『私の日記帳』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
学校では人気者の優等生。
家では手のかからない愛娘。
愚痴ひとつ零さず、笑顔を絶やさない。
不気味な程に完璧な子供。それが私。
なわけがない。
そんな人間がいたら胃ごと吐いてしまう。
綺麗すぎて気持ちが悪い。
何時でもニコニコしやがって。表情筋がつりそうだ。
思ってもいないことを言う時だけはやけに舌が回る。
先生にいい顔をするのは進学を有利にするため。
推薦枠を貰えた理由の一つがこれだろう。
同級生と仲良くするのはただ都合がいいから。
抜き打ちテストの噂なんて、どこから得ているのか。
親の言う事を聞くのは詮索されるのを防ぐため。
あの子なら大丈夫って、馬鹿みたいに信じきってる。
絆なんて、打算と下心を混ぜ込んだ鎖だ。
愚痴だって、言わないだけ。
心の中では罵詈雑言が飛び交っている。
毎回歯を食いしばって暴言を飲み込んでいる。
目を細めて見下してるのを悟られないようにしている。
嘲笑が漏れないよう息を止めている。
お陰様でストレスは絶えないが、
周りからの評価は高いみたいだ。
毎日私を隠して、騙して生きている。
味方なんて居ない。晒け出してはいけない。
それでも私をこの世界に残したくて。
私が存在していることを証明したくて。
とうとう私は、日記帳という名の掃き溜めを作った。
言いたかった愚痴も、失望した誰かの行動も、
ついでに分からなかった問題も。
ここには取り繕う事無く、赤裸々に書き出す。
笑いたかった誰かの失態も、
恥ずかしかった自分の失敗も。
思い出して顔に熱を集めては、書く手が早まる。
誰にも言えないような、見せられないような日常が。
今まで隠していた、私の本性が。
お世辞にも綺麗とは言えない字体で踊り狂っている。
今日もまた少し、私の日記帳が黒くなった。
私の日記帳
そのノートは私の全て。
あなたに対する気持ちが書いてある。
いつあなたに見せれるのかな。
このノート。
◯月×日
新!!学校生活
(大学卒業して、何が悲しくて学校生活をまた過ごすしかないんや)
◯月×日
イケメン5みたいな奴らがいた。
(黒毛玉マジで喧嘩売りやがって…ぶっ飛ばす。ぜってぇに泣き見せてやる)
◯月×日
イケメン5何らかしら問題を起こすから、退屈しないわ
(モジャ公が失礼なことを言いやがったから、顔面に一発喰らわしてからなんか様子がおかしい)
◯月×日
疲れた。疲れた。疲れた疲れた疲れた疲れた疲れた疲れた疲れた疲れた疲れた疲れた疲れた疲れた疲れた疲れた疲れた疲れた疲れた疲れた疲れた…
◯月×日
モジャ公がやたらと絡んでくる。なぜだ?
そしてなぜか、私の好きなものを買ってくる…なぜ?
◯月×日
クソ忙しくて日記書けなかったわ。
マジで多忙…そう言えばmtdから、好きって言われた…なぜだ?なぜ私なんだ??
◯月×日
mtdに付き纏わられてる。いや、断ったんだよね?断ってるのにメンタル強くね?
◯月×日
試しにmtdと付き合ってみる。
◯月×日
アイツ…めっちゃ紳士やん…え?悪ガキみたいな感じなのに
◯月××日
mtdの事だんだんと好きになって来てる。……なぜだ?
◯月××日
初めて自分から好きと言ったら思いっきり抱きしめられた。
あれだね…抱きしめられるのってなんかいいね。mtd汗臭くなくて爽やかな匂いしてたわ…
◯月×××日
無事に学校卒業!!やっと終わったぁあぁぁあーー!!
やっほほほほほー!!!!
(mtdに会えなくなるのは少し寂しいけどお互いに頑張っていこう)
*•*•*・*•*•*・*•*•
「…」
「jnpi!!何人の日記読んでるの!!」
「今とそんなに変わってないよな…お前」
「ぶっ飛ばすぞ」
「そういうところ」
「「パパ〜なにみてるのー??」」
「ん?ママの日記」
「……」
「「ママーがパパの事を蹴り飛ばしたー」」
私の日記帳
一目惚れして買ったノートがある
デザインが可愛くて日記をつけようと思った
そうして
最初の数ページだけ書かれたノートが
私の引き出しに何冊もある
日記帳になりきれなかったノートたち
いつかちゃんとした日記をつけることが
できるのかな?
