『花束』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お題:花束
突き抜けそうなほど青い空の下で、こちらに向かってカナタが花束を差し出す。私はなにも言えなかった。言ったところで今のカナタにはなにも聞こえないだろう。
額に汗が浮かび上がるほどの暑さの中、カナタはきっちりワイシャツを着ている。私相手ならもっとラフな恰好でいいのに。それでも彼なりに考え抜いた服装だと思うと、いろんな感情が混ざりあって口元が緩む。そのままカナタはあるべき場所へと花束を置いた。私はそれを見下ろす。鮮やかな原色と白色の花がいくつも束ねられている。
花束をもらったのはこれが初めてだ。
今までカナタからプレゼントをもらったことはある。ただ、ここまで綺麗だと感じることはなかった。花なんて飾るだけで実用性はないと思ってたけど、案外悪くない。
嬉しさのあまりこのまま空の高いところまで飛べそうな気がしてくる。私とは対照的にカナタは顔をうつ向かせていた。下から覗き込んでやると、眉根をぎゅっと寄せてなにかを耐えるような表情をしている。
そんな顔しないでよと思ったけど、私がカナタと同じ状況だったらきっと似たような面持ちしかできないだろう。
軽く飛んでカナタの前にある灰色の石に腰かける。足をぷらぷら揺らすと、透けた足越しにカナタの頭が見えた。
「死ぬ前に好きって言っとけばよかったなあ」
口にするけど私の声はもうカナタに届かない。
蝉の鳴き声に紛れてカナタが声を押し殺してるのがわかる。
うつ向いたカナタの頬からいくつも雫が垂れて、足元に濃い染みを作った。
よく父が母に花束を贈っていたなぁ...
記念日と誕生日に
母の方が父に甘えているから告ったのは、母からだって思ってたけど、実は真逆で
父から猛烈に口説かれて付き合い出したらしい……
こっそり母から聞いたときは驚いた
私も母の様に結婚した後も花束を貰えるような人でありたい
#花束
花束
「星野さん、退職するんだって!しかも寿退社!」
僕はその一報を聞いた瞬間、頭が真っ白になった。
彼女と僕は同じ会社の同期だ。
星野さんの優しい笑顔に、気がつけば心が奪われていた。
彼女の心を射止めようと色々と努力したが、彼氏の存在に愕然とした。
二人の破局を待っていた矢先の出来事だ。
残念だが、これはもう運命を受け入れるしかない。
僕は星野さんの出社最後の日、その帰り道を密かに待っていた。
「星野さん、お疲れ様」
僕は挨拶した。
「あら、風雪君じゃない!お疲れ様。今日で退職するの」
星野さんは笑顔で言った。
「結婚するんだってね。聞いたよ。おめでとう!いつまでもお幸せに…。これプレゼント!」
僕は隠していた花束を差し出した。
「わぁ!ありがとう!うん、幸せになるわ!」
星野さんは笑顔で受け取った。
僕は結婚式には呼ばれてない。
だから、これでお別れ。
星野さんの彼氏の顔も名前も知る事はない。
今日でひと区切りがついた。
お互いに明日から新しい道を踏み出す。
【花束】
オレは未熟な花を抱くのが好き。
何も知らず、夢と希望に満ちていて
これから咲こうしている花を狙う。
最初は優しく褒めて愛しそうに撫でる。
花弁にそっと触れてすこしづつ傷をつける。
そして終いにはちぎって無理やり咲かせて
早く枯れさせて捨てる。
捨てたあの花を横目に
「あの子 可愛くていい子だったのに」なんて
他人事のように 言葉をこぼして褒めてみる。
…さて、次の花は だぁれ?
大丈夫。今度こそはもっと優しくするよ。
「花束」
花束 あなたはどんな時に貰うの?
それは嬉しい花?もしくは悲しい花?
花は咲いて枯れて土に還り生涯を終えるね
そうだね。人間と同じだね。
そうかな?僕にも君にも全盛期って言葉はあるのかな?
前世に置いてきてたりはしないかな?
あいつは多分この先もきっと咲き誇るだろう
負け犬根性燃やして今を綴ろう
たまに思ういや毎日 嫌な毎日
こんなことやってたって変わりはしないよと
今までの足跡を消してみたり軽視してみたり
だってさ俺の頑張りは成功に値しないんだろ?
