きらめく街並み。
消えない灯り。
それだけが支配するここは。
どれだけ美しく、どれだけ醜い。
秘密だよ?
誰も、誰にも。
話さない、って。約束、できる?
...そっか。
なら、はい。これ。手紙。
書いて。
貴方の、秘密。
どんな事でもいいよ。
どんな事でも。
でもね、これは。
願いを叶えるものではないんだ。
だから、ただ。
誰かに送る。
誰にも届かない。
どこにもいかない。
秘密の、証。なんだよ。
貴方の秘密。
誰にも言わない。
だから、
私の秘密も。
誰にも言わないでね。
私は、
ずっと。ずっと、前から。
貴方の事がね。
嫌い、だったよ。
「ね、その中身。見てみてよ!」
明るい、うわずんだ声が目の前で跳ねている。
貰ったその箱は、プレゼントするのには珍しい
真っ黒い箱だった。
開けるところすら見つからない。
それと相反するように、
期待の眼差しだけを向けられている。
贈られた物であるはずなのに、
感情は着いていかない。
中身は、どうなっているのだろうか。
「気になるなら、開けてみてよ〜はーやく!」
笑ったその顔は、太陽のように美しい。
それでも、開けようと。手は伸びない。
真っ黒い、宇宙のようなその箱は。
ただひたすらに、手の中にある。
贈られたプレゼント。
その、中身は。
果たして、どうなって。
いや、
それとも。
ようやく伸ばしたその手によって、
箱が開けられる。
外も、中身も真っ黒なそれは。
さながら、
自分の持つこの気持ちと似ているようで。
全てを、見透かした目をしている。
箱の、
贈り物の、
中身は。
凍てつく星空
懐かしいな
星空、って。綺麗。
どんな想像をする?
輝く星
導く光
包む夜
それが凍てつくその時間。
それは、どこよりも。
誰より。
美しいと思った。
そう、
囁くように
僕のとっての君、って。
なんなんだろうか。
クラスメイト?
隣の席の人?
友達?
親友?
きょうだい?
恋人?
それとも、
誰でもない。
君?
分からないから、
分からないまま、
分からないから、
紡げない。
だから、物語も。
始まらない。
君と紡げたら。
なんて、思うことも出来ない。
どうにも、
どうしようもない物であって。
可哀想な、
人
なのだから。
君と紡ぐ物語。
に、
夢
を。
見いだせたら。
何か。
僕が、変われるのなら。
どうか。