12/24/2025, 1:06:31 PM
遠い日のぬくもり
これは夢だろうか。
あれは幼い頃の私だろうか。
蹲って、地面に何かを書き付けている。
『ねぇ、どうして独り頑張ってるの?』
無邪気な顔が首を傾げている。
『誰も頑張ってる確証がないのに、どうして独りだけ頑張らなきゃいけないの?』
変なの、と無邪気な顔した幼子は、地面に向き直った。
「頑張って、乗り越えたら、自信がつくと思うの。何も無駄にしたくないし、経験した事は全て糧になるから。」
幼子は、こちらを見向きもせず、『ふうん』と気のない返事をして、地面に何かを書き付けている。
『―――なきゃ良いけど。』
風が2人の間を駆け抜けていって、聴き取れなかった。
『頑張るって言ったのアンタだよね。さっさと頑張ってやっちゃいなよ。すぐ片付くんでしょ?何で頑張れないの?早く、手が遅いんだから。こんな事も出来ないの?ポンコツ。』
誰のものかも解らない声が聴こえてきて、身体が動かなくて、叫んだ。
「うるさい!黙って!」
気が付いて時計を見たら、丑三つ時。
叫んで飛び起きても、真夜中の静寂に吸い込まれて掻き消える。
12/16/2025, 10:30:51 AM
【君が見た夢】
12/7/2025, 10:47:03 AM
「白い吐息」
吐く息は白く、夜空に湯気を立てて消える。
すれ違う人の波は、気忙しく過ぎて行く。
キンッと鳴る寒さと静謐に、白い吐息が応えるようだ。
常は静かなはずの夜の境内に、灯りと酉の市が立っている。
時折、聴こえるのは縁起物にまつわる掛け声と手拍子。
わっと上がる歓声と拍手が、凍てつく夜空へ吸い込まれていった。
来る年には、より良き日々を願う。
去る年には、労いと自愛を尽くそう。
12/4/2025, 12:47:30 PM
【秘密の手紙】