突然の別れ』の作文集

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突然の別れ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

5/19/2024, 2:37:31 PM

それは突然のことだった。
朝はいつも焦っている。
当然のことだ。起きるのが遅いからだ。
私はなぜ気づかなかったのだろう。
いつもそこに居たはずなのに、、
母親からの話によると、
「みみがね…」
飼い犬が朝方、息を引き取ったらしい。
まだ実感が沸かない。
それがまるで昨日起きたことのように。

5/19/2024, 2:37:01 PM

僕たちが上手くいくにはこれしか方法がないんだろう。突如そう言って別れようとしたあなたは今までで一番儚かった。
ごめんね、そう言って居なくなったあなたの最後の言葉は心に響いた。
私の方こそごめんね。

「突然の別れ」

5/19/2024, 2:31:25 PM

私は、突然の別れなんてしたことがあるんだろうか。

両親は普通に健在だし、友人はみな元気。ペットに関してはそもそも飼ったことがない。
というか、誰かと死に別れた経験が、私にはほとんどない。
色んな思い出をさらっても、わざわざ「突然の別れ」なんて題してことさらに書くことはない気がする。

とここまで書いて、私はひいおばあちゃんが亡くなったことを思い出した。小学校低学年のころの話だ。

私にとってのひいおばあちゃんは、長いこと入院しているひと、だった。小さい頃遊んでもらったこともあるらしいが、私はあまり覚えておらず、記憶にあるのはベッドに横たわる姿だけだ。
薄情なことに、私はひいおばあちゃんの葬式に参列したことすら、今の今まで忘れていた。忘れていたというより、ひいおばあちゃんの死を「突然の別れ」と思っていなかっただけのような気もする。

ひいおばあちゃんに関する記憶はほとんどない。
というか、そもそも小学校の記憶すら曖昧なのだから、物心ついた頃にはすっかり関わりのなかったひいおばあちゃんのことを忘れているのは、当然と言えば当然かもしれない。
それでも、ひいおばあちゃんについて結構鮮明に覚えているものがある。二つだけ。


一つ目は、親族でひいおばあちゃんをお見舞いに行った日のこと。
その時のひいおばあちゃんはもう目も動かせなくて、ベットに横たわって複数の管に繋がれていた。
くすんだクリーム色の仕切りカーテンをできる限り開いて、ベットの周りを皆んなで取り囲むさまは、なんだかお見舞には見えなかった。挨拶のようだった。

私がおばあちゃんの家に行く時には、必ずお墓参りをする。先祖代々のお墓に挨拶に行く。
代々と言っても、そこまで大きいお墓ではない。多分、家のお墓としては普通だと思う。
そのお墓を囲んで、各々がお水をかけてきれいにしたり、お花を変えたりする。そして最後に、みんなで並んで挨拶をする。
お墓参りにはどこか穏やかさがある。
件のお見舞いにその穏やかさはなかった。もっと切実な感情が充満していたけど、それはたしかに挨拶に感じられた。
ひいおばあちゃんは意識がないから、みんなが来ても反応することはない。それでも、大人たちに促された私やいとこは、ひいおばあちゃんに「来たよ」と声をかけた。
どちらも、返ってこない、もしくは返ってこないかもしれないと思いながらも話しかける。でも、病院ならより切実だ。もしかしたら唇が震えるかも。指がぴくりと動くかもしれない。
実際、そのお見舞いで、ひいおばあちゃんの瞼は少しだけ動いた気がする。それをおばあちゃんが喜んでいたような。そこらへんの記憶は曖昧だ。記憶の捏造かもしれない。

ただ、ただその時周りから感じた挨拶の感情が、当時の私をぐらつかせたんだろうと思う。

二つ目は、ひいおばあちゃんのお葬式で骨を持ち上げた時。
骨壷に移すときと言うんだろうか。骨を箸で持ち上げて、移動させた。私は小さかったから、父と一緒にした気がする。
あれはなんの骨だったのだろう。小さかった。
金属のプレートから骨を持ち上げた時、重みに少しびっくりしたのを覚えている。その時触れていた父の手の生温かさも。


