花束』の作文集

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花束』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

2/10/2026, 2:27:37 PM

風が通り過ぎていく。
鼻腔を掠めた匂いに、燈里《あかり》は眉を顰めた。
鼻をつく、甘い匂い。腐った果実のような不快なそれに、冬玄《かずとら》も眉を寄せ舌打ちする。

「燈里。あまり吸い込むな」

燈里の体を引き寄せる。冬玄の周りで薄い氷の膜が張り、陽の光を反射して煌いた瞬間、澄んだ音を立てながら砕け散った。
不快な匂いは感じられない。息を吸い込めば、冬の冷気が肺を満たしていく。その中に仄かな蝋梅の香りを感じ取り、燈里はほぅ、と吐息を溢した。

「燈里」

冬玄に呼ばれ、燈里は徐に腕を上げる。道の先、木々の間から僅かに見える建物を指さし、静かに告げた。

「あそこ。あの蔵の中」

目を凝らすものの、冬玄にはその蔵らしい建物がぼやけて見えた。異様に気配が薄い。いくつもの膜に覆われているような、目を逸らした途端に認識できなくなるような、そんな違和感に眉が寄る。

「随分と目が滑るな。結界か?」
「行こう。二人が待ってる」

燈里に促され歩き出す。だがいくら近づけど、蔵の気配は霞んだままだ。
その奥からは昏く沈んだ気配が揺蕩っている。冷たい痛みが全身を貫く錯覚に息が詰まる。燈里を守るように、冬玄は震える肩を抱き寄せた。

「ここか?」

蔵の前で立ち止まる燈里に、冬玄は戸惑いの表情を浮かべた。
目の前には両開きの重厚な蔵戸。だが冬玄には見えていないのだろう。その視線が戸を注視することはなく、蔵やその周囲を彷徨っている。

「燈里」
「大丈夫。ここだよ」

燈里の声に迷いはない。その目は真っすぐに蔵戸を見つめ、取っ手に手をかけた。
ぎぃ、と重く軋んだ音を立て、戸が開かれていく。そこで蔵戸の存在に気づき、冬玄は慌てて手を添え力を込める。

「何だ?」

細く開いた戸の前で何かが佇んでいるのを認め、冬玄は目を細めた。一度手を止めると、燈里の手を戸から離させる。
纏う空気が張りつめていく。視線を戸の隙間から離さず燈里を背後に下がらせると、一気に戸を引き開けた。

「――見えないわけだ。まさかあの時の地蔵がいるとはな」

目を閉じ。微笑みを浮かべて立つヒガタ。息を呑み、次いで深く息を吐いて、冬玄は警戒を少しだけ緩めた。

「ありがとうございました」

冬玄の横を燈里が通り抜け、燈里はヒガタの前に立つと深く礼をする。答えの代わりにしゃんと錫杖を鳴らし、ヒガタの微笑みが深くなる。

「燈里ねぇ!」
「睦月《むつき》!楓《かえで》!」

その後ろ、近づく睦月と楓の姿に、燈里は安堵の息を吐く。
駆け寄る睦月の体をしっかりと抱き留め、よかったと小さく呟いた。
見た所、睦月と楓に怪我はないようだ。それならばすぐにでもここから離れた方が良いのだろう。
そう思い、燈里が後ろにいる冬玄を振り返ろうとした時だった。

「――っ、冬玄!?」

突然冬玄に背を押され、燈里は睦月と共に蔵の床に倒れ込んだ。
咄嗟に身を捩ったことで睦月を圧し潰さずに済んだものの、冬玄の行動の意図が分からない。身を起こし後ろを向くが、視界を塞ぐように楓が蔵戸との間に立ち塞がった。

「楓?」

一体何が起きているのか。
こちらに背を向けているため、楓の表情は見えない。呼びかけても返事がないことに底知れぬ不安が込み上げ、燈里は倒れたまま動かない睦月へと視線を向けた。
睦月、大丈夫?」

意識がないのか反応はない。抱き起そうと肩に触れ、手から伝わる異様な熱に息を呑んだ。
酷く熱い。膝に頭を乗せ、赤い顔をしてうなされている睦月の汗を拭う。
誰も言葉を発しない。それが不気味で、燈里は楓の背を食い入るように見つめた。蔵の外に何があるのか見透かそうと目を細め、不意に感じた匂いに体が硬直する。
甘い香り。どろりと粘つき、吸い込んだ者の内側から腐らせるかのような悍ましさに燈里の眉が寄る。息苦しさに視界が滲み、頭の奥が鈍く痛み始める。

