青年は街へ訪れた。
しかし美しくはなかった。
青年はまず市庁舎を訪れた。
「階段が動くとは気持ちが悪い。
それに無意味な装飾だらけだ。」
次は市場を訪れた。
「外国産のチーズだとかワインとかばかりで
地元の物がないじゃないか。」
青年は気に入らなかった。
街にあるほとんど全てのものを。
最後に街の広場を訪れる。
すると
着飾った裕福そうな男が演説をしているのである。
「この街はまさに文化人の為に作られたようなものだ。特に市庁舎。あれこそ真の芸術だ。
そこの若いの、どう思う?」
「先程訪れましたが、本当に素晴らしかった。
仰る通り真の芸術です。」
青年はそう答えた。
優しさというものを信じられません。
人の親切心が、私には愚か者を捕らえる為の
罠に見えます。
もし私が倒れて、手を差し伸べてきた人を見ても、
おそらくその人の優しさを信じられません。
"彼は自分を英雄のように見せるため、私を舞台装置
として利用しようとしているに違いない"
そう、思い込むことでしょう。
確信があります。
根拠は無い、ですが確信しています。
優しさというものは
私にとっては、銃、ナイフ、毒のような類にしか
見えないのです。
愚か者は私か、優しさを信じる大衆か。
前者に違いない。
いや、後者だと安心できる。
深夜。空白の時間帯。
この時間帯に歩いていると、どこかぼんやりして
数メートル先すら闇に包まれ、街灯だけが。
ちょうど2時のことである。
男が1人、何処かへ行くわけでもなく、
ただ歩いていた。
右手にはマタイによる福音書、
7章の7節を書き写した紙切れを。
求めた。尋ねた。叩いた。
そして、男は歩く。
両手に何も持たずに。
逆光のような男です。
中身が全く見えないですし、
趣味も、好物も、笑った顔すら見たことがありません
男を皆は虐げました。
私は違います。えぇもちろん。
優しく彼に寄り添う。
あんな子供みたいなことはしませんよ。
しかしそうは言っても、私は気になるんです
男の中身が。好奇心ですね。本能的な。
私、美術館をめぐるのが趣味で。
皆はカッコつけだとか言いますけど、
高貴な趣味です。彼らにはわかりません。
それで、先週の日曜でした。
彼ですよ。逆光のような彼が、
私と同じように絵画を眺めてたんです。
まず最初に感じたのは、親近感ではなく、
不快感でした。
私も心の内では彼を虐げているのでしょうか。
どれが本心なのか、今の私にはさっぱりで。
自分が彼で、彼が自分。
スニッカーズを持ち、雨の中に立ち尽くす。
そしてサッカー場を待つ。
火葬場から男が這い出て、
目にしたのは別れの手紙。
周りには誰もいないのさ。
ドアを蹴破り入ってきたのは青いドワーフ
股の下を走り抜け、喫茶店が。
いとあはれなり
トイレに土の塊。
警察を呼んだら
それで万事解決
群衆が十重二十重に取り囲むのは
液体洗剤。そして崇めるんだ。
全てに意味はない。
寝ているときは特に。
全てがむちゃくちゃでなにが真実だろう。
何もかもがナンセンスで
夢もナンセンス
こんな夢を見たんだ
マーマレード ブルーベリー
ストロベリー クランベリー
ピーナッツバター ピクルス