今すぐ、この思いを画面に叩きつけたい。
アイツの名前をぶちまけたい。
なのに、書けない。
一文字も入力できない。
「くそっ、なんでだよ……!」
何度も画面を叩くが、文字は一向に現れない。
それもそのはずだ。
俺の指が、さっきから画面を通り抜けている。
俺を殺した奴の事を、早く世界中に知って欲しいのに。
『どこにも書けないこと』
「この熱い夜は君の記憶に一生残るぜ!」
男はベッドで裸のまま呟いた。
隣で女が呆れ顔で服を着ている。
男は、自分の誇りを指差し不敵に笑った。
「見てみろ。俺のこれは、まるで時計の針だ。今も情熱の12時を指している。世界平和を象徴する、天を突く極太の長針だ!」
女は、カバンを掴むと冷ややかに言った。
「そうね。でも、あんたのそれ『秒針』並みの速さで終わったわよ」
唖然とした男の針が縮み、絶望の6時を指した。
『時計の針』
私は今から1000年先の未来からやって来ました。
3026年、ついにタイムマシンが完成して人類は3分間の時間旅行に出ることが出来るようになりました。
何故3分だけか気になりますか?
1000年先も、まだ科学は完璧ではないのです。
しかし、私には今日、貴方がこの文章を読むこともわかっています。
私は貴方に、どうしても伝えなければならない事があるのでここに書きにやってきたのです。
そうです、ここに書けば貴方が絶対に読むこともわかっているからです。
ここからはツライかもしれませんが、絶対に目を背けないで最後まで読んで下さい。そして、明日の貴方に起こる、危機を回避するのです。
いえ、すみません正直に言います。
貴方の家族にも関係していることなのです。
それでは、明日、貴方に起こることを今から書きます。
明日、貴方は朝起きます、そして色々して、すみません時間が無くなってきたので少し省きます。
とにかく貴方は明日、玄関から外に出るのです。
外に出た貴方は歩道を歩いて横断歩道を渡るときが来ます。
その時です、貴方の後ろから真っ黒なダ
『1000年先も』
春先の公園。
ブランコを漕ぐ。
頬を撫でる風が心地よい。
私は不意に下半身にも風を直接感じてみたくなった。
ブランコが前後に揺れる。
きっと、あそこも前後に揺れる。
しかし、今ここで出すわけにはいかない。
街が寝静まったころ、誰にも気づかれぬように忍び足で、またこの場所へ。
あのブランコが前と後ろを往復するように、私もまた、この場所へと揺り戻されるのだろう。
『ブランコ』