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12/26/2025, 10:04:48 PM

『雪明かりの夜』


 遠くで鳴り響く 踏み切りの音
 最終電車か 人影まばら

 夕方までの 積雪を照らす
 満月を見上げて あなたを想う

 会えない日々が 続いているね
 風邪などひいては いないだろうか?

 お互い心配 させたくないと
 うそつく…ふたりは 似た者同士

 帰りのコンビニ アイスにスイーツ
 あなたの好きな物 ばっかり買ってた

 月明かりの夜は 遠回りしたくなる
 いっぱいあなたを 考えていたいから

 無口で不器用な 愛でごめんね
 泥んこの雪でさえ 愛したくなる夜


 

11/23/2025, 11:46:22 AM

『手放した時間』


 銀の時間をポケット入れて
 ラーメンみたいな青春…蹴って
 炭酸抜けたサイダーの恋
 ごみ処理施設の煙突のような夢

 何が、どうして、こうすりゃ、あーなる?
 答えを探さず聞いてるばかり
 身体は朽ちてくのに心は若くて
 死にたくないのに何度も首をつる

 常識や自立が誰かを追い込み
 正義と平和が殺人鬼になり
 狂った世の中は傍観者しか残らない
 透明になったりスイーツに擬態したり

 あのさ、それでさ、まーいいや、おっす‼️
 あの日に手放した時間がブラックホール
 喰われる前におまえに言いたい
 「愛してる」この世界も、汚れたおまえも



 

11/21/2025, 10:59:04 PM

『夢の断片』


 むしり取られ
 搾取され
 靴下みたいに穴を開け
 
 キラキラとした
 輝きも
 老婆の寝顔の肌のよう

 そして夢は
 身のほどを知り
 夢中でボクから逃げてゆく

 夢の断片
 散らばるカケラ
 拾えば冷たい雪になる

 「帰ってきな」と
 言えずに泣いた
 夢の断片よ……生きてくれ

11/19/2025, 1:28:47 PM

『吹き抜ける風』



 北風がびゅーって吹き
 襟を立て建物に逃げ込む
 愛情と知ってても
 熱が出て、咳き込んで寝込んだ

 吹き抜ける風が言う
 「あきらめな」面倒になるでしょ?
 雪が降る荒天も
 付き合う、覚悟して此処にいる

 南風の春を待つ
 来なくても何年も待つつもり
 ただひとり、たったひとり
 命をゆだねたい人なんて

 吹き抜ける風が泣く
 「どうして?」って尋ねてるみたいに
 冬じゃない季節へ…と
 世界がやさしいって、伝えたい

11/18/2025, 11:00:13 PM

『記憶のランタン』


 遠い過去へとテントを張って
 ひとりキャンプの夜もある
 風に凍えて料理をすれば
 会いたい人らの笑い声
 聴こえてくるから…酒を呑む

 シャイで恋など得意じゃないが
 忘れられない人もいる
 焚き火のようにゆらゆら燃えて
 苦しみさえも愛しくて
 死よりも恐れた…別れだった

 記憶のランタンかかげて歩く
 森や川瀬や田んぼ道
 友や恩師にゃ不義理のままで
 情けないこの身が恥ずかしい
 今の我が身を…墓にしたい

 ひとりキャンプも夜明けがくれば
 記憶のランタン火も消して
 高台に立ってコーヒー飲めば
 虫や鳥とも話する
 あなたを死ぬまで…心に抱いて


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