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3/8/2024, 7:28:46 PM

【お金より大事なもの】

宝くじを当てたのは一ヶ月前
一億円を手にした俺と妻、五歳の息子は大喜びだった
美味しいものも食べられるし
欲しかった車も買えるだろう
海外旅行にも行きたい
他にもいろいろ……夢は膨らむばかりだ
この世にお金より大事なものなんてない
お金があれば大抵のことはできるのだから

けれどある日
会社で仕事をしていると
知らない番号から電話がかかってきた
「息子を誘拐した。助けたければ一億円用意しろ」
低い男の声でそう告げられ、パニックになる
「すぐに一億円を渡しますから、必ず息子を返してください!」

犯人の指示通りに受け渡し場所に向かい
一億円を渡して息子を解放してもらった

息子が無事なことに安堵して
泣きながら強く抱きしめる
犯人を許すことは出来ないけれど
息子が助かるなら一億円なんて惜しくない
お金より大事なものは確かに存在した
一億円よりずっと大切なものが
この腕の中にある

3/7/2024, 12:55:58 PM

【月夜】

雲が少なく月がよく見える夜
私は元の姿に戻り、仲間に会いに行く
狼に戻れるのはこんな夜だけだ
そして仲間と再会できるのも

森の奥の開けた場所へ行くと
すでに三頭の狼が待っていた
嬉しさに尻尾を振っていると
遅れて一頭がやって来た
月明かりの下
同窓会にも似た久々の集会が始まる
みんなで遠吠えをして再会を喜び
唸りながら人間社会の愚痴をこぼす

そして夜が明ける頃
私たちは人間の姿に戻るのだ
すると毎回、自然と解散することになる
今度は人間の言葉で
また会おう、とか
お互い人間界で上手くやろう、とか
別れの挨拶や励ましの言葉を交わし合い
それぞれの家に帰るのだ

人間の世界は面倒くさくて
理解できないことも多いけれど
みんなを見習ってまた頑張らねば
次の月夜の晩が楽しみだ

3/6/2024, 7:43:43 PM

【絆】

些細なことで大喧嘩して
幼い頃からの友情は壊れた
それでもやっぱりアイツが気になって
けれど連絡する勇気もなかった

ある日僕は街で知らない男たちに絡まれ
金を要求された
断ると男たちは逆上した
喧嘩が弱い僕は一発二発と殴られ
もうダメだ、と思った時
アイツが現れた
男の一人を一発殴り返したあと
僕を連れて走った

落ち着いてから
どうして助けに入ったんだ、と聞くと
当たり前だろ、と答える
街に来たらたまたま
僕のことを見かけただけなんだろうけど
見て見ぬふりだって出来たはずなのに

あの時はごめんと謝ると
俺もごめんと言って笑う
やっぱり僕らは見えない糸で繋がっていて
きっとこれからも一緒に笑ったり
助け合ったりしていけるだろう
これが絆というものなんだ、と気付いて
僕はアイツに微笑みかけた

3/5/2024, 1:16:26 PM

【たまには】

お気に入りのお店に行くと
いつもオムライスを頼んじゃうけど
たまにはナポリタンにしようかな
飲み物もいつもはココアを頼むけど
たまにはカフェオレにしてみようかな
デザートはいつもバニラアイスを頼んでるけど
たまにはキャラメルアイスにしちゃおうかな
ほら
これでいつもとは違うお昼の出来上がり
たまにはこんな風に
「いつも通り」を変えてみるのもいいな
でも美味しかったけど
いつものメニューも恋しくなるんだよね
だからあくまで
「たまに」にしよう

当たり前のようで当たり前じゃない
些細な幸せが積み重なって
この日常は作られてる
いつも何気なく頼んでいるメニューも
食べられるのは当たり前じゃない
たまには「当たり前」をあえて崩してみると
今の幸せに気が付けるのかも知れないな

3/4/2024, 10:08:25 AM

【大好きな君に】

ねえ
こんなに大好きだと伝えているのに
可愛いね
で終わらせないでよ
お腹が空いたの?
じゃないよ
あなたが大好きだって言ってるの
僕も大好きって答えてよ
いつも通りのあなたの笑顔の前で
私のにゃあという声が虚しく響いた

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