これは、穢れだ。
厄という名の、死の穢れ。夏に足を踏み入れた、荒れた墓地の匂いに似ている。
気づいた瞬間、燈里の脳裏にある姿が浮かぶ。長い金の髪に、翁の面。腕に抱かれた日本人形の腕には枯れた花束が握られていた。

「久しいな、北」

低くもなく、高くもない声が冬玄を呼ぶ。対峙する冬玄は言葉を返さず、その目は鋭く相手を睨みつけている。

「通してくれ、北よ。その蔵の中にいる娘たちに用がある」

冬玄は何も言わず、微動だにしない。だがその影は揺らぎ、対峙する相手と酷似した翁の面を冬玄の前へ浮かばせた。

「北も他と同じく、西の障害となる選択をするというのか。なれば押し通るが構わぬか」
「――理由くらいは聞いてやる。何の用だ?何故接点のないはずの人間に執着する?」

低い冬玄の声に相手の動きが止まる。首を傾げ、腕に抱いた人形へ視線を落とした。

「鈴《すず》が一人を寂しがる。かつての友は封じられていた間に絶えた故、新しい友が必要だ」

当然と言わんばかりの声音だった。腕の中の人形のために、新しい友を宛がう。そこに相手の意思はどこにも存在しない。

「断る。貴様の人形遊びに付き合わせるつもりはない」

冬玄の影が揺れ動き、相手の足元に鋭い氷に棘を生じさせた。相手と冬玄とを隔てる棘は、だがしかし、西の面が一歩踏み出したと同時に音もなく粉々に砕け散ってしまう。
冬玄の気配が鋭さを増す。面に手を伸ばしながら、辺りを無差別に凍らせていく。

「人形……」

ぽつりと落ちた言葉。
冬玄が気にする様子はなかった。しかし浮かぶ映像として見ていた燈里は、その不思議そうな響きが酷く気にかかった。
西の面に抱かれているそれに意識を集中する。
赤子よりかは大きなその姿。枯れた花束。漂う甘い匂い。
それは枯れた花の匂いではない。

「何を言っている。鈴は人形などではない」

虚ろに開いた目が、ほんの僅か動いた気がした。

まだ、生きている。
ふと浮かんだ言葉。虚ろな目が瞬き、こちらに向けられる。

視線が交わる瞬間。
燈里の意識は暗転した。



20260209 『花束』

2/10/2026, 10:00:06 AM

「やるよ」
軽い感じのその声と共に俺の顔に降ってきた黄色いかたまり。
目一杯広がるその黄色を視界から引き離すとひまわりの花束。
「どしたのこれ」
季節外れのその花をくるくると回しながら珍しそうに眺めながら聞く。
「お前に似合いそうだったから」
目があってやんわりと笑われる。
「男に花って…お前マジ?」
半ば呆れ気味にそう返す。
「なんかねー珍しいなーって思ってまじまじ見てたらお前思い出した」
「だからって買ってくるか普通」
「なんでよ。似合ってるよ」
何でか自信満々な感じで言われて変に照れてしまう。
「まぁ、せっかくだから貰ってやる」
「そうしてそうして!」
にこやかに満足気で何だかなって思うけど楽しそうならいっかとか思ってしまう。
不意にじっと見つめられてるのに気付いてたじろぐ。
「なんでそんなに見てんだよ…」
「ん?いや、きれいだなって」
「あー花が?」
「いや、そーじゃなくて」
きれいな指が俺の方をそっと指差す。
その意味を理解し掛けて首を振って否定する。
「バッカじゃないのお前」
慌てて差された指を掴んで引き下ろす。
目の前にはにんまり笑った顔。
何だか憎らしい。
「ねぇ。口開けて」
言われるまま条件反射で口を開けると、不意に口に何かを突っ込まれる。
反射で取り出そうとするけど甘く広がるそれは。
スティック状の飴で。
「美味しい?」
また楽しそうに笑いかけられた。
「…何よこれ」
「お前には正直こっちかなーと思って」
笑いながら差し出されたそれは花束状にまとめられたスティックキャンディ。
「これもどーぞ」
「むしろこっちが嬉しい」
「だよねー」
もう笑うと言うよりニヤつかれてる。
「お前って想像通りの…」
「みなまで言うな」
それは絶対言わせない。
その先の言葉を制止すると耐えきれないとばかりに爆笑された。
分かってる。分かってるよ。
色気なくてごめんなさいねー。
どうせ俺は花より団子だよ!!!



