『花束』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ピンポーン
玄関のインターホンが鳴った。
誰だろうと思いながら、女性はモニター越しに様子を伺うと、外には帽子を被った超絶イケメンの若い男性が立っていた。
「宅配でーす」
「あ、はーい。すぐ行きます」
慌てて玄関の扉を開けると、さっきの男が両手に一杯の花束を抱えいた。
男は女性を見つめると、美しく微笑んだ。
「この花束を、美しく愛しい貴方に差し上げたいのです」
「えっ、これを?私に」
突然の出来事に困惑する女性。
「どうか、受け取ってくれませんか」
男は頭を下げ、女性に花束を差し出した。
名前も知らない男性に、ドラマでも見たことの無いような展開。
上目遣いにこちらを見つめる男性と視線が重った。
「はい、受け取ります」
女性は胸のときめきの赴くままに、男性から花束を受け取ると、にっこりと微笑んでみせる。
「ありがとうございます」
男性もにっこりと微笑むと、右ポケットから1枚の紙を取り出した。
「では受領にサインをお願いします。代引きで5,500円です」
花束が届いた。
差出人は未来の自分だった。
随分と柄にもない事を。
ひとしきり笑って、そのあと花瓶に生けた。
数日経ってドライフラワーを作り、壁に飾った。
きっと何年後かにこの花を見て、
あの日の自分に花束を贈るのだろう。
そしたら、笑ってやってくれ。
テーマ『花束』
〝花束〟
控室で、出番の終わったあなたに、花束を渡した。
私を慕ってくれていたあなたは、
今や雲の上の大スター。
花束なんていいよって笑っているけど、
無知なあなたは知らないでしょう。
その花の意味を。
花束なんてものは私に似合わない。
私自身が花だから。
花束がいくら綺麗でも
私に敵わない。
お題 : 花束 #42
愛する君に、腕いっぱいの花束を。
ありふれたものだっていい。
ただ、一つ一つ摘んだ花のような日々を、大切にしててほしいんだ。
それが僕から君へのキモチ。
花束/スマイル
春の訪れを思わせるような
花束を贈られるのは嬉しいけれど、
それよりも
あなたの笑顔がなにより嬉しい。
#169
花束を1つお願いします、
承りました。ピンク系似しましょうか?赤系、白系などご希望はありますか???
特にないです。
お姉さんのおすすめで。
承知しました。少々お待ちください。
~5分後~
完成しました。
お代はえーっと、
380円です。
ちょうどお預かりしました。
あの、
はい?
これを、あなたに。
いつも通勤しながらあなたの事見てました。
僕と結婚を前提にお付き合いしてください。
え、、、
ありがとうございます😊
#花束
「ハツカネズミの墓に花束、本来の大きさよりバチクソデカいけどオオアマナの花束、ショットガンを隠したバラの花束に、ブーケっつーより花籠のカタチで贈られてるようにしか見えない某フォルムチェンジアイテムの花束。結構いろんな場面で使われてるのな」
ぶっちゃけ第一印象、「結婚してください」のバラの花束くらいしか思い浮かばなかったわ。
某所在住物書きは「花束」に映画やらゲームやら、他の単語を付け加えて、愛の告白以外の花束使用例を探した。某名探偵の映画は、花束ではなく花嫁らしい。
「哀悼、隠蔽、物語のキーアイテムに、それから?」
他には何があるだろう。物書きはスマホを見続けた。
――――――
2月も残り約3分の2。今日は3連休の最初の日。
本当は、昔々一緒に二次創作で盛り上がってた友達と一緒に、ちっちゃいオンリーイベントに行って聖地巡礼の旅に出て、原作者様の生家がある県まで行こう、ってハナシだったんだけど、
なんか、友達が勤めてる職場でバチクソ面倒なことが急きょ発生したらしくて、延期になっちゃった。
東京から聖地までのキャンセル料とか、連絡とかは、全部友達側がするってすごく謝られたけど、
しゃーないのは、しゃーない。
また今度一緒に行こうって、リアルで泣いちゃってるらしい友達をグルチャでなだめて、
