『花束』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
明日が来ないでほしい。
夜が明けないでほしい。
嫌なこと全部、
今だけは忘れさせてほしい。
俯いたら
歩き出すのに時間がかかっちゃう。
だから俯かないように
できるだけ上を見てた。
そしたらなんでかな。
無性にムカついた。
なんで私、
泣きそうになってんだって。
歯を食いしばって
ぎゅっと手を握っていたら
なんだか突き進める気がした。
怒りは原動力になる。
無茶苦茶に、
馬鹿みたいにやっていける。
おい、神とやら。
上からずっと
見てるだけで、
そこにいるだけの存在だけどね、
それでいい。
そのままでいい。
でも今日は私を目に映して。
緊張?
するに決まってる。
手なんか震えまくってる。
心臓はずっと跳ねっぱなし。
このムカついた気持ちのまま
今日を、朝を、迎えられたら。
大丈夫、見てて。
絶対どうにかなるから。
"Good Midnight!"
私が私のために
花束を抱えて
クソッタレな世界に
幸あれと。
花束
この花束は、お祝いで彩るためのもの。
あの子の花束は、友達に喜んで欲しくて道端で取って集めたもの。
あそこにある花束は、今は会えない誰かに向けて渡すもの。
"ひとつひとつ意味がある"こう考えるだけで私は、学校にある机に、前に使ってた人はどんなふうに使ってたのかな〜とか、作ってくれた人はどんな人でどんな気持ちで作ったのかな〜とか考えてしまえるほど馬鹿みたいな想像する。
そんな風に世界を見ると、つまらない日常が楽しく見えたりする。
花束
いつかの夢におばあちゃんが出てきて
ニコニコしながら色とりどりの花を手に取っていた
皆がそれは何か聞いていると
何故か私はわかっていて
私の娘に子どもが生まれるからでしょ?と言うと
祖母はニコニコしながら頷いてた
とてもあたたかな気持ちになった
あの時の赤ちゃんはもう2歳になったよ
誰にも渡せなかった花束を持って家に帰った。
水に挿すこともできず、
玄関に置いたまま灯りを消した。
朝になっても、
花はまだきれいだった。
それが、
いちばん悲しかった。
「花束」
「花束」
氷雨
濡れたスーツに
抱える花束
石碑に刻まれるは
君の名前
【書く練習】
今日の書く練習はお休みします。
「いやあ、有意義な時間だった!
やはり第三者に話を聞いてもらうというのは大事なんだな!」
ニコニコと明るく快活な笑顔を浮かべる先輩。
ここ数日先輩は暗い表情ばかりしていたから私は心の底からホッとした。
「まったくもう、心配したんですからね!
いきなり頭を打ち付けたりしてとうとうおかしくなってしまったのかと」
「君は中々辛辣だな! まあそれが君の良いところなのだが。
いやはや、悩み過ぎたら私は奇行に走るとわかったから今度からはちゃんと君や誰かに相談するさ。
そうだ、今度学食を奢るよ。
君の意見もしっかり聞きたいしな!」
「いいですけど……私、一人暮らしなんて考えたことないのでお役に立てるかどうか……」
「最初から一人暮らしの人なんていないさ。
そうだろう? 黒渕さん」
黒渕さんは「そうだね」と穏やかに笑う。
先輩のお姉さんでもある保健室の南部先生が紹介してくれた黒渕さん。先輩の大学へ進学したら一人暮らししたいという悩みにとても親身になって具体的なアドバイスをしていた。初対面の人にも優しくてしかも教え上手な人……この人はきっとモテてるはず。
……でも、なんで先輩はその悩みを真っ先に私に相談しなかったんだろう? 私じゃ頼りないと思われたのかな……
「ところで、これは貰ってもいいんだよね?」
そう言って黒渕さんは例の原稿用紙を私たちに見せた。
先輩は大きく頷いてシッシッと手を振った。
「持ってるのも見ているのも気味が悪いし、ぜひ貰ってくれ。
おそらく姉のおまじないの類いだと思うが、所詮素人の真似事だから変なことは起こらないはずだ」
「わかった。何かあったら南部先生に抗議しておくね」
そう言って黒渕さんはそっと原稿用紙をカバンに仕舞う。
その目が愛おしそうな悲しそうな感じに見えたのはなんでだろう……?