                    (花束)

2/10/2026, 10:00:04 AM

一つ一つに
込められた
花の言葉に
届いて欲しいな

綺麗さは
それぞれだけど
枯れるのは
分かっちゃいるけど

多くの伝えたいを
この花束に
君への伝えたいを
この花束に
どれか一つとは
言えないからさ
この花束に
委ねてみたんだ

散り行く美しさが
あるんだって
花は教えて
くれてるようで
何だかさびしく
思っちゃうけど
きっとそれだけじゃ
ないんだよね

あと少しだけ
あと少しだけ
でいいからさ
この場所で
咲き誇っていて

多くの伝えたいを
この花束に
君への伝えたいを
この花束に
どれか一つとは
言えないからさ
この花束に
委ねてみたんだ

2/10/2026, 9:54:35 AM

【花束】

菜の花の花束を作って、祖母に渡していた。

今からもう十何年前のことで、もう忘れられてしまったかもしれない。

何でもない花束を、コップを花瓶に見立てて入れてくれていた。

毎日のようにそうしてくれていたせいかおかげか、私は祖母のことが大好きだった。

祖母も喜んでくれていると信じていた。

幼い私に気を遣って、喜んでくれていたのかもしれない。

もう確かめようはないけれど、私の心の中だけにでも残っていたらいい。

2/10/2026, 9:50:07 AM

君たちはまるで摘み取られ供された花々のようで、この永遠の時を生きる私には、その限られた時間を君たちと共にするのはとても苦しい──だからこそ、花という花はすべて、この身から遠ざけてきた、それなのに。

 いまの私はこの手に、君たちという『花束』を抱えている──いずれ後悔するだろう、すべての花々がこの手の中で枯れるのを見る、その未来は遠からず訪れるのだから。

 だとしてもこれだけは、伝えるべきなのだ。
 縁あって、この私の手の中に留まる君たちへ。

「出会ってくれて、ありがとう」と。

2/10/2026, 9:48:06 AM

クラスメイトに花束を貰ったんだ。
大きくて綺麗でとっても素敵な花
名前は黒百合っていうらしい
花言葉は恋だって
なんだか告白された気分。
ちょっと恥ずかしいな

好きだった人に花束をあげた
僕の心みたいに黒い花
名前は黒百合らしい
花言葉は呪い
僕が先に好きだったのに。
裏切られた
なんで?

黒百合
「恋」「愛」
「呪い」「復讐」

2/10/2026, 9:40:55 AM

花束

今日は特別な日でもなんでもないけれど
どこかで誰かが生まれていて
どこかで誰かが誕生日で
どこかで誰かが結婚して
たったそれだけの事だけど
それだけで、私は十分
花束のような幸せを貰えるのだから

2/10/2026, 9:35:20 AM

タイミングが掴めず
渡しそびれた花を集める
包装紙を買ってこようか
いっそ占ってしまおうか

好き、嫌いでちぎれるほど単純なものでもない
恋は儚く 愛は脆い
束にするなら色やバランス
受け取られかたもかんがえて

けれども野原の花々に
咲く 以上の祈りがあろうか


花を贈ります
一輪 選んだ花束を

どれほど不格好な表現も、言葉以上の意味は無いこと

白日にさらされた棘や毒は
身を守ってきた証しということ

やっとのことで差し出した
その手が下を向くのなら
淡い花びらが散るまえに
いっそ飲みこんでしまおうか

【花束】

2/10/2026, 9:35:05 AM

スーパーの花売り場を通ると、何となく気分が華やぐ。色々な季節の花が種類ごとに小さくまとめられて売られている。うっすらと花の香りが漂う。その中から一種類、選んで買うこともある。

 時々花束も売っている。色々な種類の花が一つにまとめてあると、一層華やかだ。その日は、小さめの花束がいくつか作ってあった。チューリップを中心に小花があしらわれている。春らしくて思わず目を奪われた。