「努力は絶対に報われるから」
「成功まで努力するんだ」「報われない努力は努力じゃない」
よとよく言われるが黙れ!結果論俺の言葉以外は偽物
言葉は一丁前それで見たものプライドはクソださめ
心の雨あがれ、止まない雨はないんだろ?信じた俺とあいつでどうして結果が違うの?
俺はそこらのTikTokerやYouTuberとは違うさ
命削ってやってきてんだ。カメラの前で流す涙など俺は乾き切って流れないよ。
「才能はないが俺には音楽があるから」いや違うな。俺に書けるものなどない。このネガティブは味がしない
きっと誰も見て聞いてくれない。
ああああああああああああああ
明日がきっと幸せになれるようにと願って
ああああああああああああああ
日々の葛藤クソ野郎俺は馬鹿だよ。がむしゃらにやるしかないんだよ!
ああああああああああああああ
この声と手そして俺が壊れるまで
孤独と旅をしてみよう。
そして俺が死んだ時には言葉を添えてやった分、愛と悲しみの花を添えてくれよ。
2026/02/10-しがん-
「お兄さん、最近よく来てくれますね。」
目の前で色とりどりの花を丁寧に包む店員の彼が、不意に言った。
柔らかく繊細な花を、これまた柔らかい紙で包んで、上から透けるような不織布を巻いて、最後にリボンを巻く。ここ最近、ほとんど毎日目にする光景になった。
包んでもらう花束はいつも同じもので、赤いアネモネに同じ色のチューリップ、差し色にブルースター。ふわりと香る花の匂いと同じ匂いが、目の前の彼から漂ってくる。
「最近、好きな人ができまして……」
照れからついはにかんで言うと、彼は一瞬目をぱちりと瞬かせてから、花の綻ぶような笑顔を浮かべた。
「あ、やっぱりですか?うっすら思ってたんです!貴方が買っていく花、いつも愛を伝える花言葉のものばかりですから!」
やはり、彼は花屋の店員らしく花言葉も知っていたらしい。俺の選ぶ花はいつも、どれを取っても恋人に贈るようなものばかりなのだ。
「でもお兄さん、バラは買っていきませんよね。中々いませんよ?」
「バラは……特別な日までとっておくことにしたんです。」
彼はまたくすくすと笑って、赤色のリボンをきゅっと結んだ。
「ふふっ……案外ロマンチストなんですね。」
高身長でそれなりに鍛えている俺は、傍から見ればロマンチックなものとは縁遠い存在のように思えるだろう。しかし、姉がいる影響なのか、俺は見た目に反してロマンチストの節があった。
「ええ、お恥ずかしながら……店員さんは、ロマンチストなのはお嫌いで?」
「まさか。僕も好きですよ、そういうの。やっぱり憧れるじゃないですか。」
なんて彼が頬を赤らめてまた笑ったものだから、俺はもう我慢できなかった。花言葉にどれだけ詳しくても、どれだけ俺がここに通っても、鈍い彼は気付いてくれないらしい。それならば、直球で、真っすぐ伝えるしかないだろう。
「……はい、できました。」
花束を手渡されたのを、そのまま彼の手に戻す。そして彼の手を取って、俺は今日、花束を本来の目的で、好きな人に好意を伝えるために使った。
その日からもう、俺の家で花束が萎れていくことも、捨てられないリボンが増えていくことも、もう無かった。
テーマ:花束
「花束を誰に渡す」
花束💐を誰に渡す❓‥‥そんなの誰だっていい‼︎
その時によって、大切なのはその時のそれぞれだから!
そんなの分からない!
何に対しても一生懸命に取り組んでいる人!に渡せばいい。
前向きに、どんな事にでも精一杯に取り組んでいる人!
であれば、間違う事はない!はずである!
