『クリスタル』
限りなく透明に近い
クリスタル
時に 恋や愛であり
時に 命や未来のようだ
儚くて叩けば割れる
クリスタル
それは 憎しみでもあり
それは 愛しさの裏返しだ
かざしたらキラキラとひかる
クリスタル
生きる 苦しみでもあり
生きる 言い訳みたいな涙か
限りなく透明に近い
クリスタル
きみは そこに何を見てる?
ぼくは 閉じ籠もる少女を、助けたい
『夏の匂い』
熱い空気と 青臭さ
汗にカビ臭 他人のにおい
不快不愉快 隠せずに
そんな自分を 持て余す
席を譲れば「老人じゃない」
「妊婦じゃない」と 恥をかく
強い冷房 体調崩し
食欲不振と 熱中症
夜の河川で 花火見る
しあわせそうだと 嫉妬する
夏の匂いは わがままだ
ひとりぼっちを 否定する
『カーテン』
何も変わらないのに
カーテンを開けただけで
世界と繋がる気がする
逆にカーテンを閉じ
昼間でも真っ暗だと
宇宙をさまよう気がする
遮光カーテンを買い
レースカーテンも買い
私は扉を手にする
それは勇気のようね
出し入れで変わる世界
自分で決めれる未来さ
少し怖くもあって
カーテンを開けられない
見なけりゃ傷つかないんだ
今日は開けてみようか?
カーテンのそとが見たい
昨日の私はもういない
『青く深く』
青く 深く さらに 深く
深海に 暮らしてる わたしです
海も 空も 山も 人も
どこだって 戦って 生きている
青い ひかり 求め 浮いて
何度でも 殺されて 沈んでく
夢も 恋も 親も 朝も
忘れた⋯と 言わなけりゃ 悲しくて
青く 深く さらに 深く
会いに来て ほしかった 人がいる
砂も 草も 泡も 命も
平等に ここにあり 眠るだけ
『夏の気配』
あなたを知ってから 戸惑う私
化粧も髪の毛も 服にも悩む
電車で会うだけで 繋がりもない
会話を盗み聞き 幸せになる
青春は梅雨空
どしゃぶりも多い
「死にたい」と泣くのは
習慣になった
青春はそれでも
梅雨明けをしちゃう
焦げついて焼けるほど
恋をする予感
今朝もまたいそいそと 鼓動は弾み
夏が来るその気配 浮かれる私