静かな終わり

読みかけだった　恋のページを
風がめくって　閉じてゆく
書き留めるべき　言葉もなくて
ただ真っ白な　明日が来る

心の旅路

古い鞄に　昨日を詰めて
見知らぬ景色を　独り歩き出す
心の奥の　名もなき地図が
明日の光へ　僕をいざなう

凍てつく鏡

記憶の湖面は硬く閉ざされ
映る景色も呼吸を止めた
光を撥ね返すその冷徹さが
永遠という名の孤独を語る

雪明かりの夜

見上げる空は深い紺色
足元の雪は淡く輝き
地上の星を一つひとつ
数えながら歩く銀世界

祈りを捧げて

窓辺にともる　灯火が
誰かの道を　照らすまで
終わらぬ旅の　無事を願い
深い夜更けに　祈りを捧げて