花束
1輪の花だと主役なのに
花束になると脇役になっちゃうかもしれないの悲しい
"花束"
包装のリボンを指に巻きつけて
垂れた先にない甘やかな夢
『花束』
自分の気持ちを形にした。
全然気づいてなかったけど、明るめの色が多いかった。
これまで恋は綺麗だなんて思ったことがないけど、
目に見える形になったこれは綺麗なのかもしれないと、
そう思った。
同じ誕生日 同じ星座の偶然が
嬉しい 誕生日花の花束を
頭なか描いた
それだけで 温かく優しい気持ちに
なれる
疲れてるときや 耐えきれない出来事
は誰もにあるから そんな時に気持ちが癒されるような
花束を 送れたらと
ふわり感じたのは
沢山貴方が 私を 癒しているからかな
〚好き💙〛
好きなんて、私の人生では言ったり、声にすることも禁じられた。
そういう風に育ってきたのかも。
歌枠でのサビでのコール&レスポンスで、
〚大好き〛や、〚愛している。〛や言えるなんて。私には、
夢のよつな……。
愛しているも、大好きも!!
何んの躊躇いもなく言えるんだ。
普通なら、大好きなんていう言葉をいうのは、
私なら、身体中の勇気を振り絞り、〚大好き!!〛と、いうんだろうな。
元気いっぱいに、〚愛している。〛も、大好き!!〛も、言える歌の力ってすごい!!楽しいなぁ〰️。
好き💙も愛している💝も、言っても何んのも罪にもならないし、
明日のことなんにも気にしなくてイイの。
好きや愛している💝なんて言って、もし、明日から、気まずくなったら
どうしょう??なんて、考えてしまうよね??
新しい推しに、歌枠で〚大好き💝〛と、言ってたんだよ、私。
でも、すごくまじめな方だから、すぐに〚気にしないで下さい!!(。>﹏<。)〛と、撤回したよ。(^_^;)
だから、〚好き〛や〚愛している〛なんて言えない。
でも、好きや愛している。をバグのように言った。
心の中で、何処かいいのかな??躊躇いはあった。
先週、推しの先輩がロストワンの慟哭を歌われた、
何処か、もうどうでもいいと思った。私自身壊れたっていいと思った。
締めつけらる胸の中先輩の歌は、すごくカッコイイー💝
と、私は、そう思ったのかな??
私の内なる声なのかな??決めつけられた、枠でしか生きられない私。
ピアノ配信ではみんなは、ロストワンの慟哭のでの弾幕は、⚔️だったなぁ〰️。前後の太鼓の演奏がヤバいぐらいカッコイイー!!
新しい推しがもし、この文章を眼にすることがあると、多分、〚あんずさん大丈夫??〛と心配されるだろう。
蒼さんだって、私が蒼さんカッコイイー💝と、いうとあんずさんは、そんな対象じゃないとあしらわれた。私からの💝やカッコイイは、却下されたんだよ。他の方の好きやカッコイイーや💝は、蒼さんは、ありがとう☺と、受けとられた。……ずっと、抱いていた疑問符。
今は、歌の中のサビで、〚好き〛や〚愛している〛をいっぱい言える。
幸せ💝
優しい蒼さんの歌の時に抱いた、もう一人のボクとしての疑問。ソレは、
慟哭としての強い雨になった。
そのロストワンの慟哭を演奏されたビアノ演奏者さんの
左手は、ものすごいね〰️と、リスナーさんは、チャット欄で言っていた。
✨️✨️✨️✨️✨️💫
終わり⛄️
p.s.さっき、動画で車イスの方と息子さんかな??2月なのに咲いている、河津桜の前で写真を撮ってもらわれていた。🌸✨️🌸✨️🌸✨️
そんな、ワンシーンです(*˘︶˘*).。.:*
やっぱり、ムリはしないけれども⋯私の大好き💝と上手に向きあえますように🌸✨️🌸✨️🌸✨️
世界中が雨の日も
君の笑顔が僕の太陽だったよ
今は伝わらなくても
真実には変わりないさ
抱きしめてよ たった一度
さよならの前に
花束を君に_______
花束
おじさんまだ〜?
のんびりしてると陽が落ちるよ
海沿いの山道は行けども行けども石造りの質素な民家と果樹ばかりでお目当ての花は見えない
ラベンダーの島だって聞いたからわざわざここまで来たのに
イルミネーションなんて無さそうだし
日暮れたら車チャーターした意味ないよ
片側に広がるアドリア海に沈む夕陽もきれいなんだろうけど…そんな事思いながらも気が逸る
かなり登ってようやく丘らしい場所にさしかかった
さえぎるものがないため強烈な夕陽があたり一面をオレンジ色に染め抜いている
車内にも容赦なく射し込んで来て思わず目を細めてしまったその先に紫と茶色のグラデーションの一帯が見えた
ラベンダー?ここでいい!降ろして
程なくトラックが止まった
どうやらここがおじさんの畑らしかった
観光客用ではないのが一見してわかる
近づくとラベンダーの円い塊が痩せた畑を秩序なく埋め尽くして海風にあおられ強烈な香りを放っていた
ワイルドだな〜これもラベンダー?
