『遠くの空へ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
遠くの空へ
飛べると信じていた。こんなにも立派な翼があって、仲間たちが自由に空を飛ぶ様子を見ていて、飛べると本気で信じていた。
少しだけ助走をつけて、翼を大きく動かして、ふわっと足が浮いた感覚がした。そのまま翼を動かし続けると、どんどんと視界が上がっていく。
飛べてる、飛んでいる、とわかって滑空するように翼を広げる。見慣れた景色のはずなのに、上から見下ろす景色はこんなにも違って見えるのか、とそんなことを思った。
もっと遠くへ、と翼を動かすが、そこでようやく違和感に気づいた。見えない何かがそこにある、と。見えない壁のようなそれはたしかガラスとか言うやつで。そこでようやく捕らわれていることを知った。
これ以上遠くへはいけない。ただこの狭い空間の中でしか飛べず、生きていくことしかできない。
ああ、と瞳からこぼれ落ちた涙はくちばしを伝い、地面へと落ちていった。
今日も遠くの空へと思いを馳せる。
「日々」
あなたの日々という本、
ぱらぱらと軽快なリズムを刻む
よっこいしょと1日1日が重く、
今日を終えるのが精いっぱい
スキップするように
心が動く日、動かない日
違った時の流れがある
気づけば終わってしまう物語のように
上の空で過ぎ去っていく
あなたの刻む日々はどんな物語を紡ぎますか
できることなら
そのページとページのあいだ
めくる手の隙間に憩い
ひとときの休息をあげたい
日々のあいだを吹き抜けていく風となって
#遠くの空へ
「懐かしい…」
引越しの荷造りの最中、棚の奥から出てきたのは、色とりどりの折り紙。
小さい頃、よく紙飛行機を飛ばして遊んでいたことを思い出す。
『どっちが遠く飛ばせるか勝負ね!』
そう笑う君の顔を、私は今でも忘れられていない。
君がいなくなって15年。
もう、社会へ出る歳になってしまった。
体の弱かった君の家に毎日通って、遊んで。
私の毎日に、君は絶対だった。
忘れられるはずなんてないんだ。
私はずっと、どうしようもなく君が好き。
君が毎回絶対に譲らなかった青色の折り紙。
毎回それしか使わないから、袋の中に残っていた青色はたったの一枚だった。
その一枚を取り出して、半分に折る。
15年ぶりでも、折り方は忘れていなかった。
完成したそれを手に、部屋の窓を開ける。
届け、遠くの空まで。
____君まで。
1機の青い紙飛行機は、空の青へと溶けていった。
__遠くの空__
飛行機で遠くの空へ飛んでいくまだ見ぬ国にたどり着くため
#遠くの空へ
午前7時25分
いつも通りの登校中
バスに乗り、1番後ろの席は
私のお気に入りの席
有線イヤホンを付け
お気に入りのアーティスト曲を
永遠リピートして
身を置いてただ、ただ揺られ続ける
外を眺め、なんだか恋しくなった
曲のせいなのかもしれない
君が遠くにいるんじゃないかと
探すようにずっと空を眺めて
バスを降りた
〜遠くの空へ〜
『遠くの空へ』
先日、勤め先の学校で卒業式があった。
3年間受け持った、
思い入れのある生徒たちが立派に巣立っていった
少しうるさいくらいに明るい学年だった
問題児も多くて私自身もかなり手を焼いた
そんな問題児たちともようやくお別れだ。
そう思っていたはずなのに…
君たちのいない校舎は酷く静かで寂しくて
数日前とは全く別の場所のようだ
そうだ。寂しいんだ。先生は寂しいよ。
でもそれは決して口にはしてはいけない
卒業して巣立っていく生徒に対して
それを口にしてしまうのは教師失格だ
だから代わりに、伝えたいことがある
先生はこれからもいつだって君たちを見守ってるよ。
だから安心して、遠くの空へと飛び立ちなさい。
大丈夫。君たちならきっと大丈夫。
遠くの空へ
あなたが見ている人は
あなたを見てくれていますか?
晴れた日の清々しい碧を。
雨の日の灰のような闇を。
あなたに浮かぶ綿菓子のような白を。
あなたを裂く神々しい稲妻を。
あなたが黄金や朱色に染まる瞬間を
見てくれていますか?
全てがあなたの一部であると受け入れ
見てくれていますか?
いつか、届くんじゃないかって、思ってた。
伸ばした手は相変わらず空を掴むばかりで、何も残ってなかったけれど。
届かないなりに、掴めるような気がするだけでも良かった。
届かないことを嘆いたこともある。
伸ばした手を下ろしたこともある。
空を掴むことを諦めたこともある。
それでも、願って、伸ばして、抗って。
そうしてやっと、見つけたんだ。
ずっと憧れていた”遠くの空へ”、あと少し。
遠くの空へ
クラスの男の子と話せないな、あの子たちは一緒に話して帰ってたりするのに
もう絶対彼氏作れる自信が無いな、
先生だったら話したいことたくさんあるのに
いつになったら
あと...