こうして私の机の上にはまた
真新しい装丁のノートが置かれることになる
【私の日記帳】
初めて出会った曲に
その場の風景を焼き付けて
その瞬間を閉じ込める
2回以上聴いてる曲は
初めて聴いた瞬間を思い出しながら
聴いた瞬間も積み重なっていく
そうやって何度も聴くたびに
更に更に大事な思い出になっていく
2024-08-26
─── 私の日記帳 ───
真っ黒なノート
私の全部が書かれてる
真っ白な肌が痛々しい
太陽から隔離されて
何年経ったのかわからない
最後のページを書いた時は
涙も枯れてしまっていた
不安も恐怖も何も感じない
ただの人形になってしまった
数年後
近所の人による通報で救助された時
私は二十歳を超えていたと言う
誘拐犯は死刑宣告を受けた
私の日記帳は、重厚な表紙に、鍵が付いている。
きっと、他の人の日記帳は、かわいらしいコラージュで飾ってあったり、シンプルなリングノートだったりするのかもしれない。
中身に書くことが違うのだから、見た目が違うのも当然のことなのだろう。
ここまで書いたが、本当の私の日記帳は、一枚の光る板だということ、どうか内緒にしてほしい。
「私の日記帳」
私の日記帳。
私の日々の辛い事や楽しかった事の思い出がつまっている。
私は、これからも日記帳に日々の思い出を書いていくんだろうなと思った。
私の日記帳はまっさらだ。
書きたいことが沢山あるのに書けない。
だってこれは本だと思われているから。
来る人はみんな「この本まっさらなんだね」と零して隣へと足を進める。
これは本なんかじゃないの、大切な日記帳なのに。
書くことが出来ない。私の意思ではどうしようも出来ない。私がみんなに忘れられるまでこの日記帳は本として扱われるのだろう。
人間はいつもそう。
直ぐに決めつけて勝手に想像する。
私なんて"本を持った人形"なんて勝手な名前を付けられて展示されている。
私を作ってくれたママは「沢山の人に見てもらえるだろうから嬉しいことがあったらこっそり書くのよ」って私にまっさらな日記帳を持たせてくれた。
それなのにママは私の名前を伝える前に死んだ。
だから美術館の人が勝手に"本を持った人形"なんて付けた。本じゃなくてママがくれた大切な日記帳なのに。
私の日記帳、それは日記帳とすら思われていない
まっさらな私の人生みたいな本
私の日記帳
唯一本音を包み隠さず言うことができる最高の話し相手
今日も一方的に話を聞いてもらう
「私の日記帳」
私はさゆり。
これは私が中学生の頃の話だ。
日記をつけるのが日課だった。
日記はその日に起こったことをまとめるもの。
だが、私がつけていた日記は
その日にこういうことが
起きたらいいなというものだった。
日記をつけ始め1年が経った頃だった。
使っていたノートがなくなってしまった。
私の学校には購買があり、ノートが売っていた。
そこで夢ノートと書いてあるノートがあった。
1番安くて大学ノートみたいだったので
これを買うことにした。
8月20日
今日は席替えがあった。
好きな人と隣になった。
楽しく話すことが出来た。
これは実際に起こったのではなく、
妄想の世界の話だ。
20日の内容は19日に書くことにしている。
つまり1日前に次の日怒って欲しいことを書くのだ。
しかしこの時は実際に席替えがあった。
隣の人はもちろん好きな人だ。
本当にかなったと嬉しくなった。
この時はまだ疑うことはなかった。
たまたま、奇跡的にそうなった程度に考えていた。
8月21日
今日は好きな人と帰ることが出来た。
お互いの趣味や住んでる方向が一緒だった。
好きな人と家が近いのは
誰しも一度は夢見たことがあるだろう。
しかし私の彼は家の方向が全くの逆。
趣味はスポーツ好きで似ていた。
学校で彼が驚くことを言った。
「僕、引っ越すことになって君の家の方に行くことになったんだ。今日一緒に帰ろうよ?」
私に断る理由なんてなかった。
それどころか2日連続で夢が叶ったから
味をしてるようになった。
8月22日
彼の家に遊びに行った。
勉強したり、テレビ見たり、お菓子作りしたりした。
やはり夢が叶う。
私が日記に書く夢は日に日にエスカレートしてきた。
8月25日
彼に告白された。
もちろん付き合うことが出来た。
彼にキスをしてもらった。
私は躊躇(ためら)いもなくそんなことを書いていく。
欲望のために彼を利用する自分に不安なんてなかった。
何でも夢が叶う。
それも毎日。
私は日に日におかしくなっている気がした。
彼と遊んだ日の夜の事だった。
私はノートに何も書いていない。