富良野のイメージとは大違い
橙色のフィルターがかかった畑を大急ぎで駆け巡り夕陽と追いかけっこして記念写真
いつの間にか西陽は水平線に沈み残照に変わっていた
帰らなくっちゃ
トラックを探すとおじさんがラベンダー片手にこっちこっちと手招きしていた
助手席にとんと腰掛けた瞬間にどさっとした重みがのしかかった
おじさんが私の膝に無造作に置いたラベンダー
ピンとして膝からはみ出している刈りたての花は新鮮な力強い香りを放っていた
この島に根付いてきた野生のみずみずしさこれぞハーブって感じでパワーがみなぎっていた
一期一会の人からのワイルドな花束を縦に抱きしめておじさんに別れを告げた
満足感で一杯のありがとうと一緒に
電車に花束を抱えた人が乗ってくる。記念日だったのかな?卒業したのかな?最後の出勤日だったのかな?
その人の人生の節目を垣間見れた気がして、少し優しい気持ちになる。花束をそっと守りながら電車を降りていくあなたの未来に、いいことがありますように。
花束なんて、高校だか中学だか、ともかく●●年前の卒業式以来貰った記憶が無い物書きです。
買ったこともない心地。ただ●●年前と現代とでは、花の単価もだいぶ上がったとか。
なんてハナシは置いといて、今回のお題、花束のおはなしのはじまり、はじまり。
「ここ」ではないどこか、別の世界に、世界線管理局なる厨二ふぁんたじー組織がありまして、
そこの地球規模にデカい難民シェルターの、寒帯エリアの雪原では、
人工的に調整された寒気と冷気によってもたらされた予定通りの積雪を利用して、
故郷の世界をなくした難民たちの主導で、雪まつりが絶賛開催中。
子供たちはもちろん、大人たちも、
スキーにボードに雪だるま、整備されたリンクではスケートなんかも、
皆みんな、楽しんでおりました。
で、「花束」のお題の回収です。
なだらかで安全な雪の坂道では、子供たちのソリレース、決勝戦がちょうど終了。
表彰式が為されておりまして、
みごと、栄誉の優勝のメダルとともに大きな花束を受け取っておったのが、
まさかの、大人の男性の管理局員でありました。
「ゆーしょー!わりゅーじんさま!」
「おめでとーわりゅーじんさま!」
わーわー!子供たちはパチパチ!
明るい笑顔で拍手を贈りますが、
拍手と花束とメダルを貰った管理局員はというと
完全に虚無、完全にチベットスナギツネ、
目のハイライトが多分迷子です。
「……」
なぜだ。 わりゅーじんさまと呼ばれた局員は、ポツリ言いました。
というのも全部の発端は数時間前でして。
…——『子供用のソリレース??』
数時間前、だいたい早朝の頃合いでした。
わりゅーじんさまと呼ばれた管理局員、実は本性が人間ではなく、ドラゴンでして、
難民シェルターの子供たちに、「悪い龍神様」、わりゅーじんさまとして、親しまれておりました。
なお別に龍神でも神様でも何でもなく、
管理局員としての名前、ビジネスネームを「ルリビタキ」といいますが、
まぁまぁ、その辺の細かいことは気にしない。
『わりゅーじんさまも、いっしょにやろうよ!』
子供たちは、わりゅーじんさまが大好き!
早朝に寝ているところを叩き起こして、
クレヨンでグリグリした手作り招待状を差し出し、
複数人の子供は既に、わりゅーじんさまの尻尾を引っ張って、連れて行こうとしています。
『いこう!いこう!ソリレース!』
わりゅーじんさまルリビタキは困りました。
そりゃそうです。自分と彼らのサイズは違います。
そもそもドラゴン用の大きいソリなんて、聞いたことがありません!
『用意したのか?作ったのか?』
わりゅーじんさまが聞きますと、
『ない!』
子供たちは当然のように、元気に答えました。
行こうよ!行こうよ!
