いつからか
年に一度、純粋な子供にだけ現れるあの人が
私の前に出てきてくれなくなった。
現実ばかりを見すぎて
目の前の幸せにも気づけない私には
もう贈る物なんてないらしい
凍てつく星空
どのくらい時間がたったのだろう。
私の頭上にある星々は
そこから1歩も動かず留まっている。
まるで凍っているようだった。
学生特有の悩みは晴れず、
空ばかりが晴れるこの世界にうんざりしていた。
考えすぎだと言われても
考えなければ死んでしまいそうで怖かった。
けれど夜だけは私の味方だった。
誰にも邪魔されず、ただ静かで暗くて
凍てつく星空だけが私を包んでくれる。
もう一生朝なんて来ないんじゃないかと思えた。
しかしそんな夜も呆気なく終わるらしい。
見えない未来へ
過去はいつでも明るかった。
今とは違う輝きをもっていた。
1度手にしたはずなのにどうしようもなく羨ましい。
そのくせ未来はくだらない。
見えもしないし分かりもしない。想像なんて出来やしない。なのに拒むことすら許されない。
こんなものの何が明るいんだ。何に夢を見ているんだ。
見えないものに期待して、見えないものを夢見るのもいい加減にして欲しい。
見えない未来に飛び込む勇気も興味も私にはない。
君を照らす月
ただただ君を照らせるようになりたい。
僕といる君がいちばん綺麗だと言いたい。
そんな役目を1番に奪ったのは月だった。
あぁ憎らしい。
君のとなりは僕であるべきだったのに、
月は毎晩君を照らすんだ。
君を照らす月はどこか得意げに見えて、
落ち込む僕の傷に塩を塗る。
僕が照らすはずだった君の横顔は、
月明かりによって悔しいほどに輝いていた。
木漏れ日の跡
あの日、私たちは木漏れ日の下に全てを埋めた。
こぼれる光に自らを託すように
そしてできる限り輝くように。
こんな私たちでも木漏れ日の下では輝けた。
木の上のもっと広い世界に飛び立つことを夢見た。
けれど世界は残酷だ。
私たちが目指していた1番遠く大きな光源は
私たちを置いてずっと先に進んでしまった。
私たちは木漏れ日の跡に取り残された。
欲に負け、努力もせず他人の力で輝こうとした罰だ。
この先の私たちは、もう一度光源が歩む道に
重なり合うことだけを願う愚鈍で盆暗なものである。