時計の針
ちょっとおかしな時間だけど
詩を書いてみることにするわ
ちょっといつもより暗がりだけど
光を浴びてみることにするわ
青白いネオンが照らしてて
赤白い太陽を真似してて
そんなお部屋の静寂の中を
ハイヒールがランウェイするの
すっごく素敵でしょ?
ここには誰もいない
ここには舞台しかない
自分勝手はダメなのでしょうけど
でも たまには必要よね
溢れる気持ち
気楽に溢れたり溢れなかったりしよ
取りこぼしたっていいんだから
だってそれは 君自身から溢れているものなんだから
1000年先も
もし
馬鹿馬鹿しい事だけど
私が紡いだ詩が 1000年先も残っていたら
私は 少しは何かができたのでしょうか
何か残せたのでしょうか
劣化しないデジタルの時代において
私の詩は 消えずに残り続けるのでしょうか
ええ もちろん
私たちの信念は変わりませんとも
今を精一杯 我武者羅に 格好良く
周りにとって馬鹿げていて
自分にとって誇らしい
そんなものを本気で追い求める
それが私たちの 当初からある生き様なのですから
1000年先なんて 誤差ですって、ね
勿忘草(わすれなぐさ)
黄金の瞬きは流れ
木の葉はざあざあ
風はびゅーびゅーと唸っていて
眩いだけの視覚できない空間に
勿忘草の香りを聴いた 気がした
どうして私は覚えていないのだろう
花の想いも 土の手触りも
全部 全部
残っていたはずなのに
どうして私は忘れているのだろう
流れ出た雫は盆に帰らない
ならばせめて 少しずつ摘み取ろう
忘れないように 忘れないように
ブランコ
僕はそれに乗れない
酔っちゃうから
酷く錆びた鉄の振り子を 彼女は勢いよく押し出した
ブランコが宙に浮く
彼女が笑う
それを見るだけで十分なんだ
それだけで 僕は心地良い
僕はそれに乗れない
嫌なことを思い出すから
どうせみんな 夜の公園でブランコに座って
地に足つかない御伽噺を聴かせるんでしょ
僕の心を見もしないで
僕が宙に浮く姿を 見もしないで
自分に酔う姿見ると 酔っちゃうんだよね
いつものお決まりの形式のように
詩を紡ぐように振り子は動く
ねえ 一体何のために動いてるの?
君は誰なの?今振り子は 誰が漕いでいるの?
彼女は笑う
よいはまださめない