どれだけ待てば
逢えるのかな
夢の中では
逢えるのに
近いようで遠い
貴方との再会
暮れゆく
夕日を見つめ
遠い空へ
貴方を想う
ときどき、莫大な死の恐怖に襲われることがある。
寝る前、散歩中。ふと「死」について考えてしまう。
生があればいつかは死が来ることは誰もが知っているだろう。
しかし、死んだ後のことは死んだことがある人しか知りえない。つまり、誰も知らないのだ。
死後の世界があるのか、ないのか。
心臓の鼓動が完全に止まったら、人はどうなってしまうのか。
何も考えられなくなってしまうのか。
そう考えていくと、恐怖に襲われ思考を停止してしまいたくなる。
だから私は、死の向こうには空が広がっていると考えているようにしている。
もし身近な人が亡くなってしまって、悲壮な思いを抱えている人は「死」というものをポジティブに捉えて欲しい。そうすれば故人との思い出がもっと輝くだろう。
いつかいく、遠くの空を想像して…
遠くの空へ連れてって
君となら
この世界の果ての果てまでだって
飛んで行けると思うから
【遠くの空へ】
遠くの空へ行った君
でも、体は......肉体は残ってるから
僕は、ちっとも寂しくない
でもちょっと嬉しいな
だって君自身、君の体を貰えたし
綺麗なまんまだし、とっても嬉しい
今の方が可憐で僕は好きだよ。
どこまでも果てしなく遠い空
常に変わり続ける空模様
同じ空は二度となくて
見た瞬間は私だけの景色
どこまでも果てしなく続く空
離れていても同じ月を見ていたりするのかな?
空は広いな大きいな
見てみたいな宇宙からの地球
『遠くの空へ』
海辺に座って上を見上げる。
「あいつ...元気かなぁ」
あの日突然、俺の隣から消えたあの子を今でも想う。
【 拝啓 , 親愛なる君へ 】
やぁ、ワトスン。前までの暖かい季節が嘘のように去っていってしまったね。今はもう肌寒いほどだ。
コートを買ったんだ。茶色の暖かそうなコートをね。
君が居なくなってから、君が好きそうなものばかり選んでしまっているよ。食べ物も、雑誌も、服装も。
君が隣にいないとやっぱり変な気分だ。
椅子が一つ空いてるだけなのにな。全くおかしなことだ。
ワトスン、もし君がこの手紙を読んでいるのなら、笑ってくれるかい?
君がいなくなったのは、もう随分と前なのに、未だに寂しくなってしまうんだ。
返事は書かなくてもいいぜ、ワトスン。
君が読んでくれたらいいんだ。
僕が、そっちに行った時はまた、
一緒に冒険をしてくれるかい?ワトスン__いや、
青春の 胸がつきん、と痛むのは
いまごろ戻ってきたのかな
幼い日
遠いお空にとばしたきりの
イタイノイタイノ オカエリナサイ
「遠くの空へ」
#74
可哀想な生命を掻き集めて
遠くの空へ送りませう
母なる闇へ身を預け
暗雲の因果を断ちませう
「『空』か。空のお題、意外と多い……?」
カリカリカリ。今日も某所在住物書きは、相変わらず通知画面に届いた題目に四苦八苦。堅揚げポテチを食いながら固い頭をフル稼働させている。
「沈む『夕日』、『星空』の下で、『ところにより雨』、『星』が溢れる。コレは空関係の話を書き溜めとけば、いつか使えるお題が回って来る説?」
夜明け、朝日、日差し、夕暮れ、満月に三日月。
作品投稿のズルをしてやろうと、「空」に関する単語を列挙する物書き。途中でメモの指が止まり、
「……俺、そんな大量にポンポン話書けるっけ?」
そもそもの己の執筆スキルを、再度、確認し直す。
「まぁ、ひとまず今回は昨日のお題の続きで行くか」
――――――
リアリティーガン無視なおはなしです。フィクションマシマシでファンタジーなおはなしです。
最近最近の都内某所、某稲荷神社敷地内の一軒家に、化け狐の末裔の家族が仲良く住んでいて、
そのうちの父狐がなんと漢方医。某病院で、労働して納税して昨今の感染症と花粉症に立ち向かう、40代既婚男性(戸籍上)でありました。
夜勤中、母狐から、子狐が「お気に入りの花畑が消えちゃう」と泣きじゃくっていた、との通報が。
愛しい我が子の心を癒やすため、父狐は子狐の大好きな、星の形のクッキーを、ひと箱買って帰りました。
「お花畑が消えちゃうって、泣いてたんだって?」
家に帰った父狐。子狐にクッキーの箱を渡します。
「来年また芽を出すよ。これを食べて元気をお出し」
子狐の泣いた花畑は、キバナノアマナのことでした。
黄色く小さな、ユリか星のような花を咲かせるそれを、子狐は「お星さまの花」と呼んでいました。
星が大好きなコンコン子狐、星の形の花が消えていくのを、キャンキャン泣いて悲しんだのです。
「泣いてないもん!」
大好きなクッキーをひとくち、ふたくち。子狐は嬉しそうに頬張ります。
「それに、かかさん、教えてくれたもん。お星さまは、消えないの。遠い、遠いお空にのぼったの」
クッキーを1個ぺろり食べ終えて、子狐は青い青い空を見上げて、指さしました。
「かかさん、お星さまは遠いお空にのぼって、遠い涼しい場所に行くって、言ったの」
だから、お星さまは消えないんだよ。
子狐えっへん、得意そうに父狐に言いました。
「そうか。それじゃあ来年は、遠いお空の土産話が聞けるかもしれないなぁ」
母狐の言葉は、半分ウソで、半分本当でした。
キバナノアマナは春を告げる花。東京で花が終わっても、遠い遠い空の下、遠く離れた涼しい雪国では、今まさに咲いて花畑になっていることでしょう。
それを、母狐は「遠い空にのぼって遠い涼しい場所に行く」と、表現したのです。
「お空の旅は、どんな旅だと思う?」
父狐が愛おしく子狐を抱きかかえると、
「雲のおふとんでお昼寝できる旅!」
「お星さまの花」に届くと思ったのでしょう、子狐が遠い空へ向けて、小ちゃな手をうんと伸ばしました。
遠くの空へ
貴方の影を見た
あと少し
前に進めば会える距離
だけど、僕の足は
泥に嵌ったように
動かない
まだ僕は君に会えない