僕はさ、とにかくチョコが好きなんだよ。
チョコ。名前も可愛くていいよね。
そーいえばさ、チョコとチョコレートって何が違うんだろ?
え?発音はレートじゃなくてレイト?
そんでもってチョコレイトが正式な名前?
そっか、僕達が略してチョコって呼んでるだけなんだね。
でもなんか、チョコの方が可愛くて呼びやすい。
バレンタインチョコレイトってあんまり言わないんじゃない?
……そんなことない?
というわけで、僕は純粋にチョコが好きで、だからさ、君のその、彼に受け取ってもらえなかったチョコレート、僕がもらうってのはナシかな?
いや、気持ち悪いこと言ってるのは重々承知だけど、僕は純粋にチョコと君が好きで……あ、いや、チョコレートが大好きなんだよ。
……えっ、チョコレートじゃなくてチョコレイト?
ああ、そうだった。
意外と細かい性格なんだね。知らなかったよ。
別にね、君からチョコを貰ったからって、君から告白されたなんて勘違いしたりしないよ。
君がさ、昨日、手作りチョコのレシピについて友達と話してるのが聞こえたんだ。
てことは……君のチョコは、君の手作りなのかな、って。
あ、いや、ちょっと待って。逃げないで。
せっかく君が頑張って作ったチョコをさ、君が持って帰ってどーするの?
自分一人で食べる?切なくない?
誰かに食べてもらって、その感想を聞きたいとか……思わない?
いやだからあのさ、僕はとにかくチョコが好きなんだって。
ただそれだけなんだってば。
いや、まあ、チョコより好きなものはあるけど、そこはほら、これからの未来に期待するってことにして、とりあえず今日のところは、君が想いを込めたチョコレイトの行方を見守りたい、それだけなんだ。
そして願わくば、君のチョコを僕の胃袋に収めたい。ってのもあるかな。
ああー、なんだか微妙な空気になっちゃったね。
よし、もうこうなったら、正攻法でいくよ。
えーと、今日は女の子が告白する日なのに、空気読めなくてごめん。
ただ、君が悲しむ顔をみていたら、居ても立ってもいられなくなったんだ。
もっと先にするはずだった予定を前倒しして、今日決行することに決めた。
君の迷惑は顧みず、だ。
そのチョコを持て余してるだろ?
悲しみや不服、怒りだってあるかもしれない。
それを全部、僕にぶつけて話をしてくれないかな。
君に寄り添って話せる自信はあるよ。
チョコレートよりも君が好きなんだ。
君の手作りが宙に浮いてしまっているこのチャンスを逃したくない。
……えっ、チョコレートじゃなくてチョコレイト?
んー、こんな時でも細かい君、意外だったけど新しい君が知れて良かったよ。
まあ、呼び方はどっちでもいいと思うけど……いや、チョコレイトの Late は遅れてるって意味もあるだろ。
チョコは遅れて渡した方がいいのかも。
本命よりも、残りものに福があるって言うじゃない。
それって僕のことなんじゃ……。
えっ?甘すぎる?
チョコレートだけに?
……ああ、レイトね。
遅刻魔の彼女を待っている。
もう、約束の時間を20分過ぎている。
まあ……いつものことか。
駅の改札前。
通る人の邪魔にならぬよう、端っこに除けて、君を待つ。
見回すと、自分と同じように待ち人が来るのを待っている人が何人かいる。
遅刻魔ってのは市民権を得てるのかな。
まあ、今日たまたま電車が遅延してるのかもしれない。
遅刻魔と決めつけるのは良くないな。
でも、彼女は来ない。
雨が降り出した。
窓の外に暗雲が広がっている。
待ち人が現れた人達はその場を後にして、嬉しそうに喋りながら去ってゆく。
僕は、この場所から動くことが出来ないまま。
まだ、彼女は来ない。
スマホを取り出して、メッセージを確認する。
「今日は、行けないかもしれない」
彼女からのメッセージ。
僕は返事を打ち込んで送信する。
「いつまでだって待ってるよ」
きっと、彼女は来ない。
遠く、雷鳴が聞こえる。
気付けば、改札には自分以外に誰もいない。
待ち合わせをしていた人達の願いは叶えられたのだろうか。
僕の願いを託した彼女は、きっとまだここに向かう途中だろう。
辿り着けるだろうか。
僕達の暗い過去を振り切って。
電車のブレーキ音。
まもなく、たくさんの人達がこの改札を通り過ぎる。
その端っこで待つ僕は、きっと誰の目にも映ってはいない。
そしてまた、僕の待ち人である君も同じ。
誰の目にも見えやしない。
もう、彼女を待ち続けて6時間。
改札の向こうに、君がいた。
遅刻魔という魔性の存在。
忙しく行き交う人達が君の体を素通りしてゆく。
「ごめんね。待った?」
君の笑顔は相変わらず可愛らしい。
だから僕は、見え透いた嘘をつく。
「待ってないよ。僕はずっとここにいるだけだから」
雷鳴が轟いて、駅の照明がチカチカと瞬いた。
