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5/25/2024, 9:41:04 PM

クッションに泥濘む身体
窓を叩く雨粒の音
起こそうとした頭は撫でるよう
再び深く沈まされる

もう行かなくちゃと腕を叩き
まだ行かないでと頬がすり寄る
もう少しもう少しだけと
冷たい身体が吐息と混ざる

今年も用意されない帰り道
最初から
捕り殺して連れていけば
悲しくならずにすんだのかな


‹降り止まない雨›



わたし
あの日のわたし
悩んでいたわたし

沢山の後悔をした
何度も何度も振り返った
分かっていた事を分かっていた通り喪った

それでも
確かに希望があった
知っていたものを知っていた通り得た
間違いようのない
確かに幸福の道だった

きっと
もう一つの道を選んでも同じだった
悔やんで失ってそれでも
確かに希望と幸福を得た

だからわたし
あの日のわたし
どちらを選んでも正しかった

それでも
悩んでいたわたし
あの日のわたし
もしも覚悟があったなら
もっと勇気があったなら
自分で道を拓けたなら
何も後悔しない道を
一つも失わない未来を
わたしは

‹あの頃の私へ›

5/24/2024, 8:49:14 AM

「あ、取れちゃった」
「えぇ、またぁ?もっと上手に使いなさいって
 前も言ったでしょう?」
「だってかわいいから……」
「だってじゃありません、全く……。
 ちゃんと次のは用意できてるの?」
「してない。また待てるから大丈夫!」
「本当にアレが好きねぇ……」
「あの子がいつも一番かわいいんだもの」

「でも次は星とかで生まれてくれると良いなぁ」

「にんげんってもろすぎるもの」

<逃れられない>

5/22/2024, 12:37:00 PM

じゃあね
バイバイ
さようなら

いつも軽く手を振る友人に
常日頃思っていた不満だった

「どうして『また』って言ってくれないの」

一つ瞬いた瞳が淋しく細められて

ーーーー鳴り響く鐘の音

目が閉じられていくと共に
端から消えていくその身体を
崩れていく光景を
組み立て直される世界を
記憶へと還っていく全てを

「きみが『二度と』来ないからでしょう」

夢の残滓が一欠片
忘却の海に消えていく

<また明日>

5/22/2024, 9:59:01 AM

わたしだけを吸って
わたしだけを飲んで
わたしの中だけで循環したなら
せかいはきっと平和だったのに

生命は貪欲で
生命は真っ直ぐで
そしてきみは未来を目指すから

産声を上げたきみを祝福する
外へと旅立つきみを祝福する
どうかきみを満たすものが
きみにとって善いものであるように


<透明>

5/20/2024, 11:00:40 AM

たとえば生まれた時からそばにいて
同じ家で同じ部屋で過ごして
同じものを食べて同じ経験をして
同じように当たり前のように
二人成長して大人になって
なんだかんだ死の際まで隣にいれたら

なんて

別に嘘でもなかったけれど

あなたがそれで幸せになれないのなら
そんな約束投げてしまってほしかった

あなたに幸せになってほしかった
ただそれだけだったのに

<理想のあなた>


知ってるかい 知ってるかい
エレベーターで喧嘩しちゃいけないよ

知ってるさ 知ってるさ
狭いとこの喧嘩は大迷惑だ

知ってるかい 知ってるかい
相手を残して出ちゃいけないよ

知ってるさ 知ってるさ
捨て台詞で逃げられちゃうんだ

知ってるかい 知ってるかい
今はそうでもないそうだが
吊る紐が切れて 吊り紐が切れて
箱ごと真っ逆さま御陀仏と

知ってるさ 知ってるさ
だから此処から出られない
ごめんなさいも言えないのさ

<突然の別れ>

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