NoName

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2/24/2026, 12:21:54 PM

小さな命(914.6)

私はネズミが好きだ。
アニメ「ガンバの冒険」の原作「冒険者たち」がマイバイブルで、彼らネズミ達の冒険が大好きだ。
ペットショップで短い手足を懸命に動かして砂をかいているネズミの動きが可愛すぎて、ずっと見ていられる。

私は雨蛙も好きだ。
子供の頃、田舎にて側溝にいるチビガエル達を猫じゃらして釣り上げるという遊びを教わった。虫と間違えて飛びついてくるカエル、アホ可愛い。
ゲーム「クロノ・トリガー」のカエル君も好きだ。

私はトカゲも好きだ。
人のトカゲ顔も好き。
爬虫類は基本的に美人で可愛いと思う。
ゲーム「ロマンシングサガ」のゲラ=ハとか、真面目可愛くてマイレギュラーだった。好き。

2/23/2026, 12:30:43 PM

Love you(TOV)注:微腐

レイヴンはいつだって軽々しく愛を語る。
戦闘中だって、女性陣が少し傷つこうものなら、
「愛してるぜ!」
と、癒しの矢を飛ばす。
まぁ、これは詠唱なのだけれど。
リタなどはレイヴンの出鱈目詠唱に最初はびっくりして、次に呆れて、ウザがって、最近では慣れすぎて無反応になった。
癒しの術であるし、確かに愛はこもっているのだと思う。慈しみというか、そういう愛が。
ユーリはレイヴンからその矢を受けた事がなかった。
最初はその事実を何とも思わなかった。
むしろ男に「愛してるぜ」などと言われて愛の矢を飛ばされる事が、気持ち悪くもあった。
そう、思っていた。

けれども、カロルやラピードにも愛の矢を飛ばしているのを見て、少しモヤつくようになった。
(俺だけ避けてるとか効かないとか、ないよな?)
少し、だいぶ気になったが、確かめる術はなかった。

「ユーリ!!!」
カロルの悲鳴が聞こえて、ユーリはとっさに身をひねった。ドンという衝撃があって、鳩尾に角がめり込む。勢いでユーリは吹き飛んだ。
「ぐぅっ!!」
木に激突して息がつまる。
頭から血が流れてきて片目の視界を塞ぐが、気を失うわけにはいかなかった。
「ユーリ!!」
「馬鹿!前見ろカロル!」
「わわ!」
回復のためにユーリに近づこうとしたカロルに、魔物が突進してくる。カロルは前転でかろうじて避けた。
「愛してるぜ!」
どこからか声がして、癒しの矢が飛んできた。
サクリと頭に当たり、あたたかな光がユーリを包む。
レイヴンだ。
避けられていた訳ではない、その安堵が胸に広がる。
当初気持ち悪いと思っていた詠唱も、全然悪くない。
むしろ、待ち望んでいたものが与えられた喜びがあった。
「おっさん!さんきゅ!」
傷が全て治るわけではないが、痛みは消えた。
まだ十分戦える。
ユーリは元気に立ち上がった。
「青年!無理しなさんな!愛してるぜ!」
追加の矢が飛んだ。威力は大きくないが、詠唱が短くて中距離まで届く。戦況を支える、有能な技だった。
走り出したユーリを矢が追尾して、また頭にサクリと刺さる。
(使えるじゃねぇか)
ユーリは楽しくなって、ニヤリと笑った。

「おっさん、回復助かった」
苦しかった戦闘が終わり、ユーリはレイヴンに礼を言った。レイヴンはヘラリと笑って、
「いやー久々にピンチだったわね。嬢ちゃんいないと回復役少ないものね。おっさんもやる時ゃやるのよ」
と、胸を張った。
「ああ、助かった」
素直に言うと、レイヴンは己の身体に両手を巻きつけてブルルと震えた。
「……なんか怖っ!青年が素直とか、怖っ!何?毒でもくらってる?混乱とか?愛してるとかキモっ、とかないの?!」
「俺を何だと…」
そう言いかけて、ユーリはハッとした。確かに彼の詠唱に冷笑していた時期がある。そのせいで彼は自分に回復を使わなかったのかもしれない。
だとしたら自業自得であった。
けれど、これからはもっとあの矢を浴びたい。
なので、ユーリは素直に言った。
「いや、むしろおっさんの愛、良かったぜ」
「はぁっ?」
「これからもよろしく頼むな」
「は?あ、え?っと?」
いつものレイヴンらしくなく言葉に困っているようだったが、少し嬉しそうに、
「そ?」
と、はにかんだ。
「おう」
胸に来た。
普通に返事ができていただろうか。
(その顔は反則だろ)
おっさんを、可愛い、と、思ってしまった。

何だこれ。



Love you

2/22/2026, 10:43:16 AM

太陽のような(914.6)

過去の創作物含め、今日のお題にマッチするような自作キャラがいない。
太陽のような人。
天真爛漫、明るい人、他に明るい影響を与える人。
あるいは有能で尊敬できて目標にすべき人。
私自身、憧れはするけれど、決してそのようにはなれないし、なれるとも思わないし、なりたいとも思わない。
陰や裏のない人間などいないし、ないという人間がいたら己の汚さに気づいていないだけだと思う。
私はそういう思考な、天邪鬼の陰キャである。

とはいえ、オリンピックのフィギュア競技は色々と太陽のようでしたね。
嫌いじゃない。
競争であり、勝負であり、悔しさもあるだろうに、明るさに満ちているのはすごいと思う。
人間皆こうだと良いのにね。

2/21/2026, 11:49:37 AM

0からの(オリジナル)(異世界ファンタジー)

