「おはよう…」
元気がない私の彼氏。
いつもなら元気いっぱいに抱きついてくるのに。何かあったのかな?と思い声をかける。
「おはよう!元気ないね?何かあった?」
そうすると彼は首を横に振る。
「大したことないよ。ちょっと夢見が悪くて」
ちょっとじゃない気がするんだけど…
「どんな夢だったの?」
と聞くと泣きそうな顔をして答えてくれた。
「君が僕の目の前からいなくなる夢」
え……そんなことで?
そんなことあるわけないのに。
とにかく彼に安心して欲しくて抱きしめた。
「そんなこと絶対にないから安心して!」
そういうと肩に顔を埋めて首を盾に振る彼。まだ安心してないな……と思ったら口をついて出た言葉に私も彼もびっくり!
「安心できないなら結婚しよう!結婚すればずっと一緒だよ!」
彼は驚いた顔をしていた。と思ったらすぐに嬉しそうに笑って受け入れてくれた。
その1ヶ月後に彼から正式にプロポーズされて今日は結婚式の日。
嬉しいし今後が楽しみで仕方ない!
#君が見た夢
仕事中お客様に呼ばれてフロアに出て対応をした。その後バックに戻り作業の続きをしようとしたら先輩からの呼び出し。先程何か対応を間違えただろうか?他のスタッフのお客様だったのだろうか?ほかの業務でミスがあったのかもしれない。と色々考えていた。
先輩に従いミーティングルームへ向かう。ミーティングルームで先輩に椅子に座るよう促されとりあえず座る。
「なぜ呼び出されたかわかるか?」
先輩が問う。
「分かりません。先程のお客様対応にてなにか間違いがありましたでしょうか?」
正直に応えると、
「大きなミスはない。ただ、スタッフとしての意識をもう少し高めて欲しい。」
やはり何かミスをしたらしい。
「申し訳ございませんでした。今後はより一層気を引き締めてまいりたいと存じます。そのためにも改善策や今回の問題点についてご教示いただけると幸いです。」
すると先輩は苦笑して
「そんなに固くならなくてよろしい。
先程の対応については、まず服の裾に口紅らしきものが着いている。また、君の靴の靴紐が解けていて気になっただけだ。」
そう言われてそんなことかと思い、思わず
「そんなことでしたか。先程の対応で何か間違いがあったのではと心配して損しました」
と言うと鬼のように怒って、
「君にとってそんなことでもお客様は気分を害する可能性が高いのだぞ!?だから自覚を持ちなさい!」
そう言われて初めて気づいた。
お客様のお時間を無駄にしない為にもしっかり整えなければと決心した。
#靴紐
君に贈ったアンスリウムの花束。
間に挟んだメッセージカード。
君は照れながら受け取ってくれたけど、
言葉はくれず帰ってしまった。
僕も言葉はかけられなかったけれど、
言葉を求めるわがままなんだ。
期待してもいいのかな?
期待に胸を膨らませるも、
答えをいつまでも待っているよ。
#答えは、まだ
アンスリウムの花言葉
あなただけを見つめる
扉が開く。誰かが入ってくる。黒いモヤの人形。顔は見えないけど私はこの人を知っていると思う。だって安心する。「交代の時間だよ」そう言われて思い出す。そうかこの人はお姉ちゃんだ。「分かった」そう言って扉の外に出るとそこには明るい世界が広がっていた。あの空間は待機場所。誰がいつ出るかはその日のカコちゃんのスケジュール次第。でも私はカコちゃんじゃない。マイっていうの。高校三年生。これから私は買い物に行く。
#夜が明ける
何があった訳でもない。ただ君が笑っただけ。ただそれだけで、可愛いと思える。君が少し気遣ってくれただけ。それだけで好きだと思う。特別な何かがなくても、ふとした瞬間に君を好きだと感じる。これが愛というのだろう。でも、この気持ちは伝えられない。だって私たちは友達だから。でも、こんなに近くでいられるのは友達の特権だと思う。これからもよろしくね。
#ふとした瞬間