そういえば、火葬の前に、ひいおばあちゃんの友人なのか、知らないおばあさんがすごく泣いていたのを思い出した。
人ってこんなに悼んでもらえるんだって思った記憶がある。当時の私は、おばあさんは泣かないものだと思っていたから、余計にそう感じたのかもしれない。
随分な感想ではあるけど。

だいぶ長くなってしまった。結局何が書きたかったのかは分からない。
私の死はかなり先だと思う(し、そうであることを願うけど)どんなもんなのだろう、私のお葬式。結婚願望もないのだが、やってくれる人いるだろうか…。
私のお葬式があるとしたら、友人だけに参加してほしい。友人の家で、私の死んだことを口実に友人たちで集まって、たこ焼きパーティとかしてほしい。
誰も泣く人がいないといいなとも思うし、でもちょっと泣いてほしい気もするから、お酒飲んでちょっとだけしんみりしてほしい。
そんで私は散骨されて、今この文を書く脳も何もかも、ATCGの配列すら分からないまでに分解されて、私だった炭素や窒素が全く知らない生き物になってたら嬉しいな。

それまであと何十年もあるはず!だから、明日も頑張っていきます。おやすみなさい〜

5/19/2024, 2:30:22 PM

あっ、と気づいた時には、右耳のピアスは姿を消してしまっていた。やけに耳が軽いなと思ったのが30分前。耳たぶを手探りで触ってみたが、あるはずの金属の感触がそこに無い。あわてて姿見で確認すれば、左耳と同じデザインのピアスは影も形も見当たらなかった。今日はまだ家を出ていないから、間違いなく室内のどこかに居るはずなのだけれども、布団をひっくりかえしてもカーペットをひん剥いてもピアスは見つからない。ひとしきり部屋をぐちゃぐちゃにした所で、私は捜索を一旦諦めた。
 商店街のテナントに最近入ったオーダーメイドの雑貨屋で、たった3週間前に買ったピアスだった。蝶を象った小ぶりの飾りが付いていて、ピアスが揺れる度にガラスで出来た羽が虹色にきらめいた。もうそんなの、一目惚れだ。私は値札も見ずに購入を決めた。結局ピアスは普段のショップの3倍の値段で、手痛い出費ではあったのだが……そうだ、手痛い出費だったのだ。
 がっくりと肩を落とすと、ちり、と左耳のピアスが音を立てた。そういえばこっちは無事だったのか。壁にかけた姿見に、耳元でピアスが揺れているのが映る。相棒を失った蝶は、所在なさげに耳元で羽ばたいている。
 寂しいのかな。何となくそんなふうに思った。ひょっとしたら右の蝶はもうこの部屋から飛び立ってしまって、左の蝶はそれを追いかけたがっているのかもしれない。本当は今すぐここから飛び出してしまいたいけれど、持ち主の私に遠慮して、ここに留まってくれているのかも。
 やけにポエチックな妄想がどんどん膨らんで、段々それが真実のように思えてきた。一人置いていかれるなんてかわいそうだ。私はリビングの窓を少しだけ開けると、左耳の蝶を外してそっと窓のさんに乗せた。蝶は横たわったまま、夕暮れの光を大人しく反射させている。私はそれをちょっと眺めてから、予定の時間が迫っていることに気がついて家を出た。

 家に帰ると、窓際の蝶は居なくなっていた。本当に飛び立ってしまったのかは分からない。窓からカラスなんかが持っていってしまった可能性もある。ぼんやり眺めいていると、ふと、さんの端が月光を受けて光った。七色の反射光が彼らの置き土産みたいで、寂しい気持ちと一緒に、少しいいことをしたような気分で心が満たされた。

(突然の別れ)