幼馴染の仲間を失って、ラッツはひとり旅立った。
仲間を亡くす原因となった魔剣を手に。
得意だった魔法を、呪いで封じられたまま。

(もう少し、何とかなると思ったんだけどな…)
顔を腫らし、半分目が塞がった状態で、ラッツは地面に倒れ伏していた。
知らない村で宿に泊まったら、村ごと野盗の住処だった。就寝中に襲われて身ぐるみ剥がされ、身一つで外に叩き出された。
取られたのが金なら諦めるところだが、仲間の形見の品や魔剣も取られてしまった。
取り返すべく何度も村に潜入したが、すぐに見つかり、多勢に無勢、全く歯が立たない。
今も見つかって袋叩きにあったところだった。
(魔法さえ使えれば…)
己がいかに魔法に頼って来たか、痛感した。
剣術は少し使えるが、今は剣もない。
今は、傷を治してくれる仲間もいない。
それでもやはり、諦める選択肢は取れなかった。
ギラギラと怒りの炎を瞳に宿し、ラッツは決断した。
己の優先順位に従い、非情にもなりきると。
そうでなければ、この世界、生き残っていけない。
ラッツは多量の火矢を用意した。
同時に、近隣の村に赴いて野盗退治の協力をあおぐ。
野盗の村を焼き討ちし、大混乱を引き起こしたどさくさに紛れて己の私物を取り返し、その場から逃げ去った。

またある時は、毒を盛られた。
やはり宿で油断をしていた時だった。
一命は取り留めたが、やはり剣を盗まれた。
血眼になって行方を探し、なんとか取り戻す事ができたが、本当に肝が冷えた。
これは今後も想定される危機だろう。
そう思ったラッツは、毒について調べ始めた。
耐性をつけるために、毎日少量の毒を飲んだ。
何度も死にそうになりながら、やがて、かすかな臭いで毒の混入を察知できるまでになった。

ゼロからのスタートは、苦しい日々だった。
能力を失った一人旅は想像を絶するほど過酷だった。
人間、楽勝でいられなくなると、醜くも汚くもなるもので、昔より性格が悪くなった自覚はある。
人を騙し、盗み、すぐ逃げる。
何より裏切られすぎて、他人を信じられなくなった。
けれど、ラッツは平気だった。
元々、仲間の形見とともに冒険するという贖罪の旅だったので、むしろ当然の罰だとさえ思っていた。
とはいえ、魔法の道具さえ使えない呪いは正直キツくもあった。
(…これを解呪できる人を探すか)
右手の甲の呪いの紋章を眺めて、ようやく決意する。大陸を西に西に進んできて、大海の際にまで到達したが、これまでは生きるのに必死だった。
海をさらに西に行く船は出ていないようなので、今度は東に戻る旅になる。
(まずは西北端に行ってみるか)

そこでラッツは世界を揺るがす大事件に巻き込まれ、新しい仲間ができるのであるが、それはまた別のお話。

2/20/2026, 2:33:47 PM

同情(オリジナル)(異世界ファンタジー)

「聞いてくれよおおお!」
ラッツは手にした酒を机にドンと叩きつけた。
かなり酔っ払っていて、目が据わっている。
「宝探しの依頼を受けてさぁ!未盗掘の洞窟に行ったわけ。これがホント未踏なわけよ。だから罠の解除も回避も大変でさぁ!俺、めっちゃ大活躍よ。依頼人は怖がって一緒に来なかったけど、もう一組のパーティと共闘でさぁ。これがもう、あいつらマジで、全っ然役にたたねぇのよ」
ラッツの横には、旅のお供の騎士アレス。手には水。正面には、この村で合流した半獣のネオ。手には酒。
ネオの隣に回復魔法が使えるユーズ。手にはミルク。という配置である。
彼らをぐるり見回して、ラッツは続けた。
「結局さぁ、最奥で結構金目のお宝が見つかったわけ。こりゃいくつかガメてもバチ当たんねぇぞってくらい。俺が一番役立ったんだから、そんくらいの役得ないと納得いかんわけよ!それをだ!!あいつら!」
思い出してさらに激昂したラッツが、再び酒を机に叩きつけようとしたところで、ネオが無言で己の肉厚の手のひらを差し入れて、ジョッキ破壊を阻止した。
反対の手で、己の酒をぐいと飲む。
ラッツは俯いて、悔しさと怒りにブルブルと震えた。
「この俺を!!昏倒させて!!全部!!盗んでいきやがった!!依頼は失敗!!報酬ゼロ!!依頼人に罵倒される始末!!おかしいだろ!!こんなの!!」
力一杯叫んだのだが、仲間の誰からも、なんの言葉ももらえず、ラッツは顔をあげた。
まずは横を見る。隣のアレスは眉をひそめて、
「ラッツさん、宝探しの依頼で見つかった宝をくすねるのは良くない事ですよ。むしろ彼らと同じ側じゃないですか」
彼の性格そのままに、真面目優等生な回答をくれた。
斜め前のユーズは、アレスの言葉に深く頷き、
「そうですよ。ラッツさん。いつも自分がやってる事をやりかえされただけじゃないですか。そういうの、自業自得って言うんですよ」
と、冷たい。
正面のネオに目を向けると、彼はニッと笑い、
「無能だと思ってたヤツらにしてやられたのが悔しいだけだろ。うかつだったな」
と、核心をグサリと突いてくる。
ラッツは泣きたくなって、空に向かって叫んだ。
「誰も同情してくれない!!!」
「「「日頃の行い」」」
即答の三人の声がそろった。
ラッツは突っ伏して泣きわめき、三人は苦笑いしながら、彼が酒で意識をなくすまで愚痴に付き合ってあげたのだった。

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