だが、明日の日付で何か書いてある。
私はそこに書いてある内容を見て絶句した。
9月27日
さゆり(私)は交通事故にあって
死亡した。とても痛かった。事故にあってから一二時間は苦しんだ。
血の気が引く思いがした。
誰が書いたかなんてどうでもよかった。
このノートに書いてあることは絶対。
それを知っていた。
外れたことがなかったから回避の仕方も分からない。
消して書き直そうともしたが、消しゴムでは消えない。
ペンで消しても、戻ってしまう。
私はノートを燃やすことにした。
確実に灰になったのをこの目で確認した。
しかし本が元に戻る所も見てしまった。
私は膝から崩れ落ちた。
「どうしようどうしようどうしよう、、、
このままじゃ死んじゃう。なにか無いか。そうだ、交通事故なら家から出なければいいんだ。」
私は安心した。
一人でいてもつまらないから彼に電話をした。
私「明日もうち来て遊ばない?」
彼「いや、うちで遊ぼうよ!たまには家おいでよ!」
私「行きたいんだけど明日は家から出る訳には行かなく
て、、、」
彼「何かあったの?」
私「ちょっとね、留守番頼まれちゃった」
彼「違うでしょ」
私「え?」
彼「さゆりが家から出たくないのは違う理由でしょ」
私「何を言ってるの」
彼「さゆり家から出たら交通事故で死んじゃうもんね」
私「あなただったの?」
彼「あのノート、見せてもらったよ。
少し前ノートに書かせてくれたことあったよね。
書いた内容が次の日起こった。
その時理解したんだ。このノートはその日の思い出
を書くのではなく、未来に起こって欲しいことを書
くんだって。席替えで隣になるのから僕と付き合う
の全部君が仕組んだんだね。変だったんだ、僕に
は好きな人がいた。ある日その人に全く興味が無く
なった。それまでどちらかと言えば嫌いだった君に
興味を湧くようになった。今日ノートを見て真実に
気づいた時、君への興味は全く無くなった。恐らく
それがそのノートのデメリット。残念だったね。」
頭が真っ白だった。思い知らされた。自分だけに都合がいい事なんてないんだって。
私はひたすらベットで震えていた。
「家からでなければ大丈夫、大丈夫。私の部屋は2階なんだ車が家に突っ込んでも大丈夫。」
私の期待も虚しくその時はやってきた。
ニュース「○○空港行きの飛行機がエンジントラブルにより墜落したとの事ことです。現在がれき撤去作業が行われています、、、」
私「痛い、苦しい、なんで、なんで、なんでよ、、
暑い、おもい、手からが抜けてきた。声が出な
い。お腹に木材が!痛い!痛い!痛い!叫びたい!
喉も潰れてる!足の感覚がない、、」
私「やだよ、死にたくないよ、助けて、助けて。」
それから一二時間後、瓦礫の撤去が完了した。
飛行はプライベートジェット機でパイロットはパラシュートで逃げることが出来た。
---ニュース速報---
「墜落した民家に住んでいたさゆりさんが死亡した状態で見つかりました。警察の情報によるとさゆりさんの死亡推定時刻はつい先程との事、墜落してから2時間ほど瓦礫の下で耐えていたことが判明しました。」
ロクに続いた事が無い。
海外小説に出てくるような鍵のついた日記も、学校の友達と交換しようねと言って買った日記も、読書記録をつけようと思って買った文庫サイズの日記も、全部最初の数ページで終わった。
「日記」そのものが私に合わないのかもしれない。
·····違うな。多分、自分の字が好きになれないから読み返すのが嫌になって、書く気が失せてしまうんだ。
だって、このアプリや他の読書記録アプリは続いてるから。
やっぱり綺麗な字って憧れるなぁ。
END
「私の日記帳」
私の日記帳
✕年▲月★日(◆)
果たして何日続くかな
三日坊主を舐めちゃあいけない
翌日には既に書くこと無くて終わってるからな
と書いてから云十年
ノート自体家のどこに置いたのか忘れたらしく、一日目だけ書いてあるこの家の主の日記帳が見付かった。
しかも大体同じ様な日付違いの文章が書かれた日記帳が何十冊も。
「まーた日記帳あったぞー」
「今度いつのだー?」
「■年▲月●日。いつまでこの同じ文書いてんだろな仏さん」
これらの日記帳の主は、このゴミ屋敷と化した家の一室で腐乱死体一歩前で見付かった。
テーマ 私の日記帳
不思議の国のアリスのお茶会が表紙のリングノート、日記が一緒になった臙脂色の合成皮革が表紙の手帳、白紙が続く文庫本スタイル、日記アプリ等様々なものを試してきたが、一向にちゃんと続いた試しがない。