5/19/2024, 2:28:31 PM

「突然の別れ」
着いたままのテレビ
風になびく洗濯物
部屋を冷やす扇風機

そのままだった
まるで近くに居るのかと言うほどに
そのままだった

まだ気持ちの整理がつかないでいた
どこからか君の笑い声が
聞こえてきた気さえした

でも君はいない
あの子のことは大丈夫
僕が面倒をみてるから

5/19/2024, 2:28:02 PM

私ってなんでこうなんだろう。
心から信頼できて親しい友達は未だに1人も居ない。皆表面上仲良くしてくれているだけで、私は皆が困ったとき助けようと努力してるつもりだけど、皆は私が困ってるとき、辛いとき、そっと私から逃げる。
私は自分で思ってるよりも人の役に立てていないのかもしれない。皆にとっては迷惑な存在なのかもしれない。友達ってなんなんだろう。家族ってなんなんだろう。今私に突然の別れが訪れても、私はきっと何も思えない。

5/19/2024, 2:27:55 PM

突然の別れがきても後悔をしないように毎日あたたかいことばを。突然の別れがきてもいつまでも愛してます。

5/19/2024, 2:27:41 PM

今までで一番ショックだったのは、ビデオデッキが壊れた時かなぁ。知ってる? ビデオデッキ。
再生しようと思ったら、急にうんともすんとも言わなくなって、慌ててテープを取り出そうとしたらデッキに絡んでうにょーって出てきたの。
大好きなアニメを録画したテープだったから、もうショックでショックで、泣きながら絡んだテープをハサミで切った覚えがある。

後は、スーパーファミコンとプレイステーションのセーブデータが消えちゃった時。もうラストダンジョン入ったとこで、長い旅があと少しで終わるってところだったのに消えちゃって、泣く泣く最初からやり直した。あの時は頭が真っ白になったなあ。

え? 人? うーん·····、同級生が転校した時も、好きだった作家が亡くなったってニュースで見た時も、別に·····。


END


「突然の別れ」

5/19/2024, 2:27:09 PM

鈍く低い音が目の前で鳴った。爆発音に近いようなパンクしたような音。地をガリガリとタイヤが齧り付くように音を立て、ガードレールに車体が当たった。

 やけに心臓の音が近くて、自分の息遣いがよくわかった。本当にカヒュというような、震えているようで、正常なものではなかった。
 足が震えて、立っているのか、ぐらついているのかわからないくらい感覚が鈍っていった。

 「あ…え…?」

 周りの大人が、私の肩を揺すり

 「君!怪我は!?」

 と、言われるまで私はただただ、理解が追いつかない頭と、前にも出れない足を硬直させ、倒れ込む友人を見ていた。

 「」

 ハクハクと口を動かしても声は出なかった。

 私と友人の最後の思い出は一方的であり、私だけに残していった。

No.18 _突然の別れ_

5/19/2024, 2:25:46 PM

グッドバイ
グッドバイ
また会えるかな

そんな寂しいこと言わないで

またいつだって会えるよ

だから泣かないで

ぼくが生きている限り あなたのことは忘れたりはしない

だから 暫しのお別れ

グッドバイ
グッドバイ
また会える日まで


【突然の別れ】

5/19/2024, 2:22:30 PM

ペットとの別れは、じわじわ近づいてくるのも辛いけど、突然の別れは本当にショックだよね

もう何年も前のことだけど、かわいがっていた手乗りのインコが、昼には元気だったのに、夕方見たらケージの底に羽を広げて落ちていたんだ

あのときはたくさん泣いたし、しばらくは空ばかり見ていたっけ

初めて自分の意思でお金を出して買って、ヒナから育てて、歌やおしゃべりも教えて、すごくすごくかわいかったんだよ

5/19/2024, 2:19:33 PM

【突然の別れ】

 君は、いつも夜突然音信不通になる。LINEのやり取りをしていても、既読がついても、もう返事は返ってこない。突然の別れ。最初は不安で仕方なかった。何かあったのかな、嫌われたかな…。
 君はいつでも、誰かのために全力で頑張っている。見返りなんて求めない。純粋な気持ちで。そして私にもたくさんの幸せをくれる。
 だから、突然別れがくる。今頃どんな夢を見ているのか。ちゃんとベッドで寝てるのか。心配は尽きないけれど...。
 ほぼ毎夜繰り返される突然の別れ。しかし、夜が明けるとその愛おしい声を聞かせてくれる。毎日新鮮な気持ちで出会える。そう考えると突然の別れも悪くない。次の日に出会うための別れならば。
 本当の突然の別れなら...そんな事考えたくもないよー!!
 毎夜の別れ、毎朝の出会いを積み重ねて、2人でずっと同じ時を過ごして生きたい。