要するに、今日の私は、フリーになった。
何しよう。どこに行こう。
ぶっちゃけ東京は暇つぶしに事欠かない場所だけど、
なにせ、物価が高いし、だいたいお金がかかる。
「100均あたりでウィンドウショッピングでもすれば良い」? だって買いたくなるじゃん(真理)
別のグルチャで確認したら、職場の長い付き合いな先輩が同じくフリーらしくって、
予算5:5想定で、お金と食材少し準備して、
つまり100円の残高と半額大容量サラダだけ持って、先輩のアパートへシェアランチに行った。
今日はポトフの予定。300円でお腹いっぱいポトフとスイーツとお茶楽しめるとかすごい。
結局ここが、イチバン安いし、イチバン気を使わないし、居心地が良いのだ。
ハイグレードな防音防振だからほとんど無音だし。
先輩もあんまり干渉してこないし。
なによりごはんが低糖質。おいしい。
「せんぱーい。おはよー」
もうすぐ朝11時だから、全然朝じゃないけど、
アパートのドアを開けて、リビングに目を向けると、
先輩は、なにやら少し小さめの花束を手に持ってて、
じっと見て、バラみたいな花をひとつプッチリ取って、シーリングライトの照明に当てて、
それの、花びらを、2枚かじって食べた。
先輩いわく、先輩の故郷の雪国は、「エディブルフラワー」なんて言葉が出てくるずっとずっと前から、
花を、食べてきたらしい。
「先輩!それ!?」
「行きつけの茶葉屋から貰った」
「ゼッタイ食用で先輩に渡したんじゃないよ!飾ってほしいんだよ!バンパイアしちゃダメだよ先輩!」
「キャンディーブーケだぞ。食うだろう」
「きゃんでぃー、ぶーけ……」
ほら、お前にも。 近づいて、先輩の手の中のブーケを見る私に、ひとつ青いバラをプッチリ。
貰った青はすごく精巧な飴細工で、透き通ってて、宝石みたいに光ってる。
「キャンディーだ」
ポツリ言って、私も、花びらを2枚かじった。
パキッ、パキリ、ぱりぱり。
「サイダー味だ。おいしい」
とうとう先輩がバンパイアになった。そんな早とちりが、実は飴細工の花束でしたのオチ。
「茶葉屋の近所の和菓子屋が、バレンタインの企画として作った試作だとさ」
私に花束を渡して、先輩が種明かししてくれた。
「お前がこの前、『ここの宝石飴がバチクソ綺麗』と言っていた、あそこだ。今日中に試食を食って、3個の良いところと6個の改善点を見つれば、500円分の割引券をプレゼント、らしいぞ」
せっかくだから、見つけてみろよ。
先輩はそう言って、私から半額大容量サラダを受け取って、キッチンへ。
「3個6個、500円……」
先輩がシェアランチのポトフを作ってくれてる間、私は500円の割引券が欲しくて、
パキリ、パキリ。花束をかじったり、光に当てたり、香りをかいだり、メモを打ったりしまくった。
母は花が好きな人だ。だから、棺桶に祭壇の花を折って入れて燃やすなんてかわいそう、お花は全部持って帰って家に飾ってくれた方が嬉しいと常々言ってた。「夫も言ってました。」母が葬儀場のスタッフに話している。「そんな風に言われる方は初めてです。」と葬儀場のスタッフも困惑している。結局、小さな花束と一人1~2本ずつ、花を折らずに供えることになった。
通夜の夜、出来上がった祭壇を見ながら、母は「棺桶にあの辺の花は入れないでね。持って帰って飾るから。」と言った。祭壇に飾られた遺影の中の父が笑ってる気がした。
葬儀がすみ、残った多くの花はたくさんの花束になった。父から母への最後のプレゼントだ。その花束を孫たちが持ち、祖母である母を囲んでいる。
『花束』
飾る花瓶がない。
愛情の伝え方も、受け取り方も分からない。
ダズンローズを贈ろう。
感謝。
誠実。
幸福。
信頼。
希望。
愛情。
情熱。
真実。
尊敬。
栄光。
努力。
そして永遠。
すべてをあなたに。
#花束
《花束》
家族?大切な人?それとも、、
いい感じの人とか?笑
ばぁーちゃん、じーちゃんとか?
LIKE?LOVE?
