→あ~、またやっちゃったよ……
「冬」と入力しようとすると、高確率で「ゆふ」とやってしまう。
「ゆふ休み」? なんじゃそりゃ?? うーん、そうだなぁ……――
⇢小話・ゆふ休み
年越し前の仕事納めの日、石切場に村の若い衆が集まった。
「今年もこれで終わりやねぇ」
「エエ石、よぉさん採れたなぁ」
「ゆふ筵で暖かくして、ゆっくり休んでもらおな」
そんなおしゃべりと共に、石を紫色の筵で覆ってゆく。
ゆふはこの村の固有植物だ。蓄熱性が高く、筵にして布団の上掛けに用いれば冬でも寒さ知らずとなる。
いつの頃からか年末の仕事納めになると、村の特産品である石材にこの筵をかけるようになった。村ではこれをゆふ休みと呼んでいた。
「あっ、雪降ってきた」
「筵の下であんじょうしときな」
覆った石をポンポンと叩く、その手の動きは優しい。
筵で石を覆ったあとは、石神様に供え物を捧げる。全員で一斉に手を合わせ、村人たちは去って行った。
よぅわからんオチのない話やが、ここらで終わりにしとうございます。
冬休みなんで、積読消化活動に励みます。
テーマ; 冬休み
→わたしの手ぶくろ。
グレーの地に黒の編み込み模様の手ぶくろ。
ずいぶん昔に編んだ。もう10年近く使っているかもしれない。
手の甲に黒の線が3本と、幾何学模様の細かい連続模様が入っている。
手を握ると黒の3本線が浮き立ち、何となくサバトラ猫さんの後頭部のように見える。
意味なく手をニギニギして、猫が現れるのを楽しむ。今年もそんな季節がやってきた。
テーマ; 手ぶくろ
→ちょっと語ってみた。
変わらないものはないかもしれない。無機質なものでも劣化するし。
でも、確固たる意志は「ある」と思うんだ。
そして、そういうのが世界を動かしていく。例えば、ギネスブックとかスポーツの記録の更新。AIの発展も日夜の努力の賜物だ。
私の何か書きたい欲求は、折れずにまだある。
へなちょこ仕様で弱音でデコレーションされてるけど、昔と変わらず私の中にある。
変わったのは、書く姿勢だけ。
照れくさくなってきた。
テーマ; 変わらないものはない
→今日。
毎年クリスマスイブにケーキを用意するのだけれど、今年はクリスマス当日にしてみた。
予約していたケーキを取りに行った時、メリークリスマスって言ったことねぇなと思って、店員さんに言ってみた。
「ありがとうございます、メリークリスマス!」って、あったかい笑顔。
年末になるとさ、「良いお年を」はよく言うんだけど、こういうのも悪くないね。幸せになれる挨拶はガンガン使わなきゃね。来年はもっと使いたいなぁ。
―ってなわけで、
どなた様もこなた様もメリークリスマス!
テーマ; クリスマスの過ごし方
→短編・イヴの夜
パリ20区、ベルヴィル公園に近いアパルトマンの一室に、イヴ・ブラッスールは住んでいる。
イヴの夜のルーティンは、スマートフォンの電源を落とし、窓際に置いているお気に入りのソファに腰掛けて、香りの良いティザンヌをのんびり飲みながら、ラジオに耳を傾け、趣味の編み物に勤しむことである。
ちょうど今、マフラーが編み終わった。大きな縄編をメインモチーフにしたマフラーは、恋人に贈るノエルのプレゼントである。エレーヌの瞳の色と同じモスグリーンだ。
マフラーの素晴らしい出来に、イヴは満足して顎を指で掴んだ。伸びかけのヒゲがジョリジョリと手に当たる。この針山のような手触りがイヴは結構好きだ。
ティザンヌの効果か。大きなあくびを誰に構うことなく放り出して、イヴはベットに向かった。
テーマ; イブの夜