ささやかな約束
「大人になって、お互い居場所もなくてどうしようもなくなったら一緒にいない?」
『それって約束?』
「そうだね。ささやかな約束。」
『そんな日が来ないといいね。
そんなどん底の人生なんてお互い歩みたくないだろう』
「それもそうだね。けど約束だよ。」
『わかってるよ。約束ね。』
そんな約束を思い出した今、『私』はもうどうしようもなく狭い世界でどん底を生きている。
心の迷路
この世の言葉じゃ表せない何かに追い詰められる感覚がずっとずっとあって、私が私でないと感じる瞬間がある。
ずっと「私」という何かを操っているようで、
答えの無い迷路みたいに迷い続けて抜け出せない。
「私」を理解しようとしたところで
私の心の迷路に正解なんてないのだから
抜け出せるはずがないの。
どうすればいい?どうすれば答えのある迷路になる?
熱が出るほど考えてもわからなかった。
もういっその事心なんてなければいい。
心の境界線
私は壁を作っているらしい。
完全に無意識だ。
疎外感が否めなくて、相手の理解を素直に受け取れない自分がこの世界の何よりも嫌いだった。
もしこの境界線がなくなったところで
功罪相半ばするだけだろう。
であれば正解は何?
私にはわからない。分かりたくもない。
灯火を囲んで
私はどうも火に縁がないらしい。
キャンプファイヤーなんてものは見たことがないし
手持ち花火もしたことがない。
花火大会に行こうとしたとき、熱が出たこともあった。
線香を炊けば火傷をした。
別に困ったことは無いけれど、
私にだって灯火を囲む権利はあるだろう?
冬支度
クローゼットの奥から引っ張り出した冬物の服は
まるで時が止まったかのように、
服のシワも、匂いも、去年のままだった。
私みたいだと思った。
去年と何一つ変わらない。
成長も衰退もしない。
しかし、
これからの必需品になる冬服は
どんどん私を置いて成長するだろう。
であれば、私に例えるのは失礼かもしれない。
そんなことを考えていたら
冬支度を終える前に心がやられてしまいそうだ。