雪の静寂
オノマトペすら聞こえない
白も黒すらも見えやしない
注連縄の中のような世界の景色は、きっとそんな感じ
思考の言の葉が揺れても音が鳴らずに
それが不気味で、一周まわって川の音がうるさくて
きっとバクまみれで、でもきっと
眠れない今より心地良い
一面の雪が音を立てるほどの静寂に
きっと耐えきれなくなるほどの、世界なんだろうな
スノー
鋭利な毒が降る
海底都市。サブマリン。
空虚な灰は吐く息に突き刺さる
(孤独。ここでは、孤独。)
埋もれた白から這い出た
青くない白いそら
やけに眩しくて幻で
自分すらもよく見失った
コピーアンドペーストの手元を狂わせ
元の雪景色すらも残らなくて
それでも足跡を残し続ける理由が
あなたにはあって?
消えない灯り
叫べない
アパートだから
2階の角部屋から3番目の、エレベーターより階段の方が近い部屋だから
助けても言えない
助からない
独りだから
友達とか家族とか、そういう話を出せるほどたくさんいなくて、でも不幸せじゃないから
きっと幸せな方だから
叫べない
口を覆うしかない
いっそこのまま消えてしまいたい
潰れた肺をさらに潰して、綺麗な肺を黒かった風に見せたい
そんな風を見たい
それができれば、ようやく私は消えるのだから
消えて他の電球たちを
嘲笑って消えたい
心の深呼吸
深夜を吸って
後悔を吐いて
深海を進んで
航海を這って
親愛を背負って
本懐を懐かしむ
浅い、浅い、浅い
穴が空いているのに、悠長なこと
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うるさくて
うるさくて
うるさくて
あなたも私も、不安定
私の詩があなたを動かすことと
私の詩が一瞬しかあなたを動かせないことに
私は私を褒めてあげたくなる
今日はそういう深呼吸
行かないでと、願ったのに
まだスマホもない時代。
公衆電話のその前で。
クラスのあの子が座ってて。
僕はあの子が気になって。
昔はよく喧嘩もしてて。
世界で1番心地よかった。
僕らも少し大きくなって。
前みたいにはならないけど。
距離も自然に開いたけど。
なんとなく悲しそうだったから。
少し話して夏鼓(なつつづみ)。
ほんとに少しのこども返り。
帰り際口から零れた。
「ありがとう」と言って別れた。
なんでそんなこと言ったのか。
今でも本当に分からない。けど。
あの日から彼女はいなくなった。
本当にあった夏の話。
その頃は確か、後に付き合う女子と出会った時で。
今でも思い出すくらい混乱とifと後悔があるけれど。
あの頃の僕は本当に、人への関心を持てなかった。
今更言うのも虫が良すぎるし、酷いことだけど。
……幸せで生きてろ、ばーか。