NoName

Open App
1/5/2026, 12:50:06 PM

冬晴れ(オリジナル)(SF)

宇宙船の中に、地球を想起させるホロルームがある。
乗組員の人種は様々なので、設定は多種多様だ。
朝、昼、夕、夜、白夜、オーロラ、星空、満月。
雨、雪、台風、雷、濃霧、虹、ダイヤモンドダスト。
砂漠、平原、熱帯雨林、教会、寺社、エトセトラ。
その中に「冬晴れ」もあった。

「冬なんて、重い雲がたれこめて晴れる日なんてないと思うのだけれど、どこの設定なの?これ」
一緒に来たファイフが、呆れたように言った。
「しかも、冬だから寒いんでしょ?そりゃ台風設定も体感する意味わかんないけど、温度も自在な宇宙船で何も不快な設定味わう必要なくない?」
彼女の言い分はもっともではあるが、僕は否定する。
「地球の様々なものを忘れないためのホロだからね。それに、僕は根っこがJAPANだから、こういう組み合わせを見ると心が震えるようにできているんだよ」
そう言って、僕はホロを「冬晴れ」と「富士山」で設定した。
あたりの空気が冷え込んだ。キンと冷えた空気の中、遠くに雪をいただいた形の良い山が小さく見える。
「ほら、素敵だろう?」
「ふぅん?まぁ、神聖な感じはあるかもね」
彼女はそう褒めてくれた。
僕の方はというと、JAPAN設定ゆえにストレス値が下がり、電脳内がクリアになった。

宇宙で長く生きるため、生き残るため、人体改造を続けた結果の今であった。
乗組員は全員、機械と人工物の体に、電脳を組み合わせた個体となった。
後世に様々なものを残すため、個人の個性や特性を残し、船内で各種コミュニティを作って生活している。
例えば、僕は日本、ファイフは北欧。

地球はもうない。
なので、この景色も現存しない。
過去の情報として存在するだけ。

僕はその事実に悲しみを感じたけれど、涙袋がないので泣けなかった。

1/4/2026, 11:42:26 AM

幸せとは(914.6)

良い友には幸せになってもらいたいと思う。
でも、自分が積極的に関わって、彼、彼女を幸せにしたい(できる)とは思わない。
誰かが幸せにしてくれ、と思う。
他力本願である。
とはいえ、自分が関わって幸せな時間を過ごしてもらえたなら、それはそれで嬉しい。
私の幸せである。
Win-Winである。

幸せに思うものは、人それぞれである。
科学的には脳内にセロトニンが出る行為の事なのだろうが、それが何かは人によって違う。

幸せになるとは、質より数ともいう。
ささいな事に幸せを見出せる方が有利である。

美味しいものを食べて、
暖かい布団で寝て、
衣食住に困らぬ程度のお金があって、
好きな本が読めて、
好きな事や物や者があって、

もう、それだけで幸せである。

明日から仕事であるし、日々嫌な気持ちになることもあるが、気持ち切り替えていこう。




創作したいのに914.6ばかり…。
良い創作が浮かびませぬ。
「エッセイ」というには恥ずかしすぎて、図書館の分類記号で誤魔化しております。

1/4/2026, 2:40:45 AM

日の出(914.6)

日の出の思い出はほぼ登山の思い出である。

日本アルプスの稜線歩きでは、午後の雷を避けるため、道程が長い場合は日の出前に山小屋を出た。
ヘッドランプをつけて歩き、日の出を迎える。
暗い中ヘッドランプをつけて歩くのにワクワクした。

ご来光ツアーで行った富士山では、山小屋で一休みして夜中から山頂へ向かうのだが、大混雑で山の中腹でご来光を見る事になった。
高山病の頭痛で結構苦しかったが、富士山を見るたびにあのてっぺんに行った事があると思えるのが良い経験になった。

……どちらもメインが日の出の思い出じゃないな(笑)

日常では、夜明け前に家を出て、移動の電車内で日の出を見たりすると、通勤であっても旅行気分でちょっとワクワクする。

日の出はどこで見ても楽しいイベントという事かもしれない。

1/2/2026, 10:49:58 AM

今年の抱負(914.6)

一年の計は元旦にありという。
何も計らぬまま、本日二日である。
時すでに遅しである。

とはいえ、今年の抱負。
そうですね。
年を重ねるごとに頑固になっている自覚があります。
好き嫌いが激しく、変化を嫌い、安心安定を望む。
失敗を恐れて挑戦しなくなる。やる気も出ない。
良くない傾向ですね。
前頭前野や側頭葉が萎縮してますね。
運動して血流増やさないとですね。
新しい事に挑戦したり、デュアルタスクしたりして脳を鍛えないとですね。
それが抱負ですかね。
具体性なく、志低いですね。

しかし、昨今周りで起きた複数の事件を鑑みるに、心身健全で健康なのが一番だなぁと思うので、何があろうとそれは死守していきたいと思います。

1/1/2026, 12:30:33 PM

新年(オリジナル)(秘密の手紙ときらめく街並みの続編)

除夜の鐘が鳴り始めていた。
僕はふと隣を見る。
半透明の霊になった幼馴染がコタツに入りながら紅白を見ていた。
彼は僕の視線に気がついて、
「どした?」
と聞いてきたので、僕は正直に答えた。
「うん、除夜の鐘とかどう?」
「どうって?」
「成仏とかしたくなっちゃうのかなって」
お茶を飲んでいたとしたら確実に吹いていたであろうリアクションで、彼はコタツ机にめり込んだ。
「俺は煩悩の塊かい!」
「あ、そっか」
僕はお寺の鐘イコール鎮魂だと思ってしまっていたのだが、除夜の鐘は生者の煩悩を清めて新年を迎えるためのものだというのをすっかり忘れていた。
しかし同じ「寺の鐘」なのに、用途で効き目が異なるものだろうか。
でも確かに、時報の鐘で浮遊霊が一斉に成仏するのもおかしいか。
僕が色々考えていると、彼も首をひねって、
「ん?待てよ?除夜の鐘って邪気を祓うみたいな意味もあった気がするな?俺、邪気か??」
「え、嘘、かずくん、具合悪い?」
「いんや、全然」
僕はホッと胸を撫で下ろした。
一方で、彼はニヤリと悪い顔をする。
「あいつは悪の塊みたいなもんだから祓われてたら面白れぇな」
彼の言うあいつとは、霊になった彼を「最期の手紙配達員」にスカウトしてこの世に留め置いた、吸血鬼のような風体の男の事だろう。確かに見た目に悪い側のキャラ味はある。
「そういえば聞いたことなかったけど、十字架とかニンニクとかお線香とか神社とかお祓いとか駄目なのある?危ないのあったら言ってよ?」
「吸血鬼じゃないんだから」
彼は吹き出して、
「わかってるって。ニンニクはむしろ好物だから避けんなよ」
「了解」
僕はにっこり微笑んだ。
紅白が終わり、別番組にチャンネルを切り替えているうちに、年が明けた。
「あ、かずくん、明けまして…」
そこまで言って、ハタと気づく。
亡くなっている本人とはいえ、喪中というやつではなかろうか。
その際の新年の挨拶はどうするんだっけ。
僕の焦りを察知したのか、彼はニッと笑って、
「今年もよろしくな」
と助けてくれた。
「うん、よろしく」
僕は笑顔で答えた。

新年、楽しい一年にしよう。

Next