『枯葉』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
当たり前の事だけど、歳を重ねると、沢山の病気にかかり、沢山の出来ない事が増える。
喪失体験も数多くし、思うようにならない身体の上に、心すら思うようにはならない。
「自分がこんなになるなんて、若い時には、想像もしてなかった」
「こんなはずじゃなかった。どうして自分が」
そう感じるのに、年齢制限は無い。
みんな同じ。
積み重なった枯葉は、いつか腐葉土になる。
歳を重ねた分だけ、積み重ねたものがある。
私は言う。
あなた方が生きた年数分、尊敬すると。
〈枯葉〉
3月になって、春の匂いがするようになった。
日の出時間に合わせて、自然と目覚めも早くなる。暖かな空気を感じて、うずうずする気持ちそのままに起き上がった。時刻はAM 5:30。朝練に家を出るには少し早くて、軽くストレッチしてから近所を走ることにした。そのくらいならオーバーワークにはならないだろう。
春は好きだ。何か、新しいことが始まる季節。街路樹にも芽がふいている。
軽く息を弾ませながら走る道の傍らに目を遣ると、ところどころ枯葉がまだ残っているのに気づいた。と、同時に、真冬の大会直前のロード中に、枯葉に突っ込み盛大に転んだ記憶が甦る。尻餅をついて、確かに尻が痛かった。でもそれ以上に、真っ青になって駆け寄ってきた彼を見て、胸が痛かった。
過ぎていった季節分鍛えられたこの体は、自分の体であって、自分だけの体では無い。
来月からは3年。同じだけの日々を筋肉にしてきたメンバーと、若芽の1年との新しいチームで、どう楽しもうか。枯葉を横目に、スピードを上げた。
「枯葉」
🍂
枯葉集めて焼き芋とジャガバタやりたい
枯葉
家の前に山のようにある枯葉は隣からの嫌がらせだった。
秋になると毎日のように枯れ葉の山がある。
時には人くらいのサイズもあった。
けど、たまに文字のようなものが彫られてる葉があった。
一つ目は『ろ』二つ目は『げ』三つ目は『に』だった。
こんなことする暇あったら自分で片付けろや。
その話を弟にすると弟の顔は次第に青白くなっていった。
厚塗りした絵の具のようなくもり空に僕は歩を進めている。右に視線を向ける。風に枯れ葉が舞い散る中、大きな木の先端つまりは木々の先にに帽子が止まっていた。声がして視線を向ける。木の根元、少女が泣いていた。彼女の帽子が強風にあおられて、あそこの木々まで飛んだのだろう。近づいて彼女に言う。「ちょっと待ってて、お兄さんが取ってあげる」「ホントッ!!」少女が笑む、晴れやかな表情。
風を待つ、帽子を飛ばし自分の手もとへ来るのを。風が飛んだ。今だッ、一瞬の隙を見つけ右手を伸ばす、右手には風で飛んだ帽子。「ありがとう」少女の笑みが満面に浮かぶ。僕はそれに手を振って道を進んだ。
胸元の大きく開いたすべらかなセミロングワンピース姿でウキウキと路地を歩いて行く遊女と、それを値踏みしに近寄る男たちの遣り取りを身を低くして通り過ぎ、途中のホテル街は急足で。
華やいだ街の末、錆びこんだトタンのほったて小屋にその店はある。
ちょっとサボれば常連はおろか誰も来てくれそうにないものだから、この店では酒もそこらの半分の価格で貧乏客を繋ぎ止めている。
先客はひとり。
何年もクリーニングに出していないと思しき埃と脂のきつい臭いがするジャケットの島田さん。
居場所の無さそうな醜女のほうが雑にできて嬉しいとのことで、島田さんは昔話を据えて飲みに来る。
店を切り盛りする堕ろしすぎてイカれた房子ばあさんの話はそこそこ評判で、客は時たま精子に遡って膣の中で旅をする。
自称チィママで居着いたノリちゃんは去年より倍ほど借金がふくれてるけれどバカ明るい。
高い値のつく遊女たちを華とすれば、この店は他にやりようのないカラッカラの枯葉だが、泣き顔をそっと覆い隠すくらいはしてやれるから、銀杏臭さがとれないけどね。
ついに房子ばあさんの持病がだいぶ深刻と聞いてやってきたのに。
ノリちゃんに店を任せるのも酷だからと月末でラスト営業になるのを誰もが惜しむわけでもなく。
先客はひとり。菓子折りひとつ持ってこない。
お題:枯葉
私の命も彼への気持ちも、いつかは木枯らしのように消え去ってしまうのかな?
