『渡り鳥』
この時期の渡り鳥といえば、ツバメ。
ついこの間、ある道の駅で低く飛ぶツバメを見かけたので、もしかしたらと屋根を見上げてみた。
すると案の定、建物の軒先に巣があった。
小さな黄色いくちばしが見えた。
そして、気が付かなかっただけで、足元には看板があった。
“ツバメの巣があります。ヒナが巣立つまで優しく見守ってください。”
行き交う人も、屋根を見上げては一様にみんな笑顔が浮かんでいる。優しい世界。
ツバメが巣を作るのは縁起が良いと言うけれど、確かにちょっと幸せな気持ちになった爽やかな週末。
『さらさら』
小さな手に砂を掴んでは
さらさらと落とす我が子
砂の感触を楽しんで
落ちる砂をじっと見つめてる
面白いんだよね、わかるよ
でもね
もうそれだけで30分以上経つんだよね
集中力すごいね
でもね
もういいんじゃないかなと思うんだ
ブランコとかすべり台とかもあるよ
あぁ聞いてないよね
今はそれが楽しいんだもんね
だよね…
『これで最後』
このTシャツ、だいぶくたびれてきたなぁ。
そろそろ捨て時か。
最後、あと一回着たら捨てよう。
――数日後。
あ、このTシャツ、捨てようと思ってたんだっけ。
洗濯しちゃったな。
せっかく洗ったんだし、もう一回だけ着たら捨てよう。これで最後。
――数日後。
あ、また洗っちゃった…。
『君の名前を呼んだ日』
小学生のとき、まだ子猫の君が我が家に来て、
家族みんなで考えた名前を呼んだ。
「にゃあ」
と返事をした君。とても可愛かった。
今思えばこの時が、
仲良くしたい(構いたい)私と
気ままにしてたい(構われたくない)君の
戦いの始まりだった。
君が天国へ行ってしまって何年も経つけど、
最後まで一方通行だったけど、
大好きだったよ。
『やさしい雨音』
思ってもみなかった
まさかお前が先にいくなんて
幼い日
いつも僕を追いかけてきていたね
順番は守らないといけないよと
あれだけ教えてきたのだ
きっともっと生きたかったことだろう
よく頑張った
今日は涙雨
雨音だけがやさしく響く
今はただ
安らかに