朝起きて、ご飯を食べて、天気予報を見て、
学校に行って、何となく過ごして、
たまたま会った友達と今日のことを話して帰る。
帰ってきたら、夕寝して、起きたら晩御飯。
リビングで付いていたテレビを眺めて、
お風呂に入って、明日の準備をしたら寝る。
そんな毎日を過ごしてた。
一度も笑わない日もあった
一、二回しか喋らないこともあった。
これといった趣味もなく、家では寝てるか食べてるか。
学校でも何もせず、フラフラしている。
なんとなくやりたいこともなかった。
これが昔のわたし。
今の私に慣れた友から見たら
別人と疑われるほど、感情の起伏がなかった。
笑顔が苦手だった。
そもそも面白いとか楽しいと思うことが少なかった。
もし昔のままの私だったら、
楽しいことも面白いことも全部棒に振って、
ただただ何となくで生きていたんだと思うと
趣味に囲まれた今の生活がとてもありがたく思う。
少しは私も変わっているのかもしれない。
今日はそれだけ。
【行かないでと、願ったのに】
"行かないで"と叫びたかった。
いくら走っても、手を伸ばしても
届かないから。
声を出すのは苦手だ、
自分のことを言うのはもっと苦手だ。
否定されたら怖いから
自分のことを言わないままにすると
相手の思う自分と本来の自分がどんどん離れていって
次第に期待も大きくなる。
その差が大きければ大きいほど
本来の姿に絶望して離れていく。
背中を見つめるだけで
行かないでの一言すら言えない。
自分のことを言えば済む話なのに、
ただ教えればいいだけなのに、
過去の自分が邪魔をして、何も話せなくなるんだ。
過去に囚われて、一歩進むのが怖くて、
変わらない今を望んでいる。
昔からずっと成長してない。
他から見たら私はすごい人に見えるのかもしれないけど
本質は変わらず、過去が怖いだけ。
周りが全員居なくなって、
何もかも失ってしまったあの日を
ずっと今まで引きずっている。
最近の流行りも記憶も、全部分からなくて、
私だけ時間が止まってしまったみたい。
行ってしまった大切な人たちを
今でもずっと思い続けている
離れていく背中を見て、
"行かないで"
叫ばず、ただ願うのみ。
もう戻ってこない。
あの日の背中と大切な人が重なってしまうから
私は自分のことを言うのが苦手なのだろう
全部なんとかしてしまうのだろう。
時間の止まった私は、進む君を追いかけられない。
叫ぶことも、泣くことも、
ただ見つめることしか許されない。
私はずっと前から私だった
無力で泣き虫な臆病者なんて知らない。
そんなものは最初からいないよ。
昔から強くなりたくて頑張る私だ。
弱き者を救える強い自分になりたい
でもそう思うようなったきっかけは
よく思い出せない。
完璧になりたいから、褒められたいから、
誰かに見てほしいから、
そんな理由じゃなかった気がする
過去が嫌いすぎて、今を迷って、
未来へ進む気力が無くなった昔の私は、
どうして頑張ろうと思ったんだろう……
元々は努力なんてしても潰されるだけの環境にいた
全てを否定されて、周りには敵しかいない。
その空気に呑まれた私は、自分のすべてが嫌いだった。
どれだけ虐められようが、何を否定されようが
弱い自分が悪いと、周りに従おうと思った。
結果、私は大切なものを失った。
苦しくて、辛くて、悔しかった。
弱者は自分の大切なものすら守れない、
このままでは自分で幸せを遠ざけてしまう、
でも弱者の私は本物の強者にはなれないし、
大切なものを守れない、
だから、私をどん底に落とした奴くらいは
後悔させたかったんだ。
そんなこともあったかな。
弱くて何も出来ない過去を見て
少しは見返せてるかなって思えたら
強者に近づけてるのだろうか。
最初からいないよ、弱い私なんか。
誰にも見せちゃいけない。
ただ強くなりたいから、強くなるだけ。
誰も見ていない誰も知らない過去の秘密は
強く優しい仮面の中身かもしれない。
誰にも力を振らない臆病者が
密かに罠をしかけていたのはまた別のお話。
【消えない焔】
私はいつまでやり続けるつもりだろう。
どうせ将来使わないのに、
こんなことに時間を使うくらいなら
もっと他のことを頑張った方が何倍もいい。
今までもそうしてきたはずだ。
いくら興味のあるものでも、
将来いらないものなら切り捨てる。
それが一番いいんだ。
きっとこれでいいんだ。
ならここまでやってきた、
音楽だって辞めてしまえばいい
プロになる訳じゃあるまいし、いらないだろう
これさえ無くなれば、
私はもっと自分を磨ける、完璧に近づける。
早く消してしまおう。
無くさなければならない。
でもそんな音楽を
私は決断できずにズルズルと続けている
いくら続けたって私じゃ何も成せないことも、
時間の無駄だから辞めた方がいいことだって、
全部、わかってるんだよ。
なんでかな、辞めようとする度、
体に力が入らなくなって、
何にもやる気が出なくなるんだ。
もう十分やったから、これ以上は苦しいから、
これくらいで辞めるくらいがちょうどいい
どんな理由を探しても、
本気で辞める気にはなれなかった
いくら無意味なことでも、
どれだけいらないことだとしても
私は音楽がやりたかった。
それ以外は捨ててしまったから、
音楽まで失ってしまったら、
私は何のために生きているか分からなくなる
何を失ってもいいから、どれだけ間違えてもいいから、
私は音楽をしたいのかもしれない。
消そうとしても消すことのできない
何かがあるのだろうな。
音楽をやってきた長い道のりは
どんな炎でも燃えることの無い大樹として
私に深く根ずいている。
もし、辞めることになったいつかが来たらなら
私自身が樹に焔をつけよう。
その火傷は死ぬまで痛むことだろう。
【終わらない問い】
私は完璧にならなければいけない
好きな物を奪われてしまうから、
大切なものを守れないから、
全てが無くなってしまうから。
人には頼らず、自分の力だけで生きていけるように
もしもの時でも、這い上がれるくらいに
力をつけなければならない。
これはできたが、あれができない。
ならばもっと努力をしなければならない。
疲れを感じている。やる気が出ない。
まだまだ未熟な証だ。
これくらい耐えなければ、完璧にはなれない
また間違えた。次も失敗した。
チャンスは一度しか無いかもしれないのに
これではダメだ。
一度でできるようにならなければ、
完璧にはなれない
私は疲れていない。
自分に甘えては強くなれない。
もっと、もっと頑張らないと。
まだ何も出来てない。何も成せてない。
なんでこんなにできないんだろう。
甘えてないで、もっと努力しなきゃダメだ。
誰も私を見ていない。
どうせ誰も助けてくれないんだから、
自分で自分を守れるようにならないと。
そういえば、強いってなんだろう。
私は誰に見てもらうために頑張っているの?
本当に傷つきたくないなら
誰も見てない方がいいんじゃないの?
完璧になれば誰が見ても傷つかない。
でも私自身が私を傷だらけにしてしまう。
見てほしくない人に見てもらって何がいいの?
見てほしい人に見てもらえば、いいんじゃないの?
どうして?なんで?
わからない。
もう疲れた。何も考えたくない。
いつまで頑張ればいいんだろう。
目を瞑って、息を吸って
自分だけの世界に閉じこもる。
誰もいない一人の世界。
全部思い通りで完璧な妄想世界
私は私で、誰でもない人。
きっとそれだけでいい。また考えればいい。
今はまだ、必要ない。