子供たちは尻尾をぐいぐい!わりゅーじんさまを何がなんでも、連れて行こうとします。
『……』
ぐるるる、ドラゴンの頭をガンガンに働かせ、わりゅーじんさまルリビタキ、考えました。
子供たちの招待を断るのは、かわいそうです。
ですが、ドラゴンの自分が子供たちのソリレースに参加するのは、安全面から危険です。
ぐるるるる、ぐるるるる。
数秒考えて、わりゅーじんさまが出した妥協案は、
すなわち、「人間に変身すれば比較的安全」、
というものでした。
取り敢えず「自分の友人」という設定にしよう。
『俺は、これから仕事がある。
俺の代わりに、俺の友人、人間の男を連れてくるから、そいつをレースに出すと良い』
子供たちから十分に離れて、隠れて人間に変身して、子供たちの前に戻ってきた「わりゅーじんさまの友人」、ルリビタキは、
自己紹介しようとして数秒で、自分が「わりゅーじんさま」本人もとい本竜だとバレました。
「あのとき正直に断れば良かった……」
…——で、
なんやかんやありまして、
子供用のソリにカラダを押し込んで、ソリレースに出たわりゅーじんさまは、
結局優勝しまして花束贈呈。拍手喝采。
子供たちは嬉しそうでしたが、
花束を貰った本人は、どうにもこうにも、
虚無顔が数分、十数分、数十分かもしれません、
ともかく抜けませんでしたとさ。
ひとつ、愛の花。
ふたつ、藍の花。
みっつ、哀の花。
よっつ、Iの花。
たくさんの花を花束にして、君に贈ろう。
僕の全ての感情を君に。
ねぇ、愛してるよ。
2/9『花束』
「ところで」
「ところで?」
「そんな季節?」
「はなつか」
「じゃなくてはなたば」
「卒業あんど異動シーズン?」
「そうだね。あと豊かさの意味がある気がするね」
「豊かじゃないと成立しない?」
お題『花束』
「はい、これ。」
と、その子が差し出したのは、小さな花をいくつか輪ゴムでくくったものだった。
「おたんじょうび、なんでしょ。ばあばからきいたの。」
にっこり笑ったその子はバイバイ!と手を振って行ってしまった。
どこかで見たことのある、人懐っこい笑顔だった。
ボクは、あっけにとられ、しばらくその可愛らしい花束を見つめていた。
うーん。
今日誕生日だということ、誰かに話したっけ?…と、頭をめぐらしていたら、馴染みのお弁当屋さんでのさっき会話を思い出した。
いつもカレー弁当のボクが、珍しくカツカレーにしたもんだから、仲良しのお店のおばちゃんに、
「なんかいいことあったの?」
って聞かれてさ、
ボクが、
「誕生日だから奮発しました!」
って言ったら、
おばちゃん、にっこりして、
「そりゃあ、おめでたいねー!」
って、コロッケを2個もオマケしてくれたんだよ。
ああ、あのおばちゃんの孫かあ。
笑った顔、ソックリだったなあ。
嬉しいなあ。
なんていい日だ。
あの子にお礼、いいそびれちゃったな。
「ありがとう。」
と、お弁当屋さんがある方に向かってボクは呟いた。
さ、まだお弁当あったかいな。
うちに戻って食べよう。
あの人にはスノードロップの
愛らしい花束を。
あの人にはピンクの薔薇の花束。
目を引くような鮮やかさ。
あの人にはマーガレットの
爽やかな花束を。
花屋の私はその意図に
気付かないふりをして、
今日も花束を包みます。
スノードロップ
〈全体〉
希望
慰め
逆境の中の希望
恋の最初のまなざし
初恋のため息
楽しい予告
友情
〈贈り物〉
あなたの死を望みます
薔薇
〈ピンク〉
上品
愛を持つ
しとやか
美しい少女
気品
温かい心
満足
一時の感銘
愛を持つ
輝かしい
感銘
感謝
恋の誓い
かわいい人
愛
わが心君のみが知る
愛を誓います
マーガレット
恋占い
恋を占う
恋の行方
真実
真実の愛
真実の友情
信頼
秘密の恋
貞節
誠実
誠実な心
心に秘めた愛
予言
慈悲
(チルノ工房さんより引用)