伝えたい。あなたの毎日が退屈すぎる理由。
伝えたい。夕暮れに切なくて涙が出る理由。
伝えたい。人の顔色ばかりを気にする理由。
それが伝わらない理由は、あなたが耳を塞いでいるから。
世界はあなたを包み込もうとしているのに、あなたがその存在を消してしまうから。
世界は、あなたが思う以上にあなたの味方。
あなたが幸せに生きることを望んでいる人間が、思いのほかいるんです。
嘘だと思うなら、質のイイ SNS に想いを吐露して。
ひねくれ者が憎まれ口を叩くのは無視して、自分の心に響く言葉だけ拾って。
それだけでも、誰かの想いが詰まってる。
あなたを救いたいと願う誰かの想いが。
伝えたい。あなたの笑顔が誰かを支えている真実。
伝えたい。心からの笑顔が人生に光を照らす真実。
伝えたい。あなたという存在が無数に溢れる真実。
伝わらない理由なんてない。
この世界はネットワークで繋がっている。
優しい音楽と心打つ映像がいつだってあなたに届く。
目を背けないで。その手を差し出して。
そこにある温かいものが幸せだということを、あなたに伝えたい。
こんな夜を過ごしてみたい。
都会の喧騒を離れて、まったりと流れるアウトドアタイム。
燃えて木が爆ぜる音、岸辺に寄せる水の音。
本当はこんな世界に生きていたことを、不意に思い出させてくれる。
何にも持たずに、ただ、灯火を囲んで、夜が深まるのを待つ。
悲しいことや辛いこと、きっと本当は忘れてしまえばいい。
こんな風に生きていれば、悩みなんて人生には必要ないのかもしれない。
ただ、当たり前に包まれて生きる。
当たり前の自然の営みに。
山の稜線をなぞるように、夕暮れの名残りがオレンジ色に染める。
またたく星達は、時とともにその数を増してゆき、ちっぽけな自分の存在を浮き彫りにしてくれる。
湖に映る星空。遠くきらめく街の灯り。
大丈夫だよ。
それでいいんだよ。
正解や間違いなんてない。
ただ、生きているんだ。
この星に、生まれてきたから生きているんだ。
正解も間違いもない。
たとえ今日がどんな一日でも、必ず明日はやってくる。
だから、大丈夫だよ。
焚き火の炎を見つめていたら、こうして自分を大切にしようと思えた。
職場の軋轢も、仕事や暮らしへの不安も自分を苦しめる。
でも、ここには何もない。
そして、何もない自分が本当の自分。
本来無一物。
じゃあ、何を捨てたって生きてはいける。
大切なものだけ残して、全部捨てたっていい。
この炎で、燃やしてしまってもいい。
「ま、どうせまた、気付いたらかき集めてるんだけどな」
ビールを飲みながら、お前が冗談めかして言う。
「そしたらまたここに来ようぜ。そんでこんな時間を過ごそう」
「いいね。好きだよ、こんな時間」
燃えて木が爆ぜる音、岸辺に寄せる水の音。
そして、大切な人と過ごす時間。
私事だが、あと2個で❤が10000個いただけたことになる。
10000という数字を、このカウンターがどう表示するのか?
5桁表示で10000?
4桁表示がマックスで0000?9999のまま?
それとも0リセットされる?
今回のこの駄文で、それを見ることが出来るのだろうか。
ひそかに個人的にそれをちょっと楽しみにしてる。
そして、これを機にそろそろこのアプリも卒業しようかと目論んでいる。
思えば、一昨年の年末から始めたこのアプリ。
1日たりとも飛ばすことなく、毎日書き続けた。
この作品を含め、666本。
前作までの文字数、463077字。
頑張ったじゃないか。
おかげで、しっかり書く習慣が身に付いたと思ってる。
時に、プレッシャーとなることもあった。
何も浮かばずに、眠れぬ夜を寝て過ごしたこともあった。
それでも、何とか19時というゴールを見据えて、出来る限りの知恵と想像を働かせて、日々綴り上げてきた。
その功績は、私史上、表彰に値する。
中途半端を許さない我が心が成した業だが、もう十分な気がする。
十分頑張った。
そして楽しんだ、と。
この辺で、一旦サヨナラします。
静かに消えていけばいい話だけど、10000個の❤への感謝も込めて、光と霧の狭間で、無理やり葛藤したようなテイで。
まあ、このアカウントが残っていれば、またいつか、気まぐれに書いたりします、たぶん。
たくさんの❤、ありがとうございました。
毎日のお題、ありがとうございました。
…あ、そーいえば、1日だけ、書けなかったことがあった。
お題が何だったのかも忘れたけど、まあきっと、「そんな言葉使わんわ」みたいなやつだったんだろうな。
中途半端は許せないが、致し方なかったんだろうな。
逆に、お題が今の自分にハマったりしたら、ウズウズして書かずにはいられないのかも。
その時はまた、よろしくお願いします。