治らない鼓動。浅い呼吸。薄暗い部屋で包まる毛布。
押せない送信ボタン。掛けられない電話。頼りたい、頼れない。
もっと楽に生きられれば良かった。
『枯葉』
今はもう無いが、母の実家は山あいの
自然豊かな所だったらしい。
何度も聞く思い出話に庭の焼き芋がある。
時期になると皆で集めた枯葉を焚いて
濡れ新聞紙とホイルに包んださつまいもを置く。
時間をかけてゆっくり燻すと甘くねっとりとした
焼き芋が出来るのだと言う。
なんて贅沢な話しだろう。
時間をかけて美味しい物を作るなんて。
今の私は日々の生活に忙しく
まるで違う環境の中にいる。
けれど一度は食べてみたい庭の焼き芋。
いつか私にも食べる機会が訪れるだろうか。
枯葉みたいに落ちていった
わたしの想いも貴方の心も
もう交わすことのない恋心
ここで切って終わらせましょう
ミレーの落穂拾いを
結構長いこと落ち葉拾いだと思ってた。
みんなでたき火でもするのかなって。
(枯葉)
道端でぼろぼろになったそれみたいだった私は、あなたと別れてから綺麗な花のようになれたよ。ありがとう。
「もうすぐ1年が過ぎちゃうね」
彼女はそう言った。
僕は、「そうだね」としか返せなかった。
「どうしたの?」
「何か嫌なことでもあったの?」
「――いいや、花粉が舞っただけだよ」
僕は涙を流し、しゃっくりをあげながら言った。
そう、この涙も、花粉のせいに違いない。
―――君と見たこの木の葉、見る度に思い出すよ。
12月30日、あの綺麗な緑色の葉が、しわくちゃな枯葉色になった。
「なんで、置いてったんだろ」
季節と一緒に彼女を連れ去った夏の日。
未だに、君と違って後ろを向きっぱなしだな、僕は。
-枯葉-
私はもう太陽に向かってひたすらに伸び続けることはできない。
下に見える若い芽がふと羨ましく思ったり、自分の今までが何もなかったように感じるときもある。
私自身があの若い芽のように大きく育つことはできないけれど…せめて若い芽が大きくなるよう、私の最後を未来に託そう。
ひらひらと落ちた枯葉が、まるでそう言ってるように感じられた。
「枯葉」
夕陽が沈み、辺りは既に真っ暗で、大学からの友達よっことまりまりと何気なく歩いていた。
いつも歩いてる大学近くの道路は車通りが多く、信号の移り変わりが早くて他愛もない会話をしてるとすぐに青信号が点滅する。
私達は駆け足で道路を渡った。
オレンジ色の暖色ライトで照らされた一面には落ち葉がびっしりと張っていた。
3人分の影がくっきりはっきりと見える。身長差も分かる。背の高い私がずば抜けている。
私は思い切り落ち葉一面を踏み抜いた。くしゃくしゃ。
まりまりが興奮した様子でスマートフォンをポケットから出し、写真を撮る。私もそれを見て、スマートフォンを出しカメラアプリを開く。
毎回やっすいスマートフォンで根気強く撮影する私を褒めて欲しいと明かり調整ボタンと格闘しながらやっとの思いで写真を数枚撮る。パシャパシャ。
取れた写真を確認する。コントラストがハッキリしていて少しピンボケしているけど逆に味が出てる気がして満足した。
ふと気づく。このワンシーンは次いつ訪れるのか。
大学に入ってから純粋に楽しいと思えてる。だがそれはいつまでなのか、いつから変化しなければいけないのか。私はきっとその恐怖にいつも怯えていなければならない。
変化は常にあるべきものだ。私に変化が訪れない生活があるとしたらその時はきっと腐り落ち全てに絶望し、最期を迎えるときだろうと思う。
足下を見る。
この葉たちは次の変化のために落ちたのだ。元気に生えていた深緑から今は地に落ち枯葉となって次を生やすために。