大概記憶にございません状態で生きているのだから日記をつけた方が良いとは常々から思ってはいる。警察に先月のアリバイなんぞ聞かれた日にゃあ、覚えてなさすぎて無罪を立証できる気がしないし、証言台には一生立たない方が世の中の為になる。助けて名探偵。
続かない理由は、負の感情モードになるとやたらポエマーになるのと、そうでなければくだらないことを書きすぎるから。そして生来怠けることが大好きだからだろう。
例えば今日なら、子どもの詩集を集めた「たいようのおなら」の癒し効果が高くて旦那に薦めたら笑顔が見れて嬉しかったとか。
息子が帰宅する時インターホンカメラにジャンプでピースしてくるの可愛いとか。
初めて自分で爪切らせたとか。
秋桜の種買えたとか。
旦那咳してるの新たな風邪かとか。
まだまだあって、優先順位をつけられないのも問題なんだろうな。
その点このアプリは、適度に他人を感じられて助かっています。書くテーマも与えられて優先順位も付けやすいしね。ありがとうございます。
まぁ、日記じゃないのでアリバイ説明にはならないでしょうけども。その時はやっぱり助けて名探偵。
私は日記が好きじゃなかったな。
でも日記を付け始めた。
あれは、家族が可笑しくなりはじめたときかな。
まず父親が家族を無視するようになった。
次に家族に痣がつくようになった。
またつぎになると血がでるようになつた
おやのしんしつはぼろぽろになつていた
よか皿が割れる音が、きこえるし
いつのまにかでんきもつかなくなつたな
ははおやには風穴がとおつたし
いもおとには、ないふが、さささる
そもそも父親はめがただしいほうにむいてなあい
わたひからもひふがほろほろおちるし
へやじゅうがあかあい
きもちちちがわああああるい
はははもういないし
ちちおやは、うまった
そんなことがかいている日記にあたしは吐あいた
そんなにっきをまどkらなげすてたあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
私の日記帳
楽しかったこと、
好きなこと、
嬉しかったこと、
面白いこと、
なんでもいい、
前向きな気分やそうなれることを書いた日記帳。
たまに、どうしてもだめな時は
聞いてほしいこと、
辛かったこと、
悲しかったこと、
そんなことも書く。
けれど、日記帳の中の自分だけは否定せずに全肯定というルールがある。
現実では、
毎日毎日自分がもっと良くなるように頑張れるように
自分はだめなやつだと自分に言い聞かせてるから、
日記帳に触れているその瞬間だけは
肯定して、労りたい。
私の日記帳は、前向きになれる。
だから今日も書く。
自分を大切にするために。
私の日記には
秘密がいっぱい
読んでると
ラーメンが食べたくなる
俺の名前は、五条英雄。
私立探偵をやっている。
俺の所には、他の探偵では解決できない難事件が持ち込まれる。
それを解決するのが俺の仕事。
鮮やかに解決する様子に、街は俺の噂で持ち切りだ。
今日も、噂を聞いた依頼人に『あなたしかいない』と懇願された、家出猫の引き渡しを終えたところだ。
喜んだ依頼人から依頼料をたくさん弾んでもらったので、今日は贅沢に外食することにした。
ということで、今日は思い切ってファミレスで食べることにした。
近くにあったファミレスに入り、俺は空いていたテーブル案内される。
今日は何を食べようか?
チャーハン?
それともパスタ?
いや奮発してステーキを……
くそ、腹が空いているからどれもおいしそうに見える……
俺がメニュー表とにらめっこしていた時、不意にテーブルを挟んだ向かい合わせのソファーに誰がが座る気配がした
「相席いいですか?」
聞き覚えのある声に驚き、メニュー表から顔を上げる。
テーブルを挟んで向かい合わせの席に座っていたのは、なんと我が探偵事務所で雇っている助手であった。
今日の助手は休みのはずなのだが、なぜここに?
湧いた疑問をよそに、助手は俺に笑いかける
「先生、食事をご一緒します」
見惚れてしまいそうな美しい笑顔。
こんなのを見せられたら、どんな男もイチコロだろう。
だから、俺の助手の提案の答えは決まっていた。
「ダメだ、どっか行け」
俺はハッキリと断る。
残念だが、もう俺には助手の営業スマイルは効かんよ。
それで何度こき使われたことか……
それにだ。
モノを食べる時はね。
誰にも邪魔されず、自由で なんというか救われてなきゃあダメなんだ。
独りで静かで豊かで……
という訳で、俺は一人レストランで食事を楽しむのであった。
完
「待ってください。
私みたいな美人が食事のお誘いですよ!?