                 flamme jumelle

5/19/2024, 2:18:32 PM

『突然の別れ』

スマホ1つで繋がっている
LINEだけになってる人もいる

だからね、その手段が切れたらもう繋がりが切れる

バックアップ取ってないとか
他にひかえてないとか


どんなに仲良かったと思っても
それまで繋がりを大切にしていたとしても
会う機会が無い相手はそれで終わり


なんて寂しい
なんて薄い繋がりなんだと思い知らされる

5/19/2024, 2:16:46 PM

愛してる家族。友達。
突然。
もう二度と会えない事になるかもしれない。
そんな事にはなりたくない。
ずっと一緒に笑ってたい。
別れが来る事ぐらい分かってる。
けど、いつか来る別れに怯えるよりは、
今、一緒に楽しく笑っていたい。

(突然の別れ)

5/19/2024, 2:15:41 PM

「やーだ!」
「こんなに汚れているんだから、ね!?」
 
 玄関前で、大きなぬいぐるみを片手にした青年と、その恋人が大きな声をあげていた。
 このぬいぐるみは、元は白いうさぎのぬいぐるみだったのだろう。だが、今は見る影もなく茶色いマーブル色をしていた。

「大事なんだもん、やだ」
「それは分かってるよ。でも、家にあってもどうにもならないでしょ。俺を信じて、ね?」
 
 その言葉に動きが止まる彼女。
 
「その言い方は……ズルいです」
「うん、でも信じて欲しいな」
「わかった」
「ありがと。少しの別れだから。すぐ帰ってくるからね」
 
 彼女をなんとか説き伏せて、家を出た。
 腕には白いうさぎのぬいぐるみだったもの。
 これをなんとかしないと。と、青年は考えながら職場に足を向けた。
 
 
 それは今朝のこと。盛大に彼女が居間で転んだ。
 転ぶだけなら良かったのだが、彼女が持っていたマグカップが、中身ごとソファと鎮座していたうさぎぬいぐるみにナイスショットをぶちかましていた。それはもう見事……いや、無惨なほどに。
 
 白を基調にしたうさぎのぬいぐるみは、マグカップの中身――コーヒーの色に染まった。
 いっそ、全部かかっていたらコーヒー色だと思えそうなものだが、今回は綺麗なマーブル色に染まってしまったのだ。
 
 このシミを何とかしようと色々試行錯誤したのだが、素人には難しい。
 
 この白いうさぎのぬいぐるみは、一緒に暮らす前から大事にしていたと知っている。
 だから〝捨てる〟と言う選択肢は無かった。だが、離れ難い気持ちが先行したのだろう。持っていくことを拒否されたのだ。
 
 それで気がついた。
 彼女にプロに任せようと伝えただろうか。〝持っていくね〟だけしか伝えていない気がした。
 
「俺も説明が足りなかったのかも」

 それは嫌がられても仕方がないと反省しつつ、〝俺を信じて〟の一言で、引いてくれた恋人に胸が暖かくなった。
 
 青年は腕の中にいた、マーブル柄になったうさぎのぬいぐるみを持ち上げる。
 
「ちゃんと綺麗に、元通りにしてもらうからね」
 
 後日、汚れ含めて綺麗になったうさぎのぬいぐるみが彼女の元に戻った。
 突然だったが短い別れ。そしておかえりと微笑む恋人に安堵した。
 
「そのぬいぐるみ、大切になった理由を聞いていい?」
 
 ふと聞いてみたくなった青年は恋人に言う。すると、頬を赤らめた彼女がイタズラっ子のような笑顔を向けた。
 
「だって、あなたに似てるんだもん」
 
 
おわり

お題:突然の別れ

5/19/2024, 2:15:01 PM

突然の別れ

まさにあなたとの別れこそ
突然にやってきて
ただ不仲になり別れたのなら
まだしも
この世とあの世の別れに
なるなど思いもせず
ただ、ただ
心も体も震え
わたしを一人残して
去ったあなたを
恨んで…
まだ何も始まっていないのに
あまりにも突然過ぎて
泣くことさえ叶わず
こんな終わりが来るのなら
あなたを嫌いになる方が
どんなにか楽かと
思わずにはいられなかった
突然の別れは
早すぎる別れになった