私は次の深緑を生やせるだろうか。枯葉のままではないだろうか。
ぐるぐると胃から嫌な感じが込み上げてくる。毎回不安になる度に起こる現象。
私はこいつにじわじわくんと命名した。付き合っていかなければならないのだ。
未来の事は分からないそんなの当たり前だ。でもきっと戦っていくしかないのだ。
スマートフォンを再度取りだしさっき撮影した写真をInstagramに投稿する。すぐに友達からいいねがくる。それを見て私達は歩き出した。
枯葉
晴れた日に近くの公園に行ってみる。
そこにはちょっとした林があって、
窪地になっているせいもあって、
すっかり葉が落ちた木々の下には、
たくさんの枯葉がこんもりと積もっている。
窪みにたっぷり蓄えられた枯葉に、
足を踏み入れてみると、
ふくらはぎまで埋もれてしまう。
子どもの頃に憧れたアルプスの少女ハイジの麦わらベッドを思い出すくらいにふかふかと重なっていて、暖かかった。
午後の金色の日差しの中、人気のない林を、
ひとしきり枯葉を踏んで歩き回ったのは、
とても楽しい思い出。
#176
枯葉
夏はあんなに鮮やかな緑色だったのに、今となってはもう、悲しい茶色だよ、穴なんか空いちゃったりして。ワタシ達の寿命は一年もないわね。木から落ちちゃったワタシはいつのまにかいなくなる。
次のコたちにあとは任せるわよ!また綺麗な緑色で癒しを作ってね。
「枯葉」
私自身、枯葉についてあまり深く意識したことは
ない。
ただ、私が枯葉について何か感じることとしては、
木の枝から力尽きて落ちたものが、大地の肥料というか
大地の微生物、昆虫、植物などのエネルギーとなり、
肥沃な土地としての役割は素晴らしいではないか。
枯葉も、自然界に大いに貢献していると思えば、
ゴミではなく、地球にエッセンシャルなものとして、
捉えたら、見方が大きく変わるのではないかと思う。
つまり、自然界は無駄なものがないのだ。
雑草と呼ばれているスギナもお茶にできたりと
使い道はある。他にも酸性土壌のために生えるとか
聞いたこともある。
改めて文章にしてみて、枯葉を見たらゴミではなく、土に返したいとより強く思うようになった。
最後に感謝します。
ありがたい枯葉さんへ。
『枯葉』
同じ年に生まれたやつらが大勢いて、片や光当たる道を歩いているが自分は暗がりばかりを歩いている。自分の何が悪かったのだろうか。普通がわからないから何もかもがわからない。声をかけてくれた人もいたはずだが、今はまわりに誰もいない。全部自分のせいなのだろうか。そうだとわかってはいるのだが、そうではないと言って欲しかった。
枯葉のような人生だった。北風が強く吹けばあとには何も残らない。最初から何もなかったみたいに。
昔の記憶、それも何かの朗報を待つときの、私の眼前に広がる景色に決まって枯葉はなかった。
たいていは昼間、しかも移動中の車や部屋の中。
親との会話、あるいはつけっぱなしのテレビの雑音のなかで、心臓がドコンドコンと私の身体を叩くのを聴きながら。その時の木々の葉は緑だったように思う。
新しい何かが始まる期待。
反対に、何かがスッパリと終わりを迎えるあっけなさ。
そこには生物のエネルギーがうごめいているように思う。
緑はその象徴の色、つまり生きている証。
枯葉には朗報の思い出がない。
そこに生命の存在が感じられないわけではない。
どちらかというと「静止」、すべての時間が止まっている状態を思わせる。
枯れ葉
落ち葉
彼
受験
別れ
焼きいも
身支度
飛行機
空白
休み
雨
なんでもない日