『子どもの頃の夢』
何年か前、歯医者に行ったとき。
そこは一画がキッズスペースになっており、子どもたちが、将来なりたいものを書いた折紙を壁一面に貼っていた。
待ち時間に読んでみると、
サッカー選手、野球選手、CA。
微笑ましい。
あとは…宇宙飛行士、医者、弁護士、会社員、教師…。
…あれ?堅実だな?
漢字だったり平仮名だったり、つたない字から、書いた子達はみんな小さそうなのに。
自分が小さいときは、みんなもっと…こう言ってはなんだが現実味のないことを書いている子がもっといたような。
社長とか。あ、これはけっこう叶えてる人いるかも。サッカー選手や野球選手はもちろんいたが、中には大統領なんて書いている子もいたような気がするのだけど。
地域差もあるのかもしれないけれど、最近の子はすごいなぁ。
『どこにも行かないで』
「どこにも行かないで。」
と、上目遣いの涙目で彼女は言った。
そんな彼女を見て、心が冷えた私。
あの時、私も彼女みたいに泣けたなら、
彼は私を選んでくれたのだろうか。
かすかな後悔が今も胸に残る。
…はずもなく。
今思うと、二股かけるような男に選ばれなくて本当に良かった。
あの頃の私に、目を覚ませと強く言いたい。
『君の背中を追って』
君の背中を追ってここまでやってきた
いつも羨ましかった
賢くて明るくて、ちょっと抜けてるところまで
そんな君に憧れて
卑屈になったときもあった
だから
君が私のことを羨ましいと言ったとき
心の底から驚いた
結局みんな
隣の芝生は青く見える
無い物ねだりなんだろう
『好き、嫌い、』
小学生のころ、道端にたくさん咲いてたコスモスの花でよくやった花占い。
好き、嫌い、好き、嫌い、…。
毎回同じ結果。
となると、子どもながらにも気が付いてしまう花びらの枚数。
気付いてからは「嫌い」から数えてた。
もう占いでもなんでもなくなってしまっている。
楽しかったな。
『雨の香り、涙の跡』
雨の匂いがする。
顔を上げて窓の外を見ると、低い雲が重くたちこめている。
すぐに雨が降る。それもきっと激しい雨が。
それは、私の近い未来を暗示しているようだった。
私にも、これから嵐が来る。確実に。
そうだ。泣いている場合じゃない。
傘を持ち、嵐になる前に動かなければ。
今すぐ。手遅れになる前に。
涙はもう乾いている。
動け。今、何ができるか考えろ。
私は、負けない。