『待ってて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「ここでちょっと待っててね」
そう言ってすぐそばの店に入った。
あの子を待たせちゃいけない。
目当ての物を手に入れたらすぐに戻らなくちゃ。
おめかしした姿は可愛いけど、こんな寒空の下に何分も放っておけない。
「6474円です」
「カードで」
会計を済ませてあの子のいる場所へ戻ると、通りがかった何人かがチラチラと視線を寄越していた。かわいいなんて声も聞こえる。
…ああもう、また人を誑し込んで!!
「ごめんねー、おまたせ」
「ワン!!」
まぁ、うちの子はかわいいからしょうがないか!!
【書く練習】
今日の書く練習はお休みします。
朝からめまい
仕事を遅刻する
働けないことが不安をあおる
一年ぶりなので、まだ感覚が取り戻せていません。
ちゃんと調節できるまで、もう一ヶ月ほど練習がいるかも。
暖かかったり、また寒かったり、暫くは落ち着かないと思います。
ご迷惑をおかけして、本当に申し訳ないです。
でも、あなたへ確実に「春」を届けるから。
そのために頑張るから。
だから、あと少し待ってて。
お題『待ってて』
待ってて
少しだけでいい
あなたの時間の端っこに
わたしの名前を置いておいてほしい
追いかけられない日も
声を届けられない夜も
それでも心は
あなたの方へ歩いている
急がなくていい
焦らなくていい
ただ、消えずにいてくれたら
それだけで十分なんだ
わたしはここで
あなたの影が揺れるのを
静かに、静かに
待っているから
眞白あげは
"待ってて"
大股のチヨコレイトはきいてない
負けでいいからその角にいて
雨が降っていた。暗い空と、反射した光にクラクラとした。蛙が、煩かった。あの日の温度を、今でも鮮明に覚えている。それなのに―――
君の声だけが、思い出せない。
梅雨。雨ばかりで憂鬱な、主に6月頃を指す。彼がいなくなって、凡そ10年。雨は、嫌いだ。
――中略――
嗚呼、思い出した。あの日、君が言った言葉を。
走る。ただ、息を切らして。約束を果たす為に。だからお願い。
あの場所で、待っていて。
「待ってて」
君を剥製にしたい。
本当はしたくないんだよ。
剥製の君はどんな顔。
恐怖に歪んだ表情と、
怯えた作り物の瞳。
全部直して口角上げとくね。
【#196】
目の前に揺蕩う貴方がいる。
こちらにおいで、と手を伸ばす。
久しぶりだね。
ようやく姿を見せてくれたね。
もう少しだけ、待ってて。
貴方に会いに行くから。
一歩踏み出し、ふわりと、体が宙に浮く。
貴方の手に、そっと、触れた気がした。
『待ってて』
お題:待ってて
春の花が咲く頃に
同じラインに立っていた
よーいスタートの掛け声で
一緒に走りだしたんだ
夏の蝉が鳴く時に
隣で仲良く走ってた
君に合わせて走るのは
なぜだか少し疲れたよ
秋の葉っぱが散り出した
僕は背中を追うばかり
でもまだ目の先鼻の先
続けていれば追いつける
冬の風が吹く頃に
君の背中を見失う
目の前に残る足跡は
地平線まで伸びていた
春夏秋冬繰り返し
足は自然と止まってた
ずっと前から止まってた
なのに前を向きながら
虚空に向かって言ったんだ
「待ってて、追いつくから」
遠い世界に
旅立っていった君、
私も年を重ね
君に会えるのも
あと少し
この世の時間を味わい尽くしたら
会いに行くよ、
それまで
待っててね、
そう少し…。
『待ってて』
もう少しだけ、待っていて欲しいの。
ニレの老木が青々とした葉をつけて、エムブラが生まれるまで。
ブドウを銀盆の上に載せておいて。
貴方の指の腹から未だ微かに伝わる熱が、実を熟させるまで。
天火で温めた料理を持って、今年生まれた猟犬を連れて来て。
祝福の息吹が、薄い産毛をふわりと掻き上げるまで。
貴方の開いた眼(まなこ)をそっと撫で、硬くなった肌をなぞらせて。
睫毛と髪の柔らかな調和が、貴方の凍えた微笑を溶かすまで。
ねえ、もう少しだけ、待っていて欲しいの。
黒檀の棺に冷たく乾いた土を被せ、貴方が青と二度と触れ合わなくなるまで。
もう少しだけ、待っていて、ほしいの。
貴方と私が混ざりあって、晴れやかな水銀が私の喉を這い進むまで───
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初めて詩を書いてみました。
難しいですね
#102「待ってて」
もう戻らないものになんと伝えればいい?
