NoName

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12/21/2025, 5:17:57 AM

【時を結ぶリボン】

母が幼い私に
三つ編みをしてくれた時に
髪につけたリボンも

使い古した制服のリボンも

退職した時に自分で買った
花束のリボンも

ささやかに
そこにあったことを思い出す

今はもうどこにもない、リボン

けれど、今も
心のどこかで結んでいる

12/12/2025, 3:46:10 AM

【夜空を越えて】


どうしても言えなかった
伝えることができなかった

言葉たちが
真夜中に頭の中を
ぐるぐると駆け巡る

答えのない迷路に
迷い込んでしまったようだ

いつかこれが正解だと
思えるだろうか

良かったと
心から思えるだろうか

そんな未来が欲しいと
希望を持つこと自体
既に半分手に入れたようなものじゃないか

夜明け前が一番暗い

そう信じて

11/5/2025, 3:58:00 AM

【金木犀】

気高く薫った

またこの季節が来たことを
知らせるように

まるで私を
包み込むように
君は麓で笑う

木々が色付くように
君の頬も彩られる

この胸の高鳴りは
君のせい

君がここに居ても居なくても

ずっと
君に恋をしている

10/19/2025, 12:20:56 PM

【君が紡ぐ歌】

君が紡ぐ歌は
泥だらけで、健気だ

ただ、まっすぐに
必死に生きている
その背筋は
まるで人生を歌うようだ

君が私に心を預けるたび
君の心は歌っている

悲しんでも
怒っていても
愛らしく、美しい

どうか、ずっと
奏でていて

私のそばで
いつまでも
紡いでいて

9/28/2025, 11:26:12 AM

『永遠なんて、ないけれど』

あなたに出会ってしまったから
私は初めて孤独を知った

あなたと笑う時
なぜかいつも泣きたかった
いつか離れ離れになる
私達の未来を思ってしまうから

あなたがいない時に
隠れて泣く日々に少し疲れていた

いつの間にか
2人の愛よりも痛みが増えていた
あなたの痛みを癒せなかったことが
私の痛みになった

遠のく足跡が虚しく響いて
それが切なかった

あなたとの時間は
まるで美しい夢のようだった

思い出を閉じ込めた
オルゴールの中で
1人、踊り続けていたい

あなたに1秒でも愛された私を
慈しみ、手放そう



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