ね。

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2/9/2026, 2:08:18 AM

悪魔と契約したからさ、ボクはホントには笑えなくなっちゃったんだよ。
ま、周りから見たら、ちゃんとしたタイミングでそれなりの笑顔を作ってるから、ボクがホントは笑ってないことは誰にも分からないだろう、と思ってたんだ。



それがさ、唯一、キミは気づいちゃったんだよねー。びっくりしたー。
しかも、キミは天使と契約してるって。
なんだかなー。




悪魔と契約した、ボク。
天使と契約した、キミ。
ある意味いいコンビだよね。


これからどうする?
キミがしたいことはある?
ん?
本気でボクを笑わせてみたい、って?


ははは、大丈夫。
もう笑ってるよ、大爆笑さ。
だってさ、こんな出会いなんて、面白くてたまらないじゃない。
見た目じゃわからないよ、悪魔と契約したボクの笑いは、この後ろの顔で出てるからね。
そ、背中のスマイルマーク、みてみて。
めちゃくちゃ笑ってるでしょ。
ボクもはじめてみたよ、こんな笑顔。


2/8/2026, 4:00:52 AM

″どこにも書けないこと、をどうぞ″
と、ノートの表紙に書いてあった。
古びた喫茶店の一席に、このノートはひっそりと置いてある。



ページをめくると、
「わたしは ずっと 怒っている
わたしが ずっと 生きていることに」
と、書いてあった。
見覚えのある、美しく整った文字だった。




これは、彼女が書いたものだ。
ボクは、コーヒーをひとくち飲み、大きく深呼吸をする。
そして、もう一度、書いてある文字を読む。
「わたしは ずっと 怒っている
わたしが ずっと 生きていることに」






天国にいる彼女は、
もう怒ってはいないのだろうか?
いまは、
穏やかに笑っているのだろうか?

2/7/2026, 8:19:42 AM

ボクが死んだら
この時計の針は 
止まるのだろうか

ははは
止まるわけないか


この時計の針は 
電池が切れるまで
ずっと ずっと
動き続けるだろう

そういうものだ

2/6/2026, 5:11:08 AM

弟は、
大好きなものが目の前にくると、
たちまち色が変わる。
ホントに不思議だ。


色が変わるのに気づいてるのは、
姉である私だけ。



ちなみに、
どんな色に変わるかというと…

お母さんは、ピンク
お父さんは、みどり
おばあちゃんは、あか
おじいちゃんは、あおみどり
お兄ちゃんは、きいろ

そして
私が目の前にいくと、
なんと、にじいろに変わるのだ!
(なんか特別感があって嬉しい)



弟はまだ産まれて間もないし、きっと溢れる思いを身体全体で表してるんだろうなあ…
と、私は勝手に思っている。



私の大切な大切な弟は、
本当に見ていて飽きないのである。


2/5/2026, 4:15:20 AM

初めてkissをしたのは、飼い猫だった。
名前は「トラ」といった。
トラ柄だったから母がそう呼び始め、家族みなに定着しのだが、いまおもえば相当ベタな名付け方だな、と思う。



トラは、いつも私の側にいた。
勉強するときも、寝るときも。お風呂に入っているときでさえ、風呂場のドアの横に丸くなって待っていたのだから、本当に私のことが好きだったんだな、としみじみする。もちろん、私もトラのことが大好きだった。





そんなトラも22年も生き、寝てばかりの毎日になったある夜、私はいつものように布団で本を読んでいた。


トラは、本のページをめくるたび、少しだけ耳を動かした。その様子が愛おしく、私はトラの背中を優しく撫でた。するとトラは、私の方に顔を向け、真っ直ぐ私の目を見つめてきたのだった。
しっかり目を開けたトラをみるのは久しぶりで、随分歳をとったというのに、キラキラした美しい瞳だった。


私はたまたま恋愛小説を読んでいたこともあり、見つめあうわたしたちは、なんだか恋人同士のようだな、と笑ってしまった。

私が目を瞑ると、まるでkissをするかのように、トラが鼻を私の唇にちょん、とつけてきた。その仕草が可愛くてたまらなくて、私はトラをぎゅっと抱きしめたのだった。




数日後、トラはこの世を去ってしまったが、あの日読んでいた恋愛小説はいまも本棚にあり、その背表紙をみるたび、大好きだったトラを思い出すのである。

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