かなしあそばせ

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12/26/2025, 12:59:52 PM

君とふたりゆきをふむ。
君とおなじけしきみる。
君と君と君と君にいいたい。

きれいだよって。

『雪明かりの夜』

12/25/2025, 4:27:44 PM

君にかよって3日たつ

そしたら宴とみかよのもち

添い寝もいたそう 宵のあと



華奢な君は 無口なようで

触れても赤くはならないな

白い君は変わらないけど

もいちど私が触れたなら

からんと体を鳴らす君

愛おしくてたまらない



シマリス 野うさぎ ガラガラヘビ

みんなも集まり宴する

大きな栗の木の下で

屍のあなたと添いとげよう


ずぅっと愛していますから

どうかもう私から逃げないで

あなたのそばに けふいこう


『祈りを捧げて』

10/11/2025, 10:16:09 PM

……どこだここ。
私は迷子になってしまったみたいだ。
目から入ってくるのは情報は、動かない信号機と、消えかかった白線。
その光景にぼうっとしていたら、後ろからドンッと衝撃がきて、声がした。

「おい、早く渡れよ。」

「ごめんなさ……」

私は後ろを振り返ってその声の主を見ようとした。
そうしたら、私の目に入ってきたのは信号機だった。
信号機が動いた?いや、信号機が喋った?
なんだろうか、妙な胸騒ぎがした。。

あ、これ夢か。
そう自覚した瞬間、曖昧な夢の風景は白くフラッシュを炊かれたように消え、意識が遠のいた。。

ふぁさっ、っと机の上になにか紙が置かれたのがわかった。
私は目を開けた。
ゆっくり体を起こし、軽く伸びをした。

「やば、休み時間もう終わり?」
休み時間……そうだ。私は休み時間に仮眠をしていたんだった。

とたん、上から声が降ってきた。
「安曇、進路の紙早く出しなさい。」
声の主は担任の先生だとすぐわかった。

「はぁーい」
めんどくさい。

進路とか、分からない。

窓から差し込む光と、窓から見える交差点を見て、また、仮眠した。

『未知の交差点』

9/26/2025, 2:31:03 AM

どう思う?
パラレルワールドってさ、私の可能性の全てが広がっているってことだよね?
パラレルワールドなら私がフィギュアスケートで舞い踊る世界線も、ヒヨコ鑑定士で業界トップになる世界線もあったわけだ。

もしも、もしも?私が男だったら?

もしも、私が猫だったら?
人間じゃないなにかなら。

もしも、生物でもなく、無機物になっていたら?

私という存在は、何なのだろうか。
『パラレルワールド』

8/11/2025, 11:16:38 AM

『こぼれたアイスクリーム』

――カランカラン、と古びた引き戸が開く音。
「おばちゃん!アイスクリーム1つ!」
まだ声変わりの途中の、高く弾む声が店の奥まで届く。

棚の影から、腰の曲がった“おばちゃん”が現れる。
「あいよ〜」
小さな手が指さすのは、冷凍ケースの中で眠る棒アイス。
おばちゃんは蓋を開け、キンと冷えた空気と一緒にアイスを差し出した。

少年はポケットから小銭を出す。チャラチャラと、金属の音。
それをおばちゃんが受け取った瞬間――

ポトリ。
手から滑り落ちたアイスが、真夏のアスファルトにぶつかる。
溶けかけた白がじわじわと黒い地面に広がり、
さっきまで涼しげだったその色が、急に儚く見えた。

少年は一瞬固まって、唇を噛む。
おばちゃんは、ふっと笑った。
「…もう一本、持ってきな」
冷凍ケースの蓋がまた開き、キンとした空気が流れ出す。

蝉の声が、やけにうるさく聞こえた。

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