なんで断るんですか!?」
「美人って自分で言うのかよ……
まあいい。
理由だが、俺は仕事とプライベートを分ける人間だから。
以上だ」
「それは私もです」
「だったら声をかけてくんなよ」
「スイマセン、財布忘れてご飯が食べられないんです。
ごはん代貸してください」
助手が両手で拝むようにお願いしてくる。
始めからそう言えばいいのに……
「全く……
奢ってやるから、好きな物を頼め。
依頼料が入って、金があるからな」
「やった。
じゃあ期間限定パスタと鉄板焼きステーキ、サラダ、ドリンクバーに、えーとえーと、あ、デザートもいいですか?」
「奢りと分かった途端、急に調子に乗り始めたな」
「奢りですから。
それでデザートは?」
「いいよ、頼むといいさ」
俺と助手は、互いに遠慮が無い。
気を許していると言えば聞こえはいいが、ただ単に扱いが雑なだけである。
なんだかんだお互いが食べたいものを注文し、ホッと一息。
ひと段落付いて何気なく正面を見ると、助手と目が合う。
そして俺は気づいてしまった。
『これ、実質デートじゃね?』と……
油断していた。
助手を追っ払えばよかった、マジで!
言いたくはないが、俺は女性と付き合った事は無い。
なのでこいう時どうすればいいか、なにも分からん。
名探偵の俺でも、これだけはお手上げだ。
どうすればいい?
考えろ、俺!
「こうして向かい合って、ご飯を一緒に食べるのは初めてですね」
頭を高速回転をさせていると、助手が話を振って来た。
これ幸いにと俺は話に乗っかる。
意識していることがバレないよう、話を合わることにする
「そうだな。
結構長い事一緒にいるが、こうして店で一緒に食べるのは初めてだ」
俺と助手は昼飯のスタイルが違う。
俺は事務所で簡単な料理を作るかコンビニ弁当。
助手は近所の食べ物屋で食事。
中で食べる派と外で食べる派で平行線。
今日は珍しく交わったが、今後は無いだろうし、合わせる気もない。
俺はそう思っていたのだが……
「あの、先生……」
助手の歯切れが急に悪くなる。
何事かと助手の顔を見れば、頬も赤く染まっている。
体もモジモジしているし、まさかこれは……
「あの、また食べに来ませんか?」
やはり次のデートのお誘い!
まさかのモテキ到来に動揺するが、ここで答えを間違えてはいけない。
うかつな発言は火傷するだけ……
俺はゆっくりと自分の気持ちを伝える。
「俺は嫌だ。
なんか副音声で『奢れ』って聞こえたから」
「ソンナコトナイデスヨ」
「お前、探偵舐めんな。
そんくらい分かるわ」
焦ったのか、いきなりぶっこんで来たから、逆に冷静になったわ。
だが、ジワリ来られたらどうなったか分からない。
正直助かった……
助手が「くっそー」と悔しがっていると、店員が料理を持ってやってきた。
「お待たせしました。
ご注文の品です」
テーブルの上に料理が並べられる。
なお、テーブル上の料理の8割は助手の物だ。
……頼み過ぎである。
「「いただきます」」
俺たちは目の前の料理に手を付ける。
目の前のたくさんの料理を前にして、目を輝かせる助手。
今までの色っぽい雰囲気はどこへやら。
女は魔物って本当だったんだな
だがまあ……
「おいしー」
おいしそうに食べる助手の顔を見たら、俺も嬉しくなってしまう。
男もまた、単純と言うのは本当らしい。
自分のバカさ加減に呆れる。
だが、助手と食事はなかなか楽しい。
今度食事に誘うのもいいかもしれない。
そう思う、俺なのであった。
――ただし、次は奢らないがな
今日も絶えず息をする
いつか夢みた暗闇へ
黒に染まって堕ちてゆく
今日も絶えず終わりを探す
続く光を追い続け
明日はきっと永遠に
正直 日記はいつも三日坊主だ
新年に さあ書くぞ!と意気込んでみても
3日目には 毎日同じやん となってしまう
だから日記代わりという訳でもないが
その日の気分で詩を書く
なんでもない日常のこと
気になった事象のこと
忘れられないあの人のこと
毎日では無いけれど
こちらの方が私には合っている
あとは写真
作ったものや食べたもの
記念という訳ではないが
そういうものの方が記憶に残っている
日記とは言えないちょこっと記録
「私の日記帳」