 ふと、買おうかと思った。誕生日でも記念日でもないけれど、自分に花束を贈ろう。その小さな花束をそっと取り出した。いつもの買い物かごが、一気に華やかになった。


「花束」

2/10/2026, 9:22:13 AM

『花束』

いつもありがとうございます。
本日もスペースのみです

2/10/2026, 9:21:22 AM

【花束】

君を思って選んだよ。
君の好きな色もそうだし、花言葉もだし。
悩む時、ちょっと泣きそうになったなぁ。
ほんとうに君が大切なんだよ。

2/10/2026, 9:18:06 AM

「花束」

それは、誰かを想って贈られるもの。
綺麗な花も、大きな花も、小さな花も。
素敵な意匠を凝らして、まとめられていく。
時に美しく、時に華やかに、時に溢れる想いを形創る。

想いの形は、きっと様々で、その先の想いも色々なのだと想う。
ときめきも、愛おしさも、感謝も。
色々な想いを載せて、まとめられた花束。

花束を渡される人に、想いが届きますように。





以下、要らん恨み節な蛇足。
『邪魔になりそうだったので、持ってこようか迷ったんだけど、辞めて置きました!』
って、言われて、無いわぁ~。
って、なったの、良い思い出(笑)。
懐かしいな。
それ、『安上がりでラッキー!』って言ったのと、同意ぞ?って言うヤツよね(笑)。
「へぇ、そうなんだ。私は欲しかったけどね。」だけで済ませたワイ、偉かったわ。

はい、解散!

2/10/2026, 9:13:30 AM

皆は


『花束』


と聞いて何を思い浮かべるだろうか


結婚式、プロポーズ、記念日……


とまぁ色々あるだろう

俺にも『花束』には色々と思い出がある


母の日に父親と選んで渡した花束

卒業式に後輩から貰った花束


そして、


好きな人から貰った花束


これが、『花束』の思い出だ


……好きな人に貰ったのは本当に数本しか入ってない花束だった

でも、その子は


「花束にしてはしょぼいかもしれないけど、沢山の想いが詰まってるんだよ」


とピンクのチューリップと紫のライラック、アネモネが数本ずつ入っている花束をくれた


貰った瞬間は花に意味がある事なんて知らなかったから

純粋にその子から貰えたと言う喜びしかなかった


それでも、やはり言葉の意味は気になるもので

家に帰ってすぐ自分のスマホで調べてみた

すると、


ピンクのチューリップ
  「愛の芽生え」

紫のライラック
  「初恋」「恋の芽生え」

アネモネ
  「儚い恋」「期待」


と言う意味が込められている事が分かった

その瞬間、嬉しさと同時に後悔も込み上げてきた

________自分だって好きだったのに…



でも、ある意味この様な形で想いを知る事が出来て良かったのかもしれない

自分の中で後悔はしていても、在学中は告白しようなんて思わなかったのだから


……とにかく、『花束』には沢山の思い出が詰まっている

是非、皆の思い出も教えて欲しい




________『花束』は、1つの短編集なのだから



お題『花束』

2/10/2026, 9:13:19 AM

『仲直りに必要なもの』



「…ん、これ」

差し出されたのは色とりどりの花束。どこぞのアニメ映画の男の子みたいに、ぶっきらぼうにそれを差し出した彼は相変わらず私と目を合わせない。

「…なに、これ?仲直りのつもり?」

そう問うとモニョモニョと口を動かす彼。はぁと大きくため息をつくと、びくりと身体を震わせた。

「……」

「……」

「…もう、しょーがないなぁ」

彼から花束を受け取る。おそるおそるといった感じに顔を上げた彼の顔が輝いた。

「じゃあ!」

「プリンも買ってきたら許してあげる」

はぁ!?と声を上げた彼に、カラカラと笑った。なんだかんだいって、彼は私に甘いので買ってきてくれるのだ。
玄関に向かう彼の背中に言葉を投げる。


「プリン、2つ買ってきてね!仲直りなんだから、一緒に食べるんだよ!」





【花束】

2/10/2026, 9:13:13 AM

あの結婚式の花束は春めいていた
あの交差点の花束は新しくなっていた


            #2 <花束>

2/10/2026, 9:09:48 AM

『花束』

花が、好きだ。
どんなプレゼントよりも。
触れてみて、花びらの僅かにザラザラした、じとりとした感覚を指の腹で味わう。
顔に近づけて匂いを嗅ぐ。
花束を抱きしめて、花弁に唇を寄せる。
「ふふ、綺麗。」
目の見えない私にとって、何よりも嬉しいプレゼント。
脳裏には、もうはるか昔になってしまった赤や青や紫の色が弾けるのだ。

