに口を開いた。

「ついてねえな。
 隣村の用事が終わって帰るだけなのに、変なのに絡まれるとはな」
「面倒ですが、もう一度隣村に戻るしかありませんね。
 この辺りで警備隊の基地があるのは、あそこだけですから」
「この際ここに捨てていくのはどうだ?
 この辺りのオオカミが後始末をしてくれるかもしれない」
「ダメですよ、バン様!
 悪人とは言え命を粗末にしては――」
「バンだって!?」
 俺は二人の会話に出てきた名前を聞いて思わず叫ぶ。

「アンタ、あのドラゴンスレイヤーのバンか!?」
 バンと言えば、誰もが知る超大物。
 冒険者なら誰もが憧れる超一流の冒険者だ。
 ドラゴンすら一人で葬れるという超ベテラン。
 俺なんかは足元にも及ばない、格どころか次元の違う実力者。
 それがバンだ。
 special dayでも勝てないのは納得である。

 それにしても、なんでこんな大物がド田舎に……
 そう言えばこの辺りが故郷と聞いたことがあるが、もしかして里帰りか?
 なんと間の悪い……
 いや、それよりも女性の方が問題だ。

「という事は、もう一人は死神クレアか!?」
 クレアは、最近バンとパーティを組んでいると噂の聖女である。
 しかし聖女とは名ばかりで、一流の冒険者に匹敵する戦闘力を持つ規格外。
 自分に歯向かうもの全てを滅ぼすまで止まらない狂戦士で、敵に回して生きている者はいない。
 それが死神クレアである。
 当然special dayだからと言って勝てる相手では、もちろんない。

 だが俺は死神クレアに襲い掛かった。
 知らなかったでは済まされない、とんでもない大失態。
 不興をかった俺は、すぐさま惨たらしく殺されるに違いない。
 そんな結末、まっぴらごめんだ

「クレア様、マジすいませんでした。
 出来心だったんです!
 これからは、盗みはもうしません
 殺さないでください」

 ひたすら謝って命乞いする。
 それ以外に生きる道はない。

 なにがspecial dayだ。
 調子に乗って、本当にバカなことをした。
 後悔に苛まされながら頭を下げる。

「頭を上げてください。
 殺すって何ですか?」
「アナタだとは知らなかったんです。
 命だけはお助けを」
「ご、誤解です。
 何を誤解しているかは知りませんが、とにかく誤解です」
「俺を殺しませんか?」
「殺しません、当たり前です!
 私を何だと思ってるんですか!」
「ありがとうございます」

 やった、命が助かった。
 さすがspecial day。
 sukosi lucky dayくらいだったら死んでいた。

 だが念には念を入れて、さらに謝ろう。
 存在しない病気の母を登場させて、泣き落としするのもいいかもしれない。
 盗賊王の夢を叶えるためにも、生き残る事が最優先。
 嘘つきと罵られようと、とにもかくにも謝り倒す。

「もう盗みはしません。
 悪い事から手を洗います。
 どうかお情けを。
 家族が腹を空かせて待っているんです」
「そこまで言うなら信じましょう。
 アナタに食べ物を買うお金を与えましょう。
 バン様、それでよろしい――」
「思い出したぞ!」
 クレアの言葉が終わらないうちに、バンが叫ぶ。

「どこかで見たことあると思ったら、手配書で見たことがある。
 コイツは『盗人ジョン』だ」
「『盗人ジョン』?」
 バンの叫びに、クレアは可愛らしく首を傾げた。
 一方で、昔の呼び名で呼ばれた俺は、顔が引きつったのを自覚した。

「コイツ、手癖が悪くてな。
 パーティに入れると、とにかく物が無くなるって有名だった。
 発覚するたびに『もうしない』と言っていたらしいんだが……
 その様子だと嘘だったようだな」
 見る見るうちに、クレアの目が冷たいものになる
 ヤバい、俺の命大ピンチ。
 すぐに言い訳しないと。

「違います!
 誰かが俺を嵌めようとして――」
「一回や2回なら信じてもいいんだがな……
 俺が知ってるだけでも、10回は聞いたぞ。
 ちんけな盗人の癖に、手配書まで作られるって相当だ。
 賞金額こそ大したことないからわざわざ捕まえるやつはいなかったが、悪評が広まってみんな避けてたな」

 マズイ……
 これはマズイ流れだ。

 せっかく生きて帰れそうだったのに、再び命の危機である。
 みんな忘れていると思って高を括っていたのに、まさか知っている奴がいるとは……
 やはり冒険者に関わるんじゃなかった。

「それで、どこのパーティにも入れてもらえないようになって、腹いせなのか最後に金庫の金を盗もうとギルド本部に盗みに入ったんだよ。
 それ自体は失敗に終わったんだけど、逃げる際に火を点けてな。
 死人こそ出なかったけど、ギルド本部が全焼さ」
「覚えてます。
 聖女として救護活動に行きましたからね。
 ギルドが機能停止して大騒ぎだったのを覚えています」
「しかもすぐ後に、魔物が大量発生したんだけど、ギルドがあんなだから初期対応に失敗してね
 最終的に、お偉いさんから俺に『全部ぶっ殺してきてくれ』って土下座でお願いされて、1週間ぶっ通しでやったよ」
「そちらも大変だったんですねぇ……」

 ヤバい。
 盗みだけでなく、火事の件までバラされるとは。
 もちろんあそこまで大事にするつもりは無かったのだが、信じてもらえないだろう。
 どうする、俺……
 このままいても殺されるだけだ。
 逃げようにも簀巻きにされているので身動きが取れない。
 絶対絶命の危機!

「あのう、待ってくださいお二方」
 俺は2人の会話をとめる。
 このまま黙って聞いても、何も変わらない。
 ならばと、自分から行動することにした。

「自分で言うのもなんですが、1年前の話ですよ。
 もう俺のことを探していませんよ」
「いや、探してるぞ。
 この前、最新の手配書が送られてきたからな。
 賞金も上がってて、ギルドの本気が伺えた。
 当然だな。
 ギルドを壊滅させた、前代未聞の犯罪者なんだから」
「ええ、まさに次元の違う大罪人。
 聖女の私でさえ、お目溢しするのは無理があります」

 二人の視線が痛い。
 だが諦めはしない。
 勝者とは、最後まであきらめなかったものを言うのだ。
 俺は、人生で最大の誠意を見せる。
「病気の母が家で待っているんです!
 見逃してください!」
「「だめ」」


 ◇

 どんなにspecialでもダメなことがある。
 この騒動で、俺はそんな教訓を得た。

 次元の違う冒険者。
 次元の違う犯罪。
 specialな程度ではどうにもならない。
 この身をもって実感した。
 この教訓は、きっと盗賊王になる夢に役立つであろう……

 ここから出られればだが。

「お前みたいな大犯罪者のために特別に用意したspecialな牢獄だ。
 存分に味わうといい。
 ……死ぬまでな」

 俺、外に出られるのだろうか……
 足元に転がる血の付いたspecialな拷問器具を見ながら、俺は牢へと足を踏み入れるのだった。

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