ゆらゆらとゆれる海の底で、輝いているのは光の塔です。そこは、住む人がみな癒やしを求めて集まるところ。海の底の静かな街です。
生命が誕生すると、光の塔の輝きが増します。きらきらした粒があちこちに舞い踊り、軽やかなメロディーを奏でます。街の人びとはそれをみて、共に歌います。その歌に合わせて海の生きものたちも楽しそうに泳ぎ、ゆらめきます。
街が1番輝くのは、満月の日です。深い深い海の底にある街に月の光が届くのは、満月の日だけなので、みなその日を心待ちにしています。満月はとても大切な日なのです。
今夜は満月。
「今夜は特別な光が届く。みなで祈るのじゃ」
と、長老がみなに伝えました。
街の人びとはそれぞれ大切なものを持ちより、光の塔のまわりで満月を待ちます。
月が満ちて、海がぱかんと割れて、海底の街に月の光が射し込みました。なんともいえない心地よさに、みな目を瞑り、祈りはじめました。祈りは光となり、月の光と混ざり合ってさらに輝きを増しました。そして、ゆっくりゆっくりらせんを描きながら昇っていきます。人びとは目を開け、その光景を黙って見守ります。その光が海の上まで到達したとき、ぱかんと割れた海は元に戻ります。
「祈りは通じた。みなご苦労じゃった。さて今宵は朝まで歌い踊ろうじゃないか!」
長老の言葉に、みな歓声を上げ、宴がはじまりました。今夜の海底の街は、いつも以上にきらめいています。
「モカちゃん、お手紙書けた?」
ママが、モカちゃんにたずねました。
「うん、かけたー。サンタクロースさん よんでくれるかなあ?」
モカちゃんは答えました。
習ったばかりのひらがなで一生懸命書いたので、ちょっぴりお疲れモードです。
「良かった!じゃあ、そのお手紙はママからサンタクロースさんに渡しておくわね。」
ママがお手紙をのぞこうとすると、
「だめ!!!」
といって、モカちゃんはお手紙を隠してしまいました。そして、
「これは、モカちゃんがサンタクロースさんにわたすの!ママにはひみつなの!」
と、お部屋に逃げていってしまいました。
「まあ、大変。これじゃモカちゃんが何が欲しいか分からないわ。どうしましょう。」
ママは困ってしまいましたが、ピンポーン!とお友だちが訪ねてきてそのまま出かけることになり、プレゼントのことをすっかり忘れてしまいました。
…さて、クリスマスの夜です。
クリスマスパーティーを終え、大満足のモカちゃんです。ベットに入るともう眠くてたまらない様子。
「サンタクロースさん、プレゼントくれるかなあ?ねえママ…」
むにゃむにゃいいながら、あっという間に寝てしまいました。。
さあ、たいへん!
ママはプレゼントを用意していないことに気づいたのです!しかも、モカちゃんが欲しいものが分かりません。
ママはまず、サンタクロースさんへのお手紙を探すことにしました。お家のなかをあっちをガサゴソ。こっちをガサゴソ。真夜中すぎまで探しましたが、どこにもみつかりません。困りに困って疲れ果ててしまったママは、モカちゃんの横に座りあれこれ考えるいるうちに、いつの間にか眠ってしまいました。
…朝です。
「わー!!!」
と、モカちゃんのはしゃいだ声がします。ママはびっくりして目が覚ました。
モカちゃんは、何かのぬいぐるみをぎゅーっと抱きしめています。
「ママみて!サンタクロースさんからのプレゼントだよ!サンタクロースさん、ありがとう!わーい、かわいいなあ♡」
モカちゃんは、にっこり。
それは、モカちゃんとママそっくりのネコのぬいぐるみでした。
「あらほんと。かわいいわねぇ~。モカちゃん、良かったわねえ~。」
ママも思わずにっこり。
そして、これは誰が用意したのかしら?と不思議に思いました。ふと、昨晩探してもみつからなかったサンタクロースさんへのお手紙のことをモカちゃんにたずねてみました。
「ねえ、モカちゃん。サンタクロースさんへのお手紙って、書いたあとモカちゃんはどうしたのかしら?」
「えっとね、サンタクロースさんへのわたしかたがわからなくて、ようふくのポケットにいれたまま…」
と、モカちゃんは赤いもこもこのコートのポケットのなかをガサゴソ…
「あれ?おてがみが、ない。このふくじゃなかったのかな…」
モカちゃんは、不思議そうな顔で違う洋服のポケットを探し始めました。。
その様子をみて、ママは、
「今年は、我が家に本物のサンタクロースさんがきてくれたのねぇ~。サンタクロースさん、ありがとう♡」
と、モカちゃんに聞こえないようつぶやきました。
