ひんやり冷たくて甘いゼリーたちを最初に食べて
もうひと踏ん張り、と思ったらこはく糖。色は均等に残していって、と。
口元に笑顔がこぼれてしまう玄関に置かれたモイストポプリ。
少しお腹がすいたなと思ったらバームクーヘンをひとくち。あぁもうなくなってしまったな。
次開けるのはどのお菓子にしようかな、と選びつつしょっぱいご飯のおともを吟味して、
気持ちが悩んだときはチューリップを眺める。君はいつでもかわいいね。
手紙は何だか恥ずかしくて何度も読めないけど、
初めての金木犀は何度も嗅いで知らない香りを楽しむ。
そして小さな花をひとつふたつ取り出して、思い出を作っていく。
そんな日々を送っているよ。
「贈り物の中身」
ごめんね。
そういいたい時って弱ってる証拠。
大丈夫、もう終わってる、大丈夫
終わってないこと始めなきゃいけないこと
あるけど、もう終わったこともある
大丈夫。不安にならなくていい。
こうあればいいな、こうだったら嬉しいなと
思い描いてしまうのがわたしの思う未来。
見えないからこそ、思い描いてしまうのかも。
叶わないことばかり、思い描いているもんね。
現実みなよ。
「見えない未来へ」
「うわっ………びっくりしたぁ…ラーレ、まだ寝てなかったの?」
ふと手元から目線をはずしラーレの巣を見上げると、まばたき1つせずこちらを見ているラーレと目が合った。
「ふふ、夜行性だねぇ、私と一緒だ。おいでよ。」
腕を伸ばすと素直にやってきて頭をすり付けてくる仕草が愛しくて、反対の手で頭を撫でてやるとその手のひらにぴとりと頬を寄せてくれた。
「見て、ここまで編んだんだよ」
不思議そうに見つめる瞳に優しくもうすぐ編み終わるマフラーを見せてみる。
ちょっと濃いめの赤くてふわふわな肌触りのマフラー。
「誰のだと思う?…ヒント。私のは去年買ったクマのマフラーがあるでしょ?あれね、しゅうちゃんも同じの持ってるんだよ。…だからこのマフラーは………ラーレとテムズのおそろいなの。」
完成して2羽がおそろいのマフラーをしているのを想像する。………あぁ、なんて可愛いのだろう。
今年は寒くなるのが早そうだし、早く完成させたいけれど。ラーレに合わせてみるとどんどんオプションを付けたくなっていく。
「ふふ……飾りのリボンとかも付けちゃおうかな。テムズ嫌がるかな?ラーレはリボン好き?」
それからしばらくの間、静かで、でも楽しげな声が寮の廊下まで優しく響いていた。
HPMA side.T