→依存
ここに一つと箱がある。
私は、この箱の中に誰にも知られたくない私の秘密を隠した。
誰にも見えないよう、誰にも触れられないよう、マトリョーシカのように何度も箱を重ね、表面には幾つもの鍵をかけた。暗証番号を用いるタイプや南京錠、シリンダー錠に至るまで。さらにそれらの鍵は、誰の手にも渡らないように溶かした。
この箱は、もはや私にも開けることはできない。これで安心だ。
私の秘密は守られた。
この箱は、絶対に手放してはならない。何処かに置いておくなど、考えただけでも恐ろしい。常に携帯必死。
箱が私のそばにある限り、私は安心していられる。
箱が私のそばにあるので、私は安心していられる。
箱が私のそばにあれば、私は安心だ。
だから、箱から離れることはできない。
だから、私は箱から離れられない。
だから、私は――……。
テーマ; 秘密の箱
→屁理屈タロウ
無人島に行く??
ソレって、可能なんですかぁ〜?
だってぇ、無人島の定義って「ヒトがいない」でしょ? じゃあ、ボクが島に降り立った時点で、「無人島」じゃなくて「有人島」っていうパラドックス。
だぁかぁらぁ〜、そもそも論で「無人島到着は無理難題」ってコト!
テーマ; 無人島に行くならば
(私はドラえ◯んを連れ行きたい)
→ベランダに音が鳴る。
夏が急に全力疾走で過ぎ去って、秋の風がヒヤリと今日この頃。
カサカサに乾いた落ち葉が、マンションの上階にフワリとやってくる。どうやら、秋風と落ち葉はお友達らしい。
コンクリートのベランダに落ち葉、カサカサと。これも一つの秋の訪れ。
テーマ; 秋風🍂
→告白文
ちょっと色々あって、私の隣にはいつも強迫観念が鎮座している。
座右の銘ならぬ、座右の不安。
コイツはなかなか手強いヤツで、折に触れて悪い予感を私に囁きかけてくる。面倒だ。非常に生活しにくい。
恐ろしいのは、精神的な不自由さに慣れてしまっていること。こんなトコロを居場所にしたくはないんだがなぁ。
気にしたら負けだよ、と言い捨てる強さが欲しい。しかし、まだまだその界隈には辿り着けない。
こんな告白は、ここでしかできない。
そして、ここでなら、楽天的にこんなことを書いてしまえる。
「そのうち好転する、そんな予感がするんだよ」と。
テーマ; 予感
→フリエンド
ちょっと昔の話を聞いておくれよ、friends。
学生時代、私は英語が苦手だった。
読み方の規則がよく理解できなかったし、発音記号にも馴染めなかった。何度か挑戦を試みてみたけれど、今もってムリ。
だから英単語の綴りを覚えるときは、自己流の読みを付ける裏技?を使っていた。
その一つが「friend」。フレンドと読めても、スペルをミスしてしまう。「i」を落としてしまうのだ。だってさ、「frend」のほうが「フレンド」って読みやすくない?
しかし世の中と、私の流儀は関係ない。
なので、「フリエンド」と綴りを覚えることで、テストをやりきった。今でもfriendと書くときには、脳内で「フリエンド」とつぶやきながら綴っている。
君にもそんな思い出はあるかい、friends?
テーマ; friends