手のひらの贈り物
ほれ、どっちか選んでよ
結んだ両手を差し出す彼女
じゃあ、右で
ざんね〜ん、チョコレートでした
左手を開いた彼女の手にはコイン型のチョコレート
じゃあ、左手は何があったの?
ん〜、内緒で
少し残念そうな顔していた彼女
でも、知ってる、彼女手にあるものを知っている
手のひらの贈り物は
二人での旅行券だってこと
心の片隅で
あの子また学年トップだって
へぇ、あの子すごいんだね〜
もちろん知ってる
だって友達だもの
あの子が自分より努力してること
才能だけで来てる人じゃないってこと
でも、でもね、知ってても思うときがあるの
『あぁ、失敗すればいいのに』
『私を追い越しやがって』
本当に私が思ってるのか分からない言葉が
ぽつりぽつりと生まれていく
ごめんね、こんな私、友達って言えないや
雪の静寂
さらさらと静かに舞う雪
心地の良い静寂に 落ちる 落ちる 落ちる
私は今雪の上にダイブする
ドスッと深い音が雪を揺らし私を包む
あぁ冷たい
ひんやりとした静寂を掻き消すように声を出した
君が見た夢
教室の隅で本を読むふりをしながら
君が見た夢の話を聞いていた
ほんの少しだけ、自分が出てきたりしてないかなぁ
なんて思ったけれど、そんなことはなかった
君の見た夢を想像することが最近の僕の幸せ
気持ち悪いと思われて当然、思われないなんてことない
あぁ、君が夢に出てきてくれたらなぁ
君が見た夢に僕が出てきてくれたらなぁ
そんな淡い願いをして
また一つページをめくった
明日への光
いきたくないなぁ
なに?学校?
まあ、そうかな…
明日に希望を持と?
そうだよね、ありがと
大丈夫だってば!
うん…頑張るね、ありがとうね
明日への光は消えないからね!!
じゃあ、君のためにいきるよ
君を明日の光にして