#96「太宰治の食べたカレーは何辛だったのか」
カレーの辛さはストレス耐性に比例するらしい
インド人の強者感が際立った
#95「足音」
あなたの足音はどんな音?
分からないまま大人になったぼくは
旅立った君へ想いを馳せるよ
君はだって、儚いから
足音が聞こえる
却下のハンコを叩きつけるような音が
ぼくを値踏みするためにやってくる
汚した手を洗わずに
人を値踏みした足だけを洗って
誤魔化すようなやつら
彼らに付いた足枷のおもしが
何年もかけて整地したコンクリートを
容赦なくゴリゴリと削って行く
追いかけてくる
ぼくはいつだって飛びたくて
泣いて力んだ背中から
ふわりと羽が生えることを望んだ
太陽で羽が溶け、落ちていった先が
今は無き、公園の砂場だったら良いのに
小さな罪も、努力も、笑い声も
全てがキレイに崩れて沈んでいくから
あの足音がやっと聞こえなくなる
まさに、ぼくの天国だ
あなたが水を求めて
ぼくを拐っていってくれたあの日
地球を見て初めて、胸の痛みを覚えたよ
けれど足枷のないあなたは
カラカラと笑って旅立ってしまった
まるで小さな王子さまのように
#94「泡になりたい」
ガラスに入った気泡を潰しては探して
堂々巡りの日々を送る
人波をうまく泳げなくて
うまく息継ぎができなくて
あげく海が怖いなんて
そんな人魚に居場所はない
錨のように落ちていくより
綺麗な泡となって天に昇れば
そこに居場所が見つかるのかな
なんて杞憂へと逃げたくなる前に
今日もきみに会いに行く
シュワシュワと心地よい音のメロンソーダ
例えるなら、きみ
うまく喋れない
うまく歩けない
うまく空気も読めない私に
きみはパチパチと、愉快に甘く笑いかけた
だれかは当たり前の存在だと言うけれど
私には贅沢すぎる大切な宝物なんだ
叫びたいようなそんな言葉も
うまく伝えられずに泡となって消える
小さかった泡が大きくなって
パチンと弾けるように
ある日、大切なきみに
耐えられなかったと言われたなら
私は泡になって消えたい
そうなってしまわぬように
言葉の泡をかき集めて
私はちゃんと
愛していると言えるかな
#93「空はこんなにも」
青い屋根の下、同じ壁の部屋
そこに穴が空いてしまっただけの話
それだけで遠くに見えたコメディが、
とたんに悲劇に見えるなんて
感情移入もほどほどに
スキップ拒否はいつからだった?
真面目くんな僕らは目の前の課題に熱心です
暑いならもっと気楽にサーフィンしようよ
そういったらハエみたいに叩かれるかな
魔女裁判の歴史を鼻で笑った
それもきっと呪いで
私には関係ない、僕には関係ないなんて
都合の悪いときにしか、僕らは
心に嘘をつけなくなってしまった
皮肉に笑った誰かの顔が
涙を知らぬピエロに見えた
ねぇ、魔女が見た空は美しかった?
幸せにいきたい
幸せな世界で生きていたい
もう手遅れだから死にたい
でもきっとそれは、目の前の話だけだと
信じていたい
信じていたいよ
僕は、キミを信じているよ
祈りの数だけ星となれ
#92「マグカップ」
わん、わんっ、わん!
跳ね起きる
どこかで犬の声が聞こえる
ちっとばかし暗いと思ったが
そうか夜だ
階段の手すりをつたう音だけが
私の頭をユラユラと動かしている
ポチョン、ポチョン
手探りでキッチンまで
すりガラスから月がぼやけて
足元を頼りなく照らす
ひんやりとしたマグカップ
犬の声でさえ聞こえなくなってしまえば
世界はとても静かだ…
「わんっ!!!」
ガチャン
っあー、これがサスペンスの始まり