ないようである あるようでない
見知った町の脇の一軒が突然消えて
それが何だったのかも思い出せないように
きっと大切だったことを
なんと伝えればいい?
だれに伝えればいい?
いつかは届くだろうなと空に飛ばした
軽い独りよがりの言葉がたどり着く先がある
そんな保証など何処にもないことを知っていたら
知っていたなら
大切なことは失った後に気付くというけれど
あなたは大切なことだけを荷物に入れて
どこかへ去ってしまったね
私に残したのは 虚しい希望だけ
「待ってて」
その想いが届く先がきっとあるんだって
紙飛行機で飛ばして 返事を待ちぼうけ
待ってて、やっと願いが叶う。健でいた頃には考えられなかった。夢にも見た振袖に袖を通すこと、栞菜になったことで夢が叶う。中学生の頃、隣のお姉さんが着ている煌びやかな振袖を見て憧れた。
でも男の私が着ることはできない。叶えることのできない夢を見る日々、辛かった。
振袖に袖を通した瞬間、気分が高揚しているのが自分でもわかる。
ああ、女になって本当によかったと思えた瞬間だった。
《待ってて》
今の私では
知識が足りなければ
経験も足りない
憧れの貴方のように出来ない
憧れの貴方の凄さを実感しながら
出来ない事が悔しく思う
だからね
私は貴方の傍で
知識も経験もつけて
貴方と肩を並べられるようになるから
待ってて……なんて言っても
貴方は待っててくれないだろうから
私が貴方に追いついて
追い越すから
待っててね
ねえ、ちいさな君。
そこで膝を抱えて、まだ震えてるんだね。
わかってる。ちゃんと見えてるよ。
「相手が未熟だっただけかも」
「仕組みが悪かっただけかも」
「私が気にしすぎただけかも」
そんな言葉で、何度も君を黙らせて来てしまった。
でもね、今日はもう少しだけ、
その説明たちを外に置いてみよう。
ただ、
「痛かったね」
「軽く扱われた気がしたね」
「大切なものが、また少し削れたね」
それだけを、ここに置いていい。
正しさの水に溶かさないで。
理由の布で包まなくていい。
そのままの形で、ここに置いておこう。
ねえ、ちいさな君。
それは弱さじゃないんだよ。
むしろ、折れなかった芯のかたち。
まだ自分を見失っていない証。
だから…
すぐに立ち上がらなくていい。
理解者になろうとしなくていい。
私はいま、
君の尊厳を、説明より先に抱きしめ直してる。
「大丈夫だったこと」に書き換える前に、
ちゃんと「大丈夫じゃなかった」と言える場所を作ってる。
ねえ、聞こえる?
君の痛みは、消されるために生まれたんじゃない。
君の尊厳は、証明が必要なものじゃない。
「君」は、
私の中にある本当の気持ち。
迎えに行きたい私も本当。
でも、君を庇うことが簡単じゃない現実も、
同じくらい本当なんだ。
ごめんね。
迎えに行ける日が来るなんて、
いまは約束できない。
もしかしたら、
一生たどり着けないのかもしれない。
それでも、
忘れない。
見捨てない。
ここに居ることだけは、やめない。
残酷だけど、
それでもなお
そこで、待ってて。
題 待ってて
この恩は必ずと言って飛び立って行った鶴。
数年待ってても恩返しに来ない。
数年前に助けていただいた方にそろそろ恩返し行かないとなぁ。面倒臭いなぁ。まだ待ってるのかなぁ?忘れててくれないかなぁ。
(待ってて)
鶴の恩返しのオマージュ、早よ恩返しせぇ!