「しかし姉にも困ったものだ。中二病を発症したかと思えばおまじないにどハマりし、ありとあらゆるおまじない関連の本をかき集め、運気を上げるならこれをすればいいだとか恋愛成就ならあれをすればいいだとか……
ああ、思い出しただけでも気が滅入る……」
「そ、そんなすごかったんですか?」
「もはやおまじないに支配されている日常だったぞ。
例えば花束を買うにしても決まった順序で買わないと何かの効果がどーとかこーとか……
恩師にあげる花束ぐらい好きに買わせてほしかったんだけどな……
……あ、今言ったこと絶対誰にも言わないでくれよ。
私が話したとバレるからな」
「誰にも言いませんよ」
「南部先生にそんな過去が……大学で話したら盛り上がるかな〜」
「やめてくれよ絶対に!」
そうして三人で笑いあって今日はお開きとなった。
何かを忘れているような気もするけど、たぶん大したことないはず。
それにしても一人暮らしに大学かー……先輩ももう少ししたら受験生になるからそりゃあ悩むか。
……文芸部、どうなるんだろう。
ー花束ー
私は花束を貰ったことがない。
入学式とか卒業式とか成人式で花束を貰うのは
友達や恋人との距離が近い子や
学年の代表みたいな子とかだった。
私は花束を買ったことがない。
綺麗なものに汚いものを使うのに
戸惑うからだ。
けれど、
貯金をすることで腐らせて、
結局さらに汚くしている。
私は、高校で華道部に入りたかったと
どこかで確かに思っていたはずなのに
いざ部活希望届に書く時には
手が止まった。
日常でこの先花を生けることがあるか?
もっと人と協力しあって楽しめる部活がいいんじゃないか?
役に立つだとか人と協力するとか
苦手なくせに見栄を張ろうとする
私の道に咲く花は
ドライフラワーでもなく枯れた花でもなく
造花だ。
今も何も変わらず
ただ埃を被って
笑えてない自分を笑う。
雑草の花の方が綺麗だ。
連れてこられただけの外来種の花の方が
よっぽど綺麗だ。
こんな花ですら
みんなが綺麗と言う花に隠されてしまうらしい。
綺麗な誰かが中心に動かしているこの世界は
初めから綺麗な花束で溢れかえっている。
私は見ているだけで十分だと思うことにした。
『あの花にまだ名前はなかった』
名前の知らない淡い色した花々を見ていた ちょっとしたことで喧嘩して 早足で歩いたこともあったよね
みっともないなと思いながら 後には引けず 噴水を後にした 思い出に名前がないように あの花にもまだ名前はなかった
花束
そろそろ卒業シーズンが近づいてくる…花屋さんの店先には、アレンジだの花束とかのポップが目立っている…
薔薇や、百合等艶やかな花もいいけれど、わたしは、かすみ草が、一番気に入っている…
決して主役とは言えないけれど…控えめな存在なのに、凛としている姿が好きなんだ…
引き立て役みたいなポジションだけど、ちゃんと此処にいる…感じが、羨ましいくらいに…
心に花束があるって知ってるかい?
誰かに、嬉しいことをされたら
ありがとうって心の花束を渡す。
誰かを、愛しているのなら、
大好きって言葉の花束を渡す。
誰かと、けんかしたときには、
ごめんなさいって、仲直りの花束を渡す。
誰かが落ち込んでいたのなら、
精一杯持ってる全ての花束を渡す。
目には見えないけれど、
みんな 心にたくさん花束という愛情を持っていて、
知らないうちに、たくさんの人に渡してるんだ。
……1人じゃないよ。
君の心には、たくさんの人の花束があるもん。
そして、君はたくさんの人へ贈ってきた。
違うかい?
…ということは、さ、
君は、
人を愛し、感謝を忘れず、花束というプレゼントをたくさんしてきた素敵な人ってこと。
そして、君は感謝されて、愛されてきた人ってこと
になるわけだよ。
……わかんないよ?