目が見えないことが憐憫の対象であると知ったのは、私が実際に失明してからだった。
今まで見えていた世界が少しずつボヤけ、視野が狭まり、今はもう光が有るか無いかしか分からなくなってしまった。
そんなことになった私を、家族や友人は「大丈夫だよ」とか「可哀想」とか言って励ましてくれたが、私にはよく分からなかった。
確かに、色も、人の形も、空に広がる星空も、私には一生見えなくなってしまった。
でも積み木の円い手触り、人々の温かい声色、風の爽やかな匂いまでも失ったわけではない。
むしろ私には、目が見えなくなってからの方が感覚がクリアになって、世界をより鋭く感じられるようになって楽しかった。
今まで気づかなかったことに気づいて、この体のいい所と悪い所を見つけて、それでも楽しくて。
雨が傘に当たる時の音を楽しんだのは、小学生以来だった。

そうして私は、世界を沢山再発見したけれど、やっぱり1番好きなのは花束なのだった。
香りと手触りと質量を同時に感じられる贅沢。
食べ物は食べたらすぐに無くなってしまうし、アクセサリーは匂いがしない。それに冷たいだけ。
その点、花は食べ物よりもう少し長持ちして、かつ枯れる前に押し花にすることも出来たりして、私を何度でも楽しませてくれる。
ラナンキュラス、クレマチス、マリーゴールド、ダリアにアネモネ。
どんな花にも、色や匂いの他にもっと沢山の違いがあることに貴方は気づいているかしら。

見ることだけがこの世界の楽しみ方ではないのだと、花束を通して知って欲しいのです。

2/10/2026, 8:49:59 AM

- 花束 -

花瓶に生けた花は全て散ってしまったけれど
その花びらが風に乗って、あなたの元へ行くのが見えたよ
やっぱりあなたの方が花に囲まれるのにふさわしい人だと思ったよ

2/10/2026, 8:48:57 AM

花束

「赤いバラを9本。花束にしてください」
今日は愛するキミの誕生日。この後、キミが行きたいと言っていたお店に行くため、待ち合わせ場所に車で向かうのだけれど、その前に、プレゼントの花を買っていた。
「喜んでくれるかな」
バラの数を9本にしたのは、もちろん意味がある。
「バラに込めた想い、気付いてくれるといいな」
9本のバラの意味は、いつまでも一緒にいたい。今日はその想いを込めた。
「記念日、クリスマス、ホワイトデー、プロポーズ。上手くいくようにしないと」
結婚したいと思っているキミにプロポーズする。そのプロポーズするときを含め、赤いバラを合計108本プレゼントしたい。そう思っている。
「次は何本にして、どんな想いを込めようかな…っと」
キミのことを考えすぎて時間に遅れないように、待ち合わせ場所へ向かうのだった。

2/10/2026, 8:46:25 AM

𖧷花束𖧷

やはりSuperflyかな!

ん〜、玉置浩二 or 中島美嘉ちゃんも!

良い歌が多いですな、花束song♫

2/10/2026, 8:43:27 AM

『花束』

その花屋の店主は、客の顔を見ない。代わりに客の胸の音を聴く。

​「なるほど。少し寂しさが混じっていますね」

​店主は慣れた手つきで、見たこともない形の青い花を束ね始めた。
この店で売っているのは、本当の植物ではない。誰かの感情を花の形にしたものなのだ。

​手渡された花束は、触れると微かに体温のような温かみがあった。
​病室で眠る父の傍らに、そっとその花を置く。

するとどうだろう。
花びらが一枚、また一枚と透き通るように消え始めた。
それと同時に、父の頬にほんのりと赤みが差してゆく。

​「……来ていたのか」

​父がうっすらと目を開け、私の手を握った。
花束はもう、跡形もない。

​あの店主は言っていた。
「形がなくなる時、一番大切なものが残りますよ」

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