「夏の匂い」
湿った登下校の道
早起きの風
海香る浜辺
目を開いた夜中の空気
教室に広がる汗
もっと、他にもあるけれど
私が香る夏の匂い
「カーテン」
教室で、課題で居残りをしていた。
熱くて窓を開けていた。風が気持ちいい日だ。
俺は課題未提出の常習犯で、居残りは週に3はある。
今日は夏休みの漢字ノートの居残りだ。
たかが、漢字ノートだけで居残りって
そう思っていた時にドアの開く音がして
あいつが入ってきた。カーテンが風船のように膨らむ
あいつは、このクラスのトップ
なんでも教えてあげますよーって顔したガリ勉だ。
きっと今日も
居残りの俺を横で予習でもして見下してるんだろう。
そう思いあいつの方を向いた。
どぱっん
そこには、あいつの姿はなく
揺れたカーテンと1つの封筒
なんだか外が異様に騒がしくなった。
#落ちた
「青く深く」
僕は、生きていた。
起きて、食べて、歩いて、考えて、また、眠る
毎日がそうだった。
そんな毎日がつまらなかった。
何をするのもつまらなかった。
だけど
雪の降る日、彼女に出会った。
同じ学校の隣のクラス、どうしよう、接点が全くない
話したいと思った、けれど、無理だ。
彼女を見ることしかできない。あ、あいつと話してる…
なんでだろう、心臓が痛いドキドキする。
姉に聞いたら「恋」だと笑われた。
そんなわけがない、、いや、…そうなのかもしれない
僕は彼女が好きなのか?
そんなこんなで4月になった。
もちろん、彼女との進展はなかった。
けれど、驚きは突然やってきた。
え、彼女が横に座ってる?
クラス替えで同じになったのだ。何から話そう?
「初めて同じクラスですね。よろしくお願いします。」
彼女は礼儀正しかった。僕も何か言わなくちゃ
「そうですね、僕は笠原って言うんだ」
名前を言ってしまった。動揺が隠せていない。
「知ってるよ、ずっとクラス見に来てたでしょ?」
そう、彼女は笑っていた
ずっとバレていた!?
そうして、僕は青くて深く恋に落ちた
「夏の気配」
急に目が覚めた
時計を見ると2時間早い
二度寝でもしようか、 無理だろう
起きる
3時の廊下は冷たい
昨日は土砂降りだったのに
雨音1つ聞こえない、車の音でさえ
歩く
トイレに着く
空いている小窓から香る
春じゃないし、梅雨じゃない
少し爽やかな、でも暑い夏の風が
吹く
リビングに入る
意味もなくスマホをつける
ページに梅雨の終わりが告げられる
暗い部屋で、唯一の明るい光をこの手で
消す
作業をする
いつもの時間になる
一息いれるコーヒーを淹れる
ふと、気がつくと、うるさくセミが
鳴いていた
「まだ見ぬ世界へ!」
どのくらい歩いたのかな
きっと人が一生を終えるのと同じくらい
先の方に一粒のごまのようなものがある
近づいてみようかな
目の前には小さな、でも存在感の大きな扉があった
ふと、横に目をやると、
私より頭2つ分、背の違う子供が立っていた
女の子なのか男の子なのかわからなかった
「こんにちは」
子供の方から声をかけられた
その声は鈴のようだがどこか響く
「おとなのひと、めずらしい」
私は大人ではない
「おにいちゃん?おねえちゃん?」
どうやら、向こうも判別できないようだ
「いいや、おとなもここに、はいるの?」
私は迷った、この道で扉など一度も見ていない
まず、ここは道なのだろうか
「ここのとびらあけてあげる」
この扉を開けられるのは、この子供だけのようだ
「いってらっしゃい」
扉の外は光で見えなかった
「あなたのみらいにひかりがありますように」
私は心を決めまだ見ぬ世界へ飛び出した
#世界