入木

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5/26/2023, 11:59:36 AM

「願い事とか無いんだ、叶わないと辛いから」
形だけ作った笑いから上げた口から、
ため息混じりに彼女は言った。
「願ったことは大概、叶わなかったから、
私の願いはそういう物になるんだ」
諦めた様な口振りで、自虐的に笑いながら語る。
「だから諦めたんだ、期待すると辛いだろ?」
そうだね、貴方の気持ちはわからないけど。
「もう良いんだ、こんなものだって、
諦めたら楽になったんだ、本音でね。」
そんな風に笑う貴方は自傷的で、
何よりも哀しみに満ちてる様に見えるんだ。
「願わないから、奪わないでくれ」
それすら願いの一つだと貴方は気づかないまま。
祈るように零したそれを、
ただ月が嘲笑うように見ていた。

#月に願いを

5/24/2023, 10:43:29 AM

それでいい。
それでも戦え。

#あの頃の不安だった私へ

5/22/2023, 3:39:32 PM

明日なんて要らなかったよ、
素晴らしい物なんて無いだろ。
疲れ果てて、眠るように消えるんだ。
今日もそんな物だった。

夢見るたびに消えるなら、
それは無いのと同じだと、
泣き腫らした目で語るのか。

それがあんたの明日なら、
それにどれほどの意味があったと
攻めたてる昨日が追い立てる。

逃げるように去ろう、
さよならを言い訳に、
来る明日を言い訳に。

出会いは別れの言い訳か、
それにするのは俺の弱さか。

若草の色が懐かしい、
それも俺の弱さか。

新緑は弱さを置き去りに、
ただ俺を慰めるように蒼かった。

#昨日へのさよなら、明日との出会い

5/2/2023, 10:29:38 AM

その目が嫌いだ。
慈愛に満ちた様な素振りで笑う、
貴方のその目が嫌いだ。

その手が嫌いだ。
温もりなど欲しくはないから、
貴方の暖かい手が嫌いだ。

哀れみなど欲しくないからと、
遠ざけても追ってくる。
貴方のその足が嫌いだ。

焦がれていた気がする言葉を
歌のように口ずさむ、
貴方のその口が嫌いだ。

その目が嫌いだ、哀れみではなく、
ただ無垢で透明な、薄い蒼に染まる目が嫌いだ。

その澄んだ、狂いそうな蒼が憎かった。

#優しくしないで

4/14/2023, 12:02:00 PM

貴方からは何も頂きませんでした。
命以外は何も。
恨み言を述べたいのではありません。
私は施しは欲しくはありません。
叶うのなら一つだけ、
ただ、見ていて。
父なる貴方へ。
一つだけ祈りにて賛辞を。
命に纏わる事柄の全てへ。

#神様へ

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