刺してくれたら
良かったんだ

殺してくれたら
幸せだったんだ

それが
どうしても言えなかった

その言葉が
救いにはならないから

同じ朝を繰り返す
痛くて痛い

寒さで壊死した心は

どうにも重くて
気持ち悪かった

間違えた

それが分かったのは
皮肉にも経験則だった

振り払われた手
貼り付けた様な笑顔

嗚呼
やり直し不可だ


光を強くするのは
きっと御法度なのだろう

それ以上に
影が強くなるから

手を伸ばす
伸ばし続ける

それでも
今は決して

届きはしない

それでも
今はまだ

諦めたくない

その為の
燃料としての命

やがて止む雨を待つ
いつか降る星を待つ

その時には
貴方達との関係に

確かな名前が
付いている事を願って

何も残らないわけじゃないよ

そう、
言われた気がした

悲しくはなかった

虚しくは
あったかもしれない

わからなかった

それが途方もなく
痛かった

恋をしていた貴方

そんな貴方からの
最期の手紙

懐かしい達筆と
右肩上がりの文字

僅かに震えていた

私は、今
夢を見ている