遠い鐘の音

除夜の鐘を聞きに県外まで出かけた

夜空を超えて

丘の上で星を見た。

あの時の感動が私の言葉を殺していく。
あの日の夜空が私の目を覆っていく。
あの夜の数瞬が私の日々を蝕んでいく。

超えたい。超えねばなるまい。
超えるものではないのかもしれない。
それでも自分で、超えたい。

ぬくもりの記憶

たとえもう会えなくても忘れたくない
あの時感じた心のぬくもり

凍える指先

手袋を外す。
凍える指先を滑らす。
伝えたい想いがそこにあった。

雪原の先へ

「雪原の先へ行きたい」と言う人がいた。
一人は寒さに耐えかねて。
一人は白一色の景色に飽きて。
一人はかまくらを作るのにうんざりして。

私は今も雪原にいる。
寒さを感じ、白一色の景色の中で、かまくらを作る。

雪を掘っていたらふきのとうを見つけた。
今あるものの終わりを感じて、少し寂しくなった。