3/12/2025, 10:35:30 AM
「じゃあ、また明日」
空が茜色に染まる頃、通学路の分かれ道で親友に言った。
「うん。またね」
親友は屈託のない笑顔を浮かべている。夕日が照らすせいか、いつもよりも眩しい。
咄嗟に反らした視線の先には、長く延びる黒い影。己の内なる心を映すような、欲に塗りつぶされた色だと思った。
親友に向く特別な感情を、今日も伝えられなかった。言ってしまったら、二人の関係が終わってしまうようで。
僕たちは友達同士のまま、今日を終えた。
鳥がさえずる朝、空には爽快な青が広がっている。
「おはよう」
いつもの通学路で、親友に声をかけた。こうしてまた、友達同士の一日が始まる。
3/11/2025, 3:17:22 PM
夜道を歩いていると、君が空を指差した。
ねぇ、あれを見て。と言うが、空には無数の星が輝いていて、どれを見るべきか悩んだ。とりあえず適当な相槌として「うん」と返す。
綺麗だよね、と笑う君を見ながら、また「うん」と返す。僕の視線にも気づかず、無邪気に笑う横顔。
僕にとっては、君が一番綺麗に輝く一等星。