案外君のあたりまえが、誰かにとっての希望になったりするのさ。
ほんとほんと。
信じてよ。
だって、僕には、視えてるもん。
あ、
花束に見えるってことは、他の人には秘密だよ。
気持ちも動かなくてただひたすらにぼーっとする毎日。
誰と話していても、なにも耳に入れたくなくて、自分の世界を静かに満喫する。
周りにはできて、私にはできないことがたくさんあって、とても外の世界が眩しく感じる。
今まで普通にできたことができなくなった時、絶望に満ちてなにもできなくなる。
そんな時に大きな花束をみるとなぜか涙が溢れてくる。
なぜだろうか?
私自身もわからない。
話すことも字を書くこともできなくなった今、ずっと思い描いていた夢が壊れてきた気がする。
もうなにも希望を持ちたくなくなった。
希望や夢を持った所でつらくなるだけだからだ。
だから最初から何も求めないようにすることにした。
花束
君に花束を渡すと
照れくさそうに笑った
僕はそんな顔が
愛おしくてたまらなかった
花束
鮮やかな色が、
俺の心に突き刺さる。
灰色な世界に、
真っ赤な薔薇は、
流れる血潮。
花束よ、白くなれ。
いっそ黒に染まれ。
色彩は暴力なのだと、
揺れる花々を眺め、
大きな溜息一つを吐く。
花束
毒々しい紫色のチューリップが4本
私は紫色が嫌いなのに、それを彼は知ってるはず
しかも紫色の花が4本だなんて
不吉な感じで気分は良くなかった
私の彼はロマンチックなものに興味がない
なのにこんな花束だなんて
変なの…
花瓶をゆすぎ
水を替える
萎れたものから
引き抜いて
重みも華やかさもなくなった花々に
時の流れをしみじみと重ねる
【花束】
君に花束を送ろう
何の花がいい?
バラ?
ガーベラ?
キキョウ?
チューリップ?
自分はこの花を送るよ
「ピンクの胡蝶蘭」
花はいらないって
君は言ってたから
送る代わりに
今ここに書くね
この想いが君に届くといいな
『花束』
結婚して初めてのお誕生日。
義母が花束をくれた。あれから、32年。
認知症になっちゃって、出来ないことがたくさん。でも、みりんだけで味付けた野菜炒めを上手にできたからって、お裾分け。人に対する優しさだけは残ってる。もっと私も優しくしなくっちゃ。
花束を思い出して。
花束
花束って何だか憧れる。私は昔から花言葉が好きだった。小説に出てくる花束の花や本数を調べては幸せに浸るのが好きだった。それだけじゃない。プロポーズや結婚式の花束。あれも好きだ。とにかく花束という物は幸せを運んできてくれる。口下手でも想いは伝わるし。ドライフラワーにするのもいいけどいつか枯れても良いからそのままというのも一つの選択肢だ。いつか枯れるからこそ美しい。誰かがそう言っていた様な気がする。花というのは美しくて種類にも本数にも意味がある。本当に奥が深い。でも中には悪い意味を持つ花もある。例えばアネモネ。あの花は可愛らしくて人気な花だと思うけど全体の意味はあまり良くない。ギリシャ神話に基づいているんだって。可愛い花でも裏があるんだから社会でも可愛い女の子には裏がある子もいるのかもしれないね。みんなで集まって誰かの悪口を言ったりして。人にも花言葉みたいなのがあれば騙される子も少しは減るのかなぁ。
2年3組の落書きされた机には花瓶に入った百合の花々。私の机にある白くて可愛らしい百合の花。白百合ってネガティブな花言葉は無い筈なのに何故かこういう時の定番みたいになってるよね。生きてる間は辛い事ばっかりだったけど、花束を貰えるのはどんな時でも嬉しく感じる。私の好きな物に囲まれて入れるって幸せだもん。きっとあの子達も幸せになれるから。あの可愛い子達が死んだら笑顔で花瓶に花を入れてあげる。貴方達がした事を全部返してあげるからさ。それまでは死なないでよね。絶対に許さないから。
美しい花だっていつかは枯れてしまう。ならさ、枯れる前に今の姿のままで居させてあげる。ドライフラワーの花束だって素敵だよ。
愛を込めて、花束を。
大袈裟だけど。ちゃんと、受け取って。
貴方だけの。私から送る。
花、なのだから。
理由なんて、聞かないでね。
今だけ、全て忘れて。
この花に、意味を考えないで。
ちゃんと。
ちゃんと、受け止めて。
いつまでも。そばに、いて。