頑張った
君は待ってて
大丈夫
夢は必ず
サクラサク
〖待ってて〗
家から1番近い歩道橋
歩幅感覚が掴みづらく、段は低くて薄い。
「待ち合わせは歩道橋の下だけど、誰もいないし早く来ちゃったから登って遊んじゃお。」
少し息を切らしつつも登りきった彼女。
冷たい風が頬に触れ続けたから痛い。
一方彼は…
歩道橋の近くまで来ていたみたい。
いつもどんな風に待っててくれているのか気になって陰でこっそり見ていたんだって。
あんたが身につけてるストール
彼女に巻いてあげなよね。
X(旧Twitter) @Amoon_3k
今からそっちに行くからね。
久しぶりに電話で聴いた君の声は、大人びていたけどあの時と変わらない明るく元気な声だった。
卒業してから数年ぶりに地元に帰省した。
あの頃より街の所々が寂れてしまったけど懐かしい。
最近息が詰まってたからようやく呼吸ができる開放感があった。
実家でダラダラしていると固定電話が鳴る。
慌てて取ったところで冒頭の声だった。
相変わらずマイペースだ。電話を取ったのが自分じゃなかったらどうしたんだか。
しばらく玄関に座っていたのだが、中々やって来なかった。
どうしたんだろう。
結局、夕方になっても来なかった。
ほんとマイペースなところは変わってないなあ。
ため息をついてその日は部屋に戻った。
夕飯と風呂を終えて気絶するように眠りにつく。
来たよー。ごめんね。
中々家の中に入れなかったから夢に来ちゃったよ。
なんか元気ない顔してたから心配したけど、大丈夫そうだね。
あんまり早くこっち来ちゃダメだから気をつけてよー!
・・・目を覚ます。
思い出した。
君はもういないんだ。卒業したその日に。
あの電話は、心配してくれたんだ。
そう思うと、涙が止まらなくなった。
待ってて。いつかそっちに行くから。
でも、それはまだまだ先だから、また忘れないように時々でいいから今みたいに来て欲しい。
来てくれてありがとう。
青年は深海で、ひとり沈んでいった。
もがくことを忘れたのは、
苦しみのせいではない。
アクアマリンのような瞳を見てしまったからだ。
人魚にも似た妖精は、ただそこに在った。
その瞳の奥には、宝石のような青が揺れている。
触れれば壊れてしまいそうな、
けれど永遠に失われなさそうな光。
沈みながら、
その者は声にならない恋の言葉を吐こうとした。
けれど口から浮かんだのは、
ただ静かな泡だけ。
手を伸ばす。
届くはずのない距離。
それでも、妖精は気まぐれに口付けを落とした。
意味もなく。
感情もなく。
ただ、泡が美しかったから。
その口付けは冷たく、
けれど甘かった。
肺に満ちていた海水よりも、
ゆっくりと深く侵入する甘さ。
そして深海の底で、
ひとつの永遠が与えられた。
それが呪いなのか、祝福なのかは分からない。
その身体は動かない。
青い水の中で、まるで宝石のように静かに横たわる。
けれど完全な石ではない。
もう一度、
あの口付けが落とされれば、
息をすることができる。
そう言われている。
けれど妖精の心は、波よりも気まぐれだ。
一度落ちた口付けが、
二度落ちることはきっとない。
振り返られることもない。
それでも可能性は、ゼロではない。
だからその者は眠り続ける。
意識があるのか、ないのかも分からぬまま、
あの瞳の奥の青を、
永遠に体験しながら。
見惚れた宝石は、いまも輝き、
見惚れた者は、宝石のように沈んでいる。
深海には、
光らない青がひとつある。
それは目覚めない一つの希望
目を覚ます奇跡が底にあるのなら
青年はきっとこう言うだろう
「 待っていて、深海で見た私が恋をした宝石。 」
それは新しい人魚姫の物語。
恋に落ちたのは王子
壊れてしまう泡にならずに
宝石になり形になり残り
深海の底へ落ちた
またひとつの人魚の話。
目を覚ました王子があの人魚を探し、
船が難破して心を持つ新しい人魚に出会うかもしれない。
けどそれはきっと違うお話。
同じ世界で紡がれる違うお話。