あなたは誰に花束を贈りたい?
今日もあと半日頑張りましょう!
母の日に送る花束。
私はそれで一度も喜ばれたことがない。
「花なんてただ飾って終わるだけで邪魔だから。」
そういっていつも捨てられてしまう。
#『花束』
No.39
昔好きだった男が住んでいたけれど、ついに連れてきてもらえることのなかった北千住という街を、何年か経って初めて訪れた。
当時どんな気持ちがあって彼と自分とを天秤にかけたのか覚えていないけれど、彼がいなくなったことだけは何年経ってもずっと消えずに残っている。
ふと迷い込んだ北千住の歓楽街は寂れていたけれど、呼び込みの女たちはそれぞれに鮮やかな春の服を着ていた。
きっとこの街には四季などなく、何十通りもの春が気ままな風に乗って年中を巡っているのかもしれない。
桜の春があり、藤があり、つつじ、バラ、梅、たんぽぽ、etc...
今日はどの春風に煽られて男たちは束の間のハメを外すのだろう。
落ちこぼれた歓楽街の隙間にて、春の花のように揺れる女たちの並びは、素人が無骨に手作りした花束みたいだった。
私の居場所のないこの街に少しばかり後ろめたい気持ちを残して、居場所とも言い難い暮らしの街へと帰路に着く。
お題:花束
父が母に花束を渡した。
両手で抱えるくらい大きな花束だった。
あいにく母は花の扱い方が苦手だから、その花束は少しすると枯れて茶色の草木になってしまった。
「これでいいのよ」
母は言った。
「毎年毎年、あの人が贈ってくれるんだから。」
だから、増えすぎると困るでしょ?と言う。
毎年毎年贈られる花束は、大掃除の時に懐かしみながら袋に詰められる。
少し、慢心しすぎだと思う。
でも、それが愛なんだろうか。
だって、父は母の言う通り、毎年花束を抱えて帰宅するのだから。
私は言葉を呑み込んでポテチの袋を開けた。
クシャ、とあの枯れた花束と同じ音がした。
2024 2/10(土) 17『花束』
「花束」
「ありがとう、健康で」
メッセージカードが添えられた
大きな花束が誕生日に
喜びより戸惑いで
素直にお礼が言えず
あれから7年
最初で最後の
大嫌いだった父からの花束
花束。花束っていうとホストクラブやキャバクラな印象がある。後はオープン記念くらいかな。
考えてみれば生まれてこのかた花束というものに縁がない。流石に見たことはあるはずだけど贈ったり贈られたりしたことは一度もない。
でもこれって普通だよな。普通は花束なんてそう縁がないものじゃないか。
まぁ結婚してる人なんかは結婚式とかで縁があるかもしれないけどそれくらいだろ。プレゼントに花束を、なんて人そうそういないべ。
二月ももう半ば近くまで来てしまった。引っ越しのためにいらない物を集荷で買い取ってもらいたいんだけど手続きがめんどうでやってない。
いらない物をメルカリとかで売ればそれなりに金になりそうだけどなにぶん物が多すぎてめんどくさいんだよな。
それならいっそ断捨離のつもりでまとめて中古屋に売ろうと思い準備するも手続きがめんどうで今に至る。そろそろやらないとな。
花束を君に渡そう白い菊の花束を、ついでに君の好きな缶コーヒーも一緒に。どんな顔をしてくれるだろう、笑うだろうか困るだろうかあぁ君に会えるのが楽しみで楽しみで仕方がない。
こんな山の中へ来てくれだなんて無茶なことをいう君が愛おしい、家の近くへ来てくれだなんて言う君が愛おしい。
あぁ君は体が弱いのにそんなところにいたら風邪をひいてしまうよ、缶コーヒーを持ってきたんだ、あと花束も。
酷くねじ曲がったガードレールに供える。
毎日を
リボンでくるみ
プレゼント
僕の全てを
花束にして
「花束」
『記念日に』
今日も記念日が作られる 誰もが知ってる祝日か あるいは私だけの特別な日か 聖蹟桜ヶ丘の階段に花束ひとつ 歩道橋から探すよ 白い車だけ せめて気持ちだけは海へ 砂のベッドで眠りたい