5/19/2024, 2:14:17 PM

突然の別れ。
それはさよならも言えずに
ありがとうも言えずにやってくる。
もう届くことはないけれど、
精一杯ありがとうを言いたい。

5/19/2024, 2:12:30 PM

「突然の別れ」

ずっと雨の中にいるのかな
冷えた体を抱きしめて
思考は ぼんやりしてゆく

笑う姿や 声を 思い出そうとしても
なぜか うまくいかない
膨大な心残りに 遮られている

時がたてば と人はいうけど 
忘れたくない
わたしは ずっと 記憶と残像を抱いて
冷たい水の底に 静かに 沈んでいたい

ゆらゆらと ゆらゆらと
この身を任せて ゆっくり思い出していくんだ
別れの感触を 受け止められるまで

5/19/2024, 2:11:35 PM

何かあったのか?
俺が、何かしたのか?
原因も理由もわからない。
どこへ行ったかもわからない。

ただ、5文字の冷たい言葉だけが書かれたメッセージがきただけだ。
そのあとは、連絡先が全て消され、姿を消した。
彼女が突然の別れを決めた理由がわからない。

彼女の友人達も何も知らない。
探し出す術がわからない。
どうすればいいのか?
彼女に逢いたい。


お題『突然の別れ』

5/19/2024, 2:09:06 PM

「あなたは以前私を桜色と例えましたね」

 眼の見えない彼女と過ごす、いつものたわいない会話の時間。
 今日は以前にした『色』に関する話題を彼女が振ってきた。

「したな、そんなこと」
「桜は散ってしまう姿が儚いと聞きます」
「そうだな。ざあーって散っていって地面にピンクの花弁が散らばって、木は少しずつ緑になっていくんだ」
「緑は安らぐ色、でしたか」 
「桜の葉は柔らかい緑色でさ。俺は桜餅を連想して腹が減りそうになる」
「桜餅って二種類あるって本当ですか?」
「あるよ、おはぎみたいなやつと、どらやき挟んだみたいなやつ。なんか両方寺の名前がついてたと思うけど忘れた。俺はおはぎみたいなのが馴染み深いな」
「それなら私が食べたことあるのは多分どらやき挟んだみたいなのだと思います」


「前にも言いましたけど。私も、あなたのこと桜色だなって思ってるんですよ」


 そう言った彼女と会わなくなってしばらくたった。 

 どうしてなのかはわからない。そもそも俺達はお互いの名前も連絡先も知らない間柄だ。たまたまいつも同じ時間、同じ場所で会うひと。それでなんとなく話すようになった相手。
 いつも彼女と腰掛けて話すベンチの後ろに立つのは桜の木だった。
 それも相まって、俺は彼女を『桜色』だと思った。

 彼女がここに来なくなった理由はわからない。
 もう会えないかもしれない。
 出会いは偶然。別れは突然。
 まあきっとどこかで元気にしてるだろうと勝手に思うことにした。

 
 今年も桜は綺麗に咲いた。

「桜は散ってもまた咲く。そのたびによう、また逢えたなって笑えるんだ」

「そうですね。また逢えて嬉しいなぁって感じるんですよね」




「…久しぶり」
「はい、お久しぶりです。あなたが今来てるジャケットが冷たいと思う『水色』ですか?」

 いつも閉じていた眼を開いて、俺の顔をまっすぐ見てくる彼女がいた。
 

 出会いは偶然。別れは突然。再会は必然だったようだ。


                   終

*お題「突然の別れ」

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