『バレンタイン』
君ってさ
甘いときもあれば
ほろ苦いときもある
すぐ溶けてなくなるくせに
ほんのり奥歯の奥にいる感じ
どんなものでもなんか馴染んで
気軽にも特別にもなれる
そんな君が
手離せなくなったみたい
『待ってて』
バス停で待つ
運命の出会いを待つ
声をかけられるのを待つ
仲良くなるタイミングを待つ
LINEを待つ
隙を待つ
初デートで待つ
次会える日を待つ
じれったいけど……待つ
好きを待つ
手をつないでくれるのを待つ
「寒いから」と抱き寄せてくれるのを待つ
遊園地の観覧車を待つ
口づけで世界が止まる瞬間を待つ
終電で帰れない夜を待つ
シャワーから出てくるのを待つ
耳元で「おはよう」と言ってくれるのを待つ
桜が舞う春を待つ
汗ばむ夏の夕立を待つ
山並みが秋に染まるのを待つ
冬のクリスマスを待つ
好きが愛に変わるのを待つ
また記念日を待つ
愛が永遠に変わる日を待つ
言われなくてもずっと……待ってるから
……早くしてよね
『伝えたい』
世界を物語る時
「」は生まれた
「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」
「」はいつもそばにある
文字にできない沈黙だって
「」は優しく包むだろう
そこで僕から提案だ
「僕らは人間なのだから」
常々
徒然なるままに
心に言葉があふれちゃう
「僕らは人間なのだから」
時々
無様で不器用で
ドキドキ心細い
「僕らは人間なのだから」
それでも堂々胸を張り
伝えていこう
まだ見ぬ明日へ
「僕らは人間なのだから」
「この場所で」
世界は眩いばかりに閃くと
わたしを宙へと投げ出した
ガガーリンが「地球は青かった」と言うけれど
わたしの地球は茶色に乾いたグラウンドだ
一拍の静寂と
情熱がほとばしる夏の声
届きそうで掴めない蒼天に
放物線をわたしは描く