おしまい。
女の子の名前はサラ。
サラは、目が覚めるとまず始めに窓を開けます。お日さまの光を浴びるのが毎日の楽しみなのです。が、今日は残念ながら少し曇り空です。しかも、冷たい風がぴゅーぴゅー吹いています。
「今日はお日さま、みえないのかなあ?」
と、サラは窓から身をのりだしました。その瞬間、ぺたっとおでこになにかがあたり、はらりと足元に落ちました。
「わあ、びっくりした~!ん?なんだこれ?」
サラはぶつぶつ言いながら、落ちたものを拾いあげました。みたこともない形の落ち葉でした。なにやら文字のようなものが書いてあります。
『⭐&♡&∞&♬』
「うーん、なんて書いてあるかなあ?読めないなあ…。」
サラは落ち葉をひっくり返してみたり、しばらくそれをながめていましたがなんと書いてあるか見当もつきません。でも、好奇心旺盛なので、どうしてもこの文字らしきものが気になって仕方ありません。あれこれ考えて、村1番の物知りおじいの家に行って聞いてみることにしました。
朝早くの可愛い来客に、優しい物知りおじいは大喜び。あったかいココアを入れてくれました。サラが落ち葉をみせると、にっこり笑って、
「おそらくこれは、冬の妖精が書いたものじゃな。今、なんて書いてあるか調べるから待っててな、サラ。」
と、言いました。
そして、落ち葉を片手に何やら本棚から辞書らしき分厚い本を取り出して調べ始めました。ふむふむ、と落ち葉の文字を読み終えたおじいは、
「サラ、分かったぞ!これは、″冬の足音″と書いてあのるじゃ。冬が来たよ、という冬の妖精からの手紙じゃのう。」
物知りおじいの言葉を聞いて、サラはふふふ、と笑い、こう言いました。
「今日はお日さまには会えなそうだけど、可愛らしいお手紙を冬の妖精さんからもらえたから、とってもステキな日だわ!物知りおじい、ありがとう!!!」
おしまい♪
もうすぐクリスマス。
あらいぐまのこどもたちが、あつまってきました。みんなりょうていっぱいにさまざまなものをかかえています。
ふわふわのマフラー
いろとりどりのけいとのぼうし
クリスマスツリーのもようのくつした
いいにおいのするふかふかのタオル
あまーいおかしのつめあわせ
ひげせんようのシャンプー
じょうぶなあったかブーツ
ゆっくりねむれるパジャマ
ありがとうをたくさんかいたおてがみ
にがおえやきれいなはっぱやいし
etc.
どうやら、サンタクロースさんへのプレゼントのようです。ことしは、だいすきなサンタさんへ、みんなからもプレゼントをよういしたのですね。ステキ!
さて、これをどうやってわたすのかな?
あらいぐまのこどもたちは、あーだこーだとわいわいはなしています。
…その夜。
サンタクロースさんは、いつものようにこどもたちにプレゼントをくばっていました。すると、いえといえとのあいだに、しらないいえがぽつん、とあることに気づきました。ちかづいてみると、
『サンタクロースさんへ』
と、ドアにかみがはってありました。
サンタクロースさんは、ふしぎにおもいながらもそのドアをあけてみました。すると…たくさんたくさんのプレゼントがおいてあったのです!
サンタクロースさんはびっくり!!
なかみをみて、さらにびっくり!!!
そして、うれしくてめからなみだがほろりほろり。
サンタクロースさんのプレゼントのふくろは、いつもかえるときはからっぽなのですが、ことしはサンタクロースさんへのプレゼントでいっぱい。
サンタクロースさんは、やさしさいっぱいのふくろをかかえて、にこやかにサンタクロースのくににかえりました、とさ。
おしまい。
誰もいなくなったこの世界に、ボクはただ一人残されて空を見上げる。凍てつく星空はボクの心を凍らせる。いや、ボクが心を閉ざしているから、星空も凍ってしまったのか。
ボクは知っている。本当は一人ではないことに。知らぬフリをずっとしてきた。怖くてたまらなかったから。まわりを責め続け、全てを投げ出したボク。逃げてしまったたあのときから、どれくらいたったのだろうか?殻の外はいま、どうなっているのだろう?
…さきほどから、固い殻にひびが入っていることにボクは気づいていた。少し光が射し込んでいる。その光に照らされた自分の手が、想像以上にシワシワなのに驚いた。
このまま、ここで終わるのか。
それとも…
ボクは久しぶりに立ち上がる。上手く歩けないが、ゆっくりゆっくり殻に近づく。
そして、ひびが割れているところを両